- 785. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 00:01:47.89 0
- 映画館を逃げるように後にして、私たちは行くあてもなく街を歩いていた。
未だに動揺を隠せない私に対してりーちゃんはわざとらしいぐらい元気で、
逆にどうしていいか分からなかった。
「あ、先輩!パフェ食べましょうよ♪」
「・・・うん」
「やだなあ、先輩まで暗くなんないでくださいよ!」
あたし大丈夫ですから。
そう言うりーちゃんは確かに笑ってはいるけど、
感情がすっぽり抜けているような、作り物のような笑顔だった。
「てゆうか、みや、せっかくももさんといるのに悲しそうな顔してましたね」
「・・・・・」
「もっと楽しそうにすればいいのに。あ。あたしがいたから気遣ってくれたんですかねぇ」
「・・・もうやめて」
明るく淡々と話し続けるりーちゃんを見ていられなくて、思わず言ってしまった。
私の言葉にりーちゃんは一瞬だけ悲しそうな顔を見せたけど、すぐにまたさっきの笑顔に戻った。
なんだか、人形と話してるみたいだった。
「そういえば、真野先輩って好きな人とかいないんですか?」
- 787. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 00:21:17.91 0
- 「えっ!?」
りーちゃんの突然の質問に心臓の鼓動が急に早くなる
「ど、どうしたの?急に」
「だって、気になっちゃったんですもん
いつもあたしの話ばっかだから、そういえば真野先輩のそういう話聞いてなかったなぁって」
「あ、あたしの話なんてつまんないって!」
「そんなことないですよー!それに3つも年上の先輩の恋愛ってどんなものかすごく興味あるんで」
そう言ってりーちゃんは目をキラキラさせてあたしを見つめてきた
- 794. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 07:25:21.47 O
- 少し黙った後、真野先輩は静かに言った。
「すごく好きな人がいたけどね・・・結局実らなかった・・・。
だから、諦めて新しい恋愛しよ、って思ってるよ」
その声が悲しそうで、これ以上聞いちゃいけないなって思った。
あたしと一緒だな・・・って思うと、彼女を思い出して切なくなった。
結局、あたしはいつだって彼女のことしか考えてない・・・
涙が出そうなのと胸が締め付けられるのを隠すのが辛くて、早く1人になりたいって思った。
最終更新:2009年09月04日 23:51