- 410.名無し募集中。。。:2009/09/17(木)
09:43:50.83 0
- あの日から、もう6年・・・
夏の終わりが来ると毎年思い出す
うちには2個下の幼馴染がいた。
だけど彼女は6年前に姿を消した・・・
まるで・・・・・・
そう、まるで”あの時”川に飲まれたままのように・・・・・・・・・・
彼女はうちn前から姿を消した
- 411.名無し募集中。。。:2009/09/17(木)
09:53:43.55 0
バスケットリングのある近所の公園で
ヒマがあるとうちはシュートの練習をしてる
それは小学校でミニバスを始めてから変わらないスタイル。
まだまだ暑さが残る中、延々とシュート練習を繰り返す
リングに吸い込まれては出てくるボールを拾う
同じ動作の繰り返しの中、うちにしては珍しくミスった。
不快なリングとボールの衝突音と喉の渇きに少し苛立つ。
ボールを拾おうとした瞬間に
「へたくそ」
聞き覚えがあるような、無いような・・・
ってか今のってうちに言ってるよね?
イラッとして声の方に振り返った
- 412.名無し募集中。。。:2009/09/17(木)
10:00:55.49 0
デジャヴ・・・ってヤツ?
あの夏、うちの前から姿を消したあの子の笑顔と
うちをヘタクソ呼ばわりした目の前にいるその子の笑顔が重なる。
「あ・・・ねえ、この辺の子・・・じゃないよね?」
「へたくそには教えない」
イタズラな笑顔でその子は駆けて行った
追いかければすぐに捕まえられそうな速度・・・
けれど、うちにはその子が実在しているのかわからなくて
その子が駆けてった方を見た後
なんとなく練習する気分じゃなくなって
そのまま家に帰った。
夏の暑さが見せた幻だったのかな?
あの笑顔・・・梨沙子にそっくりだった・・・
- 413.名無し募集中。。。:2009/09/17(木)
10:11:50.18 0
家に帰るとママが今日は夕ご飯にお客さん来るから
みやびも手伝って・・・なんて言われて食器を出したり
簡単なお手伝いをする
お客さん?パパの仕事仲間か、ママの友達だなきっと。
一人で勝手に納得して特にママの話も聞かなかった。
ピンポーン♪
チャイムが鳴り、ママに促されてお出迎え。
やっぱりママの友達かな?
あ・・・
「久しぶり~!梨沙子ちゃん、大人っぽくなったわね~!!」
「中身はまだまだ子供よぉ!みやびちゃんよね?
昔から大人っぽかったけどまた美人になったわね!ママそっくり」
ママと・・・ママの友達・・・っていうか梨沙子のお母さん?
ていうかその横にいるのはさっきうちに「ヘタクソ」って言った子・・・
- 414.名無し募集中。。。:2009/09/17(木)
10:25:51.57 0
あれ?とゆーことは?この子は・・・
「あたし、みやのことすぐわかったよ」
「っ!ホントに梨沙子なのっ!?」
「もー!ホントに梨沙子だよ」
いたずらっこな顔して笑う梨沙子とは裏腹に
うちの目からはポロポロと涙が出ていた。
「わぁ!みやどうしたの!?」
「っ・・・だって、梨沙子が・・・ちゃんと、元気だか、ら・・・」
「え~~~~?」
実はうちは梨沙子は6年前、一緒に遊びに行った川で溺れて
そのまま会うことも無く梨沙子の家は転勤していった事から
梨沙子は死んじゃったって思ってた。
ママやパパはうちが子供だから遠くに行ったって言うけど
本当は梨沙子はあの日、川で溺れて死んじゃったって・・・・・・
うちのママとパパと梨沙子のママとパパは先にご飯食べて
ワイワイと懐かしい話に花を咲かせてるみたいだったけど
うちは玄関のすぐ横の客間で梨沙子にあやされるように
泣きながら梨沙子に
「何で手紙とかくれないの!」
「むー。みやだってくれなかったじゃん・・・ごめん」
- 415.名無し募集中。。。:2009/09/17(木)
10:27:38.71 0
「でも、勝手に殺さないでよ」
なんて梨沙子が困ったように笑うからギューって抱きしめて
「また急にいなくなったら許さないよ」
って言ったら、力強く抱き返されて
「もう二度といなくならないもん」
みやと一緒にいる
って最後の方は小さく呟いたから許してやる。
うちの6年間の想いは何だったんだ!
でも今、目の前にいるから許してやる!!
「二人ともご飯冷めちゃうわよー」
「「食べる!」」
同時に叫んで顔を見合わせて笑った
また一緒・・・ううん、ずっと一緒だよ
最終更新:2009年09月22日 16:08