430. 名無し募集中。。。 2009/09/30(水) 17:13:26.26 0
練習が終わってみんなそれぞれ自由に過ごす中、うちはまだシュートの練習をしていた。
ちらっとみやを見ると、みやは今日も携帯をいじっていた。


今日、みやは部活に遅れてきた。
「すいません」ってみんなに頭を下げたけど遅れた理由は言わなかった。みやらしくない。
まぁに説教されてる時もチラチラ扉の方を気にしてて、みや今日どうしちゃったのかなって思ってた。
そしたら梨沙子ちゃんが入ってきた。

その瞬間、みやが安心した顔をした。

そのあと二人は一緒に体育館を走ってて、時折じゃれ合っては仲よさそうにしていた。
みやってみんなに優しいけど、梨沙子ちゃんのことは特に可愛がってる気がするなあ。
そんなことを考えながらジャンプをしてシュートを放つ。

431. 名無し募集中。。。 2009/09/30(水) 17:15:46.42 0
「・・・!!・・・っつ」

余計なことを考えてたからだろうか、着地した時少し足を捻っちゃったみたい。
ちょっと足に違和感は残るけどまあこのぐらいなら平気かなと、
軽く足首をストレッチして再びシュートをしようとした。
その時だった。

「熊井先輩!!!」

うちを呼ぶ声がコートに響いた。
その声の主、梨沙子ちゃんは、コートの外からちょっと怖い顔してうちを見ていた。
432. 名無し募集中。。。 2009/09/30(水) 17:34:21.82 0
「ちょっと見せてください!」
梨沙子ちゃんはうちのほうへ駆け寄ってくると捻った足首にそっと触れた
少し冷えたその手は熱を帯びた足首にはちょうどいいくらいに心地よかった

「捻挫してるかも…」
「大丈夫だよこれくらい」
「でも…あっ!ちょっと待っててください!」
梨沙子ちゃんは駆け足でどこかへ向かうと大きな救急箱を手に戻ってきた
その救急箱の重さに少しふらつきこけそうになっているその姿が
どこか危なっかしくて手を差し伸べたくなった
「だ、大丈夫?」
「大丈夫です。先輩、早く足!」
「あ、はい…」

真剣な顔つきでそんなこと言うもんだからついついこっちが敬語になってしまった…
434. 名無し募集中。。。 2009/09/30(水) 19:13:11.46 0
慣れた手つきで手当てをしていく梨沙子ちゃん。
そういえば前の学校でもマネージャーやってたんだっけ。
たいしたことないのに大げさだなあなんて思うけど、
うちのちょっとした変化に気付いてくれたことは素直に嬉しかった。

「たぶんこれで大丈夫だと思いますけど・・・無茶しちゃダメですよ?」
「あ、うん」
「先輩の代わりはいないんですから」

そう微笑む梨沙子ちゃんに思わずドキっとした。
ごまかすようにコホンと咳をする。

「前の学校にケガをほっといて大変になった子がいたから、
  あたしケガに関してはうるさいと思います。でもうざがらないでくださいね」
「あはは。いや、うちそういうの我慢しちゃうから、気付いてくれたら逆に助かるよ」
「ひひっ。素直に言うのって我慢するのより難しいですよね」

優しく足首をさすってくれる梨沙子ちゃん。
足はもう痛くないけど、うちの心臓はドキドキしっぱなしだった。
444. 名無し募集中。。。 2009/09/30(水) 23:31:05.06 0
「梨沙子ちゃんって優しいんだね」
「え…」
熊井先輩の微笑んだ顔初めて見たからすごくびっくりしたと同時に
かっこよくて輝いてるその笑顔に胸が弾んだ

「そ、そんなことないです!これはマネージャーの仕事ですから!」
赤くなった顔を見られたくなくて慌てて立ち上がると
置いてあった救急箱に足がぶつかり体がよろけた
「あっ!」「うわっ!」

ボスッという音と共にあたしは熊井先輩の胸にすっぽり収まっていた
「すいません!」
いかにもな体勢にあたしは慌てて先輩の胸から離れたようとしたけど
先輩はあたしの更にぎゅっと抱き寄せた…
最終更新:2009年11月19日 01:07