- 36. 名無し募集中。。。 2009/09/08(火) 01:19:34.83 0
- 大きな会場。
それ以上に大きな歓声。
私の知ってるユリナちゃんは、カッコ良くて女好きで変態で、でもやっぱりカッコ良くて優しい。
でも、今、あの大きなステージに立ってるのは、ほんとにユリナちゃんなのかな?
―――――――――
あのあと、ユリナちゃんに打ち上げに誘われた。
行かないと・・・でも・・・この何とも言えない感情は何だろう・・・。
「もしもし」
『もしもし!なかさき!早く打ち上げきてよ!』
いつもユリナちゃんは元気だけど、それ以上に元気な声。
声しか聞けないけど、眩しくて、目がくらむような感覚。
「あの・・・私、今日は帰るね・・・」
『え!?ちょっとまっ』
「ごめん」
そのあと何か言っていたけど、強引に電話を切り、帰路についた。
- 41. 名無し募集中。。。 2009/09/08(火) 04:18:41.07 0
- 急ぎ足で家に帰り、部屋に飛び込んだ。
ベッドに倒れ込むと、もやもやした感情が涙となって溢れてくる。
なんか、ユリナちゃんが急に遠い人になっちゃったみたいで。
いや――――――
もともと私とは住む世界の違う人だったんだ。
ただ単に、ユリナちゃんのお気に入りだから傍に置いてもらってるだけで・・・
私も調子に乗ってた。
ユリナちゃんは性欲をくすぐればいいと思って手のひらで転がすような真似をした。
ほんとは誰よりも抱かれたいと思っているのに、焦らすようなことを。
今、ユリナちゃんに会ったら絶対泣いてしまう。
そう思っていたその日の夜、電話が鳴った。
- 42. 名無し募集中。。。 2009/09/08(火) 04:44:55.40 0
- どうしよう・・・きっと怒ってる。
でも、この電話を無視したら、私絶対捨てられる。
「もしもし」
「あ、ナカサキぃ〜!あの・・・今日はごめんね?」
「え?」
ごめんって何?なんで謝るの?
悪いのは全部・・・・。
「いや、よく考えたら、なかさきってああいう場所明らか苦手じゃん?うち、どうもそういう所気が回らなくって・・・・w」
「・・・・っ」
「よく考えたら打ち上げって言っても面識ない人ばっかりじゃ行きたくないよねぇ・・・ごめんね」
え・・・?
なんでそんなに優しいの。
私はこんなにちっぽけなのに。
「・・・・」
「なかさき?」
「逢いたい」
「へ?」
「逢いたい、今すぐ。」
何で自分でもこんなことを言ったのか分からない。
なんというか、本能的に、そう言っていた。
「・・・やっぱうちら、相性抜群だね」
「え?」
「今、なかさきの家の前にいる。」
- 72. 名無し募集中。。。 2009/09/08(火) 22:29:45.35 0
- ドアを開けると、当たり前だけど、ユリナちゃんがいた。
私に気づいたユリナちゃんは「よっ」と言って満面の笑顔を向ける。
「ユリナちゃん・・・」
「会いたくなったから、きた」
ストレートな表現。
こういうところが好きだった、昔から。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
初めて会った日は衝撃だった。
いつものように生徒会室に入ると、彼女がいて・・・。
本当に同じ学校の人だろうか。最初はそう思った。
モデルみたいなスタイルに整った顔、そして・・・何故かティッシュ箱の裏の説明書きを読んでいた。
そんな彼女に私は瞬く間に惹かれて行った。
真面目しか取り柄のない私にとって、彼女はあこがれの的。
だから、ユリナちゃんが私にかまってくれるようになった時、すごく嬉しかった。
まぁ、もっとも、身体をあちこち触られてたけど・・・。
- 76. 名無し募集中。。。 2009/09/08(火) 23:13:29.45 0
- 「上がってもいい?」
「え・・・あ、うん」
部屋に上がるとユリナちゃんは、「やっぱなかさきと二人でいるときが一番幸せ」と言って抱き締めてくれた。
まったく、ユリナちゃんは・・・・
私があなたの事でどれだけ悩んだと思ってる・・・?
でっかいステージで活き活きと輝くあなたを見て、どうしようもない虚無感に襲われたんだからね。
――――――でも・・・いいや。
この笑顔を見てたら、私の心の中の陰なんて、全部照らしてくれるから。
「ねー、今日頑張ったから、ご褒美ちょうだい!」
ちょっとバカだけどね
最終更新:2009年09月09日 23:39