586. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 00:36:27.18 0
Prrr〜♪Prrr〜♪

携帯が鳴って「んー・・・」と布団の中から手を伸ばす。

着信画面には≪愛理≫と表示されていてニヘラと頬が緩む。
愛理が毎朝かけてくれるモーニングコール。
朝が弱いうちのために付き合うことになった日に
これからは毎朝起こしてあげるって言ってくれた愛理。

その約束は今まで1日も欠かされることはない。
朝起きて一番に愛理の声が聞けるなんて幸せすぎる・・・。

うちは頬を緩ませたまま通話ボタンを押して愛理との会話を楽しんだ。
589. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 01:36:45.75 0
「おはよ。よく寝れた?」
「うん。みやは?」
「うちはいつもぐっすりだよ」

今日も愛理はかわいい
昨日も可愛かったから、明日も明後日もその先もずーっと可愛いんだろうな

「ごめんね、いつも朝練の時間に合わせてもらって
愛理、もうちょっと寝てたいんじゃない?」
「全然、私が一緒に行きたいだけだし
みやこそ、うちの方までわざわざ・・・」

うちから学校まで直接行ったほうが断然早い
けど、愛理とだったら遠回りになんて全く感じない
むしろ、少しくらい時間が掛かったほうが良い

「あ、みや、ここ寝癖」
「え?どこ?」
「いいよ。直してあげる」

愛理は朝から髪型バッチリ
うちも結構気にしてるんだけど、髪切ってからちょっと・・・ね

朝から練習毎朝ね  髪型決めても意味が無し・・・的な

590. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 01:38:15.08 0
私の家はちょっと小高い丘にある
自分で言うのもなんだけど、ちょっとした高級住宅街
2階にある自分の部屋から眺める景色は抜群
朝、カーテンを開けて見渡す街の風景、大好きな瞬間

「いってきます」

でも、その景色よりも大好きな瞬間が同じ朝に訪れる

下り坂を転ばないように、急ぐ
まだ待ち合わせより5分早い
それでも、逸る気持ちはなかなか抑えられない

前髪を気にしながら坂の下まで行くと
少し色づいた銀杏の木の前にみやがやさしい笑顔で立っていた

キュンとハートを握る様なそんなやさしい顔を見る
一日の始まりの欠かせない、大好きな瞬間

少し眠そうな顔も、「走らなくて良いよ」って言うその口も
全部、独り占めしているこの瞬間、ずっと・・・無くならないで欲しい

592. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 01:52:12.12 0
いつものようにみやの自転車の後ろに乗って学校へ
うちの学校の駐輪場はちょっと校舎から離れたところにある
朝早いからか周りに人もいなくてとても静か

先に降りてみやが自転車を停めている背中を眺めていると
なぜか愛しい気持ちがこみ上げてくる

「よし、オッケー」
鍵をかけて振り返ろうとするみやの制服の裾を軽く引っ張る
「ねぇ、みや?」
「ん?」
「・・・キスして?」
「え!?・・・あ、うん」
みやは一瞬驚いた表情をしたけどすぐに周りを確かめるとあたしの唇に触れる
あたしはもっとみやを感じていたくてみやの袖を引っ張る
するとみやは唇を重ねたままそっとあたしの背中に腕を回して抱きしめてくれた
598. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 03:00:36.86 0
愛理と別れて部室に向かう
その間もさっきの愛理とのキスを思い出してニヤけてしまう
「あぁ・・・マジ可愛い・・・」

部室の前まで来るとさっきまでの浮かれた気持ちを引き締めてバスケモード
せっかく愛理も来てくれるんだ・・・
今度はあんな失敗したくない・・・愛理にあんな情けない自分は見せたくない・・・

「よし!」
気合いを入れて扉を開けると先にいたのはちーと小春
うちがおはよって声をかけるとちーがなぜだかニヤニヤした顔で近付いてきたので
なんだかいい予感は確実にしなったので見ないふりをして自分のロッカーに向かった
最終更新:2009年10月05日 01:02