- 574. 名無し募集中。。。 2009/10/03(土) 15:05:51.21 0
- ピピピピピ・・・
携帯のアラーム音が鳴り響く
あたしは手を伸ばして乱暴にそれを止めた
「ん・・・体だるっ・・・」
ああそうだ・・・
きのう遅くまで空見てたからそのままバタンって寝ちゃったんだ・・・
お風呂も入ってないや・・・
学校行く前に入らなくちゃ・・・
あたしは重い体をなんとか起こした
窓から見える外はいい天気で陽ざしが眩しい
鳥のさえずりも聞こえる
でもあたしにとっては気持ちのいい朝ではなかった
だって、寝れば忘れると思ってた胸の痛みがそのまま残ってたから・・・
- 588. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 01:35:47.88 0
- 病気・・・な、わけないか
服を全部脱ぎ捨てて、いつもより熱めのシャワーを浴びる
髪の毛、顔、胸、背中・・・染み渡る
少しだけ、気持ちが楽になった
時間が無いので軽めのシャワーで浴室を出る
お気に入りのフワフワのバスタオルに包まれ
鏡の前で自分と向き合う・・・酷い、顔
だめ。マネージャーが暗い顔してちゃ
一つ、二つ笑顔の練習。大丈夫。笑える、笑える
笑ってる方がいい・・・じゃなきゃ、もったいない
オンナのコはいつでも タフじゃなくちゃ
- 594. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 02:10:35.14 0
- いつもの道 いつもの景色
一つだけ違うのは昨日から梨沙子ちゃんのことが頭から離れないということ…
学校へと続く坂道で昨日から忘れらない彼女の姿を見つけた
「梨沙子ちゃん」
「熊井先輩。おはようございます」
「おはよう。あ、あのさ…」
昨日のことを謝ろうと話を切り出すのに思うように言葉が出てこない…
「先輩?」
「昨日のことなんだけど…」
「昨日?あ!先輩、もう足大丈夫なんですか?」
「え、あ、足?足はもう全然平気」
「良かったぁ〜。部の大黒柱が怪我なんて大変ですからね」
「う、うん。足もそうなんだけど、昨日の…!」
そう言いかけたうちの目にはふと遠目でだけど自転車を押しているみやが見えた
その横には愛理ちゃん
- 595. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 02:18:35.02 0
- 「先輩!」
「え?」
「もうこんな時間!早く急がないと!」
うちの手を引き走り出した梨沙子ちゃんは徐々に徐々にみやと愛理ちゃんに近づいていく
なんとなくだけど梨沙子ちゃんがみやに惹かれてるのは見ててわかってた
初めて二人で話したときも梨沙子ちゃんはみやのことを聞いてきたし
でも、みやと愛理ちゃんが付き合ってること知ってるんだろうか…?
そんな不安がうちを過ぎった
そう思ったらうちは梨沙子ちゃんの腕を引き気をこっちに逸らさせていた
なるべくあの二人が視界に入らないように…
「熊井先輩?」
「あ…こっちのほうが近いから」
梨沙子ちゃんの手を引き二人とは違う別のルートを使って学校へと走った
- 597. 名無し募集中。。。 2009/10/04(日) 02:43:36.04 0
- 着いた場所は運悪く駐輪場傍の門だった
しまった…と思った時にはすでに梨沙子ちゃんの視界にみやと愛理ちゃんが入っていた
そして2人の顔が重なりかけたときうちは梨沙子ちゃんの目を自分の手で後ろから目隠しのように塞いだ
「熊井先輩?」
「今の…見た?」
うちの問いにしばらく間を開け
「何をですか?」
と聞き返してきた梨沙子ちゃん
見えてなかったことに少しだけ安心した…
「いや、何でもない。早く行こ」
2人がいなくなったのを確認して梨沙子ちゃん目を覆っていた手を外し
足早に歩き出す
その後ろを梨沙子ちゃんがひょこひょこついてきた
うち何してんだろ…
無意識のうちに芽生えた梨沙子ちゃんが傷つくのを見たくないという気持ち
また胸を何かが苦しめ締め付けた…
最終更新:2009年11月19日 01:08