- 450. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 00:00:39.03 0
- 「よっ。久しぶり」
塾を終えて外へ出ると、見知った顔に声を掛けられた
「あ・・・う、めだ先輩」
「こらこら。学校じゃないんだから。呼び方違うじゃん」
「え・・・りかちゃん。何してるの?」
「さっきまでカラオケしてて、愛理見えたから」
久しぶり。本当に久しぶりだ
最後のコンクール終わってから学校でも顔を合わせてなかったし
「大事な時期じゃないの?進路は?」
「じ・つ・は、梅さん短大の推薦を貰えたのよ!奇跡的に!」
フフ。奇跡的に、とか。自分で言うかな
「大学行くんだ、勉強嫌いなのに」
「勉強は嫌いだけどね。あたしはもうちょっと遊びたいかな?って」
えりかちゃんらしい。大学ってそういう目的で行くのかな・・・?
でも、この人なら許せてしまう
昔から私の、憧れというか、尊敬する人・・・と言うか
「それより、愛理ちゃん?」
「ふぇ?」
「昨日。見ましたわよ?家の前で」
- 451. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 00:02:02.34 0
- ニコニコというよりニヤニヤ
肘で私のわき腹を突っ突きながら距離を近づけてくるえりかちゃん
あっ・・・いい匂い
「若いもんはいいねぇ。梅さんちょっと見てて恥ずかしくなっちゃったわよ」
「そ、そんな年齢変わらないじゃん。見てたなら、声掛けてくれれば良いのに」
「あたしゃそんなKYじゃないわよ。もぉ、二人の世界、ご馳走様って感じで」
家の前ってことは、みやと二人の時の事
見られて恥ずかしいような人じゃないし、むしろ自慢したいくらいの相手だけど
改めて言われるとむず痒い
「夏焼さんだっけ?あの子はスポーツでもやってそうな爽やかさで、いいわねぇ」
やってそうな、じゃなくってやってるんです
街灯の下で、楽しそうに喋るえりかちゃん
長い髪の毛が揺れて、キラキラと光る
昔は家が近所でよく遊んでもらったけど
なんだろう。ちょっと、ドキドキする
うん。部活の先輩だし。ひさし、ぶりだし
- 457. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 00:36:34.31 0
- 「でも愛理可愛くなったねぇ」
「そんなことないってば!」
「いやいや、もう時が経つのはあっという間よねぇ
あんなにちっちゃかった愛理が今や家の前で・・・だもんねぇ」
「あー!!も、もう言わないでってば―!」
含み笑いのえりかちゃんに向かって手を上げるフリ
「ごめんごめん。でも愛理、ホント幸せそうだったよ
あの夏焼さんも大事にしてるんだなぁって言うのが伝わってきたし」
えりかちゃんがあたしを優しい笑顔で見つめてくる
そうだよね、みやは本当に大事にしてくれてる
あたしが付き合っててもいいの?っていうくらい優しくてかっこよくて・・・
優しすぎる人・・・。
「あ、もうこんな時間!帰らなきゃ!
愛理も遅くならないようにねー!あ、お泊まりとかもほどほどにしなきゃだめよー」
最後にえりかちゃんは今までで一番いやらしい笑顔を残して颯爽と帰っていった
- 473. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 19:46:27.92 0
- 大きいんだけれど、細い華奢な背中
そんな後姿を見えなくなるまで眺めた後、一つ溜め息
・・・みやに、会いたくなった
近くのベンチへ腰を落ち着け携帯を取り出すと、案の定メールが入っている
“塾が終わったら連絡して。迎えに行くよ”
疲れてるはずなのに、もぉ・・・
ディスプレイを眺めて苦笑い
塾の日は夜遅くなって危ないし、ちょっと家から離れてるから
お父さんが車で迎えに来てくれることになっていた
でも、みやと付き合うようになって、こうやって来てくれるから
お父さんには友達と帰るから、ってその都度嘘をついている
「危ないから。そのお友達も一緒に送って行くから」
何度も何度も言われたけど、お父さん、ごめんなさい。
愛理は、悪い子・・・ですかね?
たまに、お父さん。いっぱい、みや。
今は、恋愛を楽しんでいたい年頃なんです、亨さん。
最終更新:2009年10月05日 00:32