- 897. 名無し募集中。。。 2009/09/05(土) 06:47:32.11 O
- 涙を拭いながら親戚の家に向かう桃子
急に引っ張られる腕
「何泣きながら歩いてんのよ」
「真野ちゃ…」
「…まだ明るいっていっても危ないよ?」
「ほっとい「ほっとけない」
「…もぉね、振られちゃった」
「だから言ったじゃん…バカ」
少し乱暴な口調とは裏腹に優しくももの手を握る真野ちゃん
近くの喫茶店に連れて行かれ、ももが落ち着くまで傍にいてくれた。
- 944. 名無し募集中。。。 2009/09/06(日) 11:35:33.25 0
- 「悲しくて泣いてたの?」
「違うよ。悲しくはない」
みやにも言ったけど、ももは後悔してないもん。
思いを伝えることも、みやの思いも知ることが出来たから。
だから悲しくはない。
ただ、涙が溢れちゃうだけ。
「・・・結局、みやに言わなかったんだね。お母さんのこと」
突然の真野ちゃんの言葉に一瞬固まったけど、ももは小さく頷いた。
「言ったって、みやに心配かけるだけだもん。それに、もう大丈夫だし」
「心配ぐらいかけさせてあげれば」
ふふっと笑った真野ちゃんは、カバンから小さな袋を取り出すと、ももに渡した。
なに?と驚いていると、今開けてもいいし、あとで開けてもいいよって言われた。
気になるので今開けた。
- 945. 名無し募集中。。。 2009/09/06(日) 11:37:24.82 0
- 「・・・これ」
入っていたのはお守り。
色違いのが二つ。健康お守りだ。
「一個はももの。もう一個はお母さんの」
「・・・真野ちゃん」
「まだ完璧には治ってないんでしょ?だから、一日でも早く完治できるように、お守り。」
「もものはどうして?」
「こっちに元気な姿で帰って来れるように」
そう言ってほほ笑む真野ちゃんを見ていられなくて思わず下を向いた。
でも、ももの目が潤んでたのを、きっと真野ちゃんは気付いてたと思う。
もものお母さんは、ちょっと複雑な病気の治療のために海外に行った。
ももはそれに着いていった。
みやには言わなかった。
- 946. 名無し募集中。。。 2009/09/06(日) 11:38:56.64 0
- 「来年こっち戻ってこれるってことは、だいぶよくなったんだよね?」
「うん。もう大丈夫。このお守りもあるし」
「そっか」
「家族みんなで、元気に帰ってくるよ」
ありがと真野ちゃん。
本当に。
ももはお守りを握りしめた。
「あーあ、あとは、恋愛さえうまくえけばねえ」
「確かにー」
「・・・私たち、いい加減みや以外の人にも目向けなきゃだよね」
「だよね。案外、近くにいい人いたりするかも」
あ!もも達、意外といいカップルになれるかもよー?なんて言ったら
ももは嫌だよって言われた。
でも真野ちゃんはすごい笑顔で、そんな嫌そうに見えなかったから、へこまなかった。
きっとしばらくはみやが好きなままなんだろうけど、
いつか、みやを越える好きな人が出来たらいいなあなんて
真野ちゃんを見ながら思った。
- 947. 名無し募集中。。。 2009/09/06(日) 12:56:55.90 0
- ももに、さりげなく私がみやのこと好きだったのをカミングアウトした。
でもももはあんまり驚いてなかったみたい。
それどころか、もも達お似合いなんじゃない?みたいなことを言ってきた。
・・・一瞬ドキっとしたのはここだけの秘密。
咄嗟に「ももは嫌だよ」って憎まれ口叩いてみたけど、
全然嫌じゃないってこと、多分ももにばれてる。
だってもも、なんか嬉しそうに笑ってるもん。
もものことだから、本当はとっくに気付いてたのかもね。
私と梨沙子ちゃんが恋人じゃないってことも、
梨沙子ちゃんがみやの恋人だってことも。
「ももは強いよ」
「えー何それー」
「ううん、なんでもない」
未来のことなんて分からないけど、
ももも、みやも、私も、梨沙子ちゃんも、みんなが幸せでいられたらいいなあなんて
柄でもないけどそんなこと思った。
最終更新:2009年09月09日 23:41