- 852. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 17:19:16.29 0
- うちは走りながらももに電話した
「もしもしっもも!?今どこにいる?」
『・・・みやんちの家の前だよ』
「え!?なんで・・・まあいいや!今から行くから!」
電話を切って全速力で走る
うちはももに言わなきゃいけないことがある
それに、伝えたいこともあるんだ
吹き出る汗を拭いもせず、うちは走り続けた
- 857. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 18:51:37.54 O
- みやが突然行っちゃって、ももは仕方なく近くのベンチに座っていた。
なんか、みやの様子おかしかったな…
映画観る前とかは普通だったのに…
……あ、そうだ。
真野ちゃん達に会ってからだ。
真野ちゃん達に会ってから、みやの様子がおかしくなった。
なんとなく、嫌な予感がした。
ももは気付けばみやの家の前まで来ていた。
このモヤモヤを解消できるのはみやしかいないから。
もしかしたらみやに会えるかもって思って
しばらくマンションの前で待っていた。
もし、もしも、梨沙子ちゃんがみやの彼女だったら……
ももはさっき、どれほどみやを苦しめたのだろう…。
そんなことを考えていると、一本の電話が鳴った。
- 867. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 22:21:58.66 0
- 電話はみやからだった。
「今から行くから」という言葉を貰って数分後、みやは息を切らしてももの前に現れた。
+++++
「どうぞ」
「あ、ありがと」
ふかふかのソファーでゆったりしながら、みやが入れてくれた麦茶を飲む。
みやはももの隣に並んで座ると、小さく深呼吸をした。
みやが緊張してるのがこっちにまで伝わってくる。
「あのさ」
「うん」
「さっきは、本当にごめん」
「いいよ。大事な用、あったんでしょ?」
ちらっとみやを見ると、みやは小さく頷いて、
ももにはなんでもバレちゃうねなんて切なく笑った。
分かるよ。だってももは、ずっとみやだけを見てきたんだから。
「あのね、はっきり言うね」
「・・・うん」
「・・・うち、やっぱりももとは付き合えない」
- 868. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 22:30:29.04 0
- ――・・・うち、やっぱりももとは付き合えない
この言葉を予想していたはずなのに、実際みやに言われると
胸がキューっと苦しくなった
わかってる、わかってるよ?
みやがもうあの頃のみやじゃないこと・・・
あの頃、きっとみやはももだけを見てくれてたはず・・・
それに甘えて何も言わなかったのはもも
そして何も言わずに勝手に消えて、それでももものことずっと好きでいてくれてるはずだなんて・・・
七夕の日、みやは言ってたのに・・・
「やっぱり好きな人はそばにいて欲しいな。
うちがその人のことがたまらなく好きで、その人もうちのことが好きでも
そばにいてくれないんだったら他の人に気持ちが移っちゃうかもしれない
待つのは苦手だし。」
- 869. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 22:37:55.78 0
- 「ごめん・・・」
「謝らないでよ。みやが決めたなら、仕方ない」
これ以上縋ることはできなかった。
だって、ももはみやに言ったから。
みやが最後彼女さんを選んだら、きっぱり諦めるって。
「・・・もっと早く戻ってくればよかったんだよね」
「・・・・」
「ももが過去になる前に、みやに会いにくればよかったなぁ・・・」
- 870. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 22:45:14.21 0
- なんてわざと明るく振る舞って笑顔を作る
そんなももをみやは本当に辛そうに見ていて・・・
「もも・・・」
「もー!なんでみやがそんな顔するのー?
振られたのはももなんだからー」
涙が出そうになって大声を出してごまかしたら
みやがももの頭を優しく撫でた・・・
昔、ももが辛い時、泣きたい時、
いつもみやがこうやって頭を撫でてくれたあの感触・・・
いつも意地悪なみやが頭を撫でるときだけすごく優しくて温かくて・・・
あ・・・涙出る・・・そう思った
- 871. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 22:48:22.37 0
- 涙を見せるのは間違ってる気がして、慌ててソファーから立ちあがった。
「じゃあ、もも帰るね!」
「えっ・・・」
「みやの気持ちは、ちゃんと受け取ったから」
向き合ってくれてありがとう、
そう告げて玄関に向かった。
するとみやが追いかけてきてももの腕を引っ張った。
「待って」
「なに?」
「ももは、うちと出会ったこと後悔してる?」
- 872. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 22:57:50.52 0
- みやの質問・・・
みやと出会ったことを後悔してる?だなんて・・・
ももに恋を教えてくれたのはみや
恋して幸せな気持ち、辛い気持ち、温かい気持ち
全てみやが教えてくれたんだよ?
みやが好き・・・振られてもももはみやがずっと好き・・・
泣きたくなるくらいみやが好き・・・
そんな質問するなんてバカだよ、みや・・・
だからももは一言「バカ・・・」って言ってやった
するとみやはももの腕をもっと引っ張ってぎゅっと抱きしめた
- 874. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 23:04:34.39 0
- 突然のことに驚きすぎて心臓がとび跳ねた。
高鳴る鼓動の中、もももみやに聞いた。
「・・・みやは、後悔した?」
「うちは・・・」
みやの腕に力がこもった。
ももも、みやの背中に腕を回した。
痛いぐらいがちょうどよかった。
「うちは、ももに会えてよかった」
「・・・・・」
「ずっとずっと会いたかった。本当に、大好きだった」
「・・・みや」
「幸せに、出来なくてごめんね・・・」
- 876. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 23:12:53.01 0
- その瞬間こらえていた涙が一気に溢れ出た
「・・・みや・・・うぅ・・・大好きだよぉ・・・」
「うちももものことずっと大好きだったよ・・・
あの時ちゃんとももに気持ち伝えられなくてごめんね」
「うぅ・・・グスッ・・・」
「うち、ももが初恋だった・・・
うちに恋することを教えてくれてありがとう・・・もも」
- 878. 名無し募集中。。。 2009/09/04(金) 23:36:07.13 0
- もも、みやの初恋だったんだ・・・
初めて聞いたみやの告白に、驚きと喜びを隠せない。
「これからもものことは、辛い思い出じゃなくて、いい思い出として、ずっと胸に残しておくから」
「・・・うん。そうして?」
「会いに来てくれて、ほんとにありがとう、もも」
そっと体を離して笑い合った。
きっと涙で顔がぐちゃぐちゃだったと思うけど、そんなことはどうでもよかった。
お互いがお互いをその目に映してること、
それがももにとって一番嬉しいことだった。
「ねえみや、一つだけお願いがあるんだ」
「なに?」
「もも、みやの一番の親友になってもいい・・・?」
言った後で、今さら何言ってるんだろうって少し顔が赤くなる。
でもみやは、そんなももに気付いてるのか気付いていないのか、満面の笑顔で言った。
「とっくに親友だよ」
「・・・ほんと?」
「うん。だからいつでも会いに来て。辛い時は頼ってよ」
最終更新:2009年09月05日 00:10