475. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 20:04:27.40 0
久々に頼りになるマネージャーが入ってきた
みや目当てで入ってきたマネージャーも勉強が大変でどんどん辞めて行ったけど
今回の子は、なんか違う。バスケも好きそうだし、サポートもしっかりしてくれそう
茉麻・・・先輩の負担も減る、と思う

足を気にしながら駅まで歩く
もっと頑張って、上手くなりたい
みんなに認められたい。みやに肩を並べたい
木偶の坊って言われてた、昔とは違う

・・・それにしても、ふわふわしてたな、梨沙子ちゃん
部のみんなと違って、運動やってないからかな?
柔らかい、ホント、女の子って感じだった
一瞬だったけど、抱きしめたときの温度が腕から全身に広がる感じがした

あの時、みやが、夏焼先輩が来てなかったら

うちは、どうしてたんだろ
480. 名無し募集中。。。 2009/10/01(木) 22:21:32.31 0
そんな事を考えても頭を過ぎるのは…

「違う違う!梨沙子ちゃんはマネージャーで…うちは…」
頭を横に思いっきり振り頭を過ぎったことを吹き飛ばす

悶々する変な気持ちに今日はいつも以上に疲れて家に帰宅した
「はぁ…」
ため息をつきながら部屋のドアを開けるとこんな時に一番会いたくない子がうちを待ち受けていた

「また来たの?」
「また来たの?ってひどーい!」
「あ〜わかったわかった。っで今日は何しに来たの?なかさきちゃん」
「う〜ん?特にこれと言って用はないけど」
へへへっとそう笑った顔にまたため息が出る
幼なじみのなかさきちゃんはうちとは違う私立の女子校に通う女の子で
暇さえあればうちの家っていうかうちの部屋に入り浸っている
486. 名無し募集中。。。 2009/10/02(金) 00:35:12.99 0
「用がないなら帰った帰った」
「え、ちょっと!」
ベッドに腰かけていたなかさきちゃんの腕を掴み
無理矢理部屋の入り口まで引っ張っていくと
「ん?」
っと、首をかしげながらなかさきちゃんが立ち止まった

「ん?なに?」
「なんか熊井ちゃんには似合わないような甘い匂いが」
クンクンとうちの服の匂いを嗅ぎ始めたなかさきちゃん
「え?そう?」
自分じゃ気づかなくて同じように自分の服の匂いをかいでみる
確かにほのかに甘い匂いが服についていた
「ん〜?今日、甘いの食べてないはずなのに」

「はは〜ん」
「え?なに、その顔」
何かを悟ったように不敵な笑みを浮かべ腕を組みうちを見つめてるなかさきちゃんにうちは少し恐怖を覚えた…
491. 名無し募集中。。。 2009/10/02(金) 03:06:51.43 0
「誰か女の子抱きしめたでしょ」
図星をつかれ思わず目が泳いでうろたえたうちをなかさきちゃんは見逃さなかった

「え?あ、え?な、何言ってんのさ…」
「ふ〜ん。やっぱそうなんだ〜」
なかさきちゃんは警察官のようにうちを問い詰め追い込んでいく

「べ、別にいいでしょなんでも。それにあれは…」
「あれは?」
「事故…そう!事故みたいなものだし」
「ふ〜ん」
なかさきちゃんは顔色一つ変えずにあたしのベッドに腰をかけた

「ごめん…怒った?」
そんななかさきちゃんのご機嫌を取るために謝る
別に付き合ってるわけでもないのに昔からあたしはなかさきちゃんにはどうも逆らえなくて…
539. 名無し募集中。。。 2009/10/02(金) 22:22:27.70 0
「なんで?怒る理由なんてないじゃん」

少し強い口調でそう言ったなかさきちゃん
明らかに怒ってる…

「あ、あのね!新しくバスケ部に入ったマネージャーさんがいて、
その子が怪我したうちの治療してくれて、それで…」
「え!?」
「え?」
「怪我したの?」
「え、あ、うん。ちょっと足捻っただけ」
「見せて!」
なかさきちゃんは無理矢理うちをベッドに座らせ足首を入念に触り始めた
さっきまで怒った顔してたのに今度は心配そうな顔してる
本当に気まぐれなんだから…
551. 名無し募集中。。。 2009/10/03(土) 01:38:26.49 0
「ほんとに大丈夫?」
「うん」
心配そうにしているなかさきちゃんにこれ以上心配かけないように
笑顔を作ってみせた

「さっ、もう遅いし早く帰ったほうがいいよ。送ってく」
「え!今日はいいよ!一人で帰れる!」
「でも、危ないよ」
「いいよ。熊井ちゃん足怪我してるのに悪いから…」
立ち上がったうちをなかさきちゃんはもう一度ベッドに座らせると
バッグを手に取りドアへと向かった

「なかさきちゃん?」
歩めていた足をドアの前で止めたなかさきちゃん
そして小さな声で
「…も…」
「え?」
「あたしも抱きしめて欲しいなぁ…なんて」
って呟いた
552. 名無し募集中。。。 2009/10/03(土) 01:57:17.43 0
「え?」
「ごめん!ウソ!なんでもない!バイバイ!」
階段をかけ降り「おじゃましました!」と2階にまで響くくらい大きな声で
挨拶したなかさきちゃんは帰って行った

「何言ってんのか聞こえなかったし…」
そうなんせうちはあの優しい茉麻…先輩も根をあげるほど耳が悪いからさ…
「はぁ…」
ため息を一つつきベッドに寝転がった

頭を過ぎるのはさっきの梨沙子ちゃんとの出来事だけ
梨沙子ちゃんの甘い匂い、体温、柔らかさ
すべてがうちの体に残ってた
最終更新:2009年10月05日 00:53