- 744. 名無し募集中。。。 2009/10/07(水) 22:33:05.55 0
- 帰りのHRが始まる頃、あたしは『部活頑張る!負けない!』って決意をした
・・・って、今日何回同じ決意してんだろ・・・
頑張ろうって思ったり、どうしようって思ったり
今日のあたしは忙しい
今もそう いざ部活を目の前にすると色んな思いが蘇ってきて、あたしの足は部室の前で竦んでいた
先輩とちゃんと話せるかな、とか、泣いちゃったらどうしよう、とか
考えてもしょうがないことを次々に考えちゃう
ふうと部室の前で深呼吸 勇気を出して扉を開けた
中にいたのは一人だけ あたしが一番会いたくて、一番会いたくない人だった
- 746. 名無し募集中。。。 2009/10/07(水) 22:51:59.04 O
- 「夏焼先輩・・・」
「ん?あ、よかった。
梨沙子体調大丈夫?」
夏焼先輩はあたしの顔を見るなり安心したような表情になった
「あ、はい・・・大丈夫です」
「そっか、ならよかった」
なんて言いながら肩を回す先輩
「先輩、肩どうかしたんですか?」
「あぁ、梨沙子聞いてよ!さっき数学のテストがあってさぁ・・・
普段勉強しないから体に力入った
結局課題いっぱい出されたし」
へへへって苦笑いする夏先輩はなんか可愛い
あぁ・・・やっぱりあたし先輩のこと・・・
そう思っていると先輩があることを切り出す
「あのさ・・・梨沙子、ごめんね・・・?」
- 763. 名無し募集中。。。 2009/10/08(木) 15:45:43.01 O
- 「え・・・?」
突然謝ってくる夏焼先輩に戸惑う
「あ、いや、あのさ、うち、ちょっとずるかったなぁって思って」
そう言ってあたしの隣に移動する夏焼先輩
「うちさぁ・・・梨沙子にさ、何でも言って?って言ったくせに自分は何も梨沙子に言ってないじゃん!みたいな・・・」
「???」
「小春に言われたんだよね、うちが愛理と付き合ってること、ちゃんと梨沙子に言った?って・・・」
―――ズキッ
その一言で何に謝っているかがわかって胸が苦しくなる
「別に隠すつもりはなかったんだけど言うタイミングがさぁ・・・
って言い訳だよね、ごめん
梨沙子怒ってるよね?うちだけ何にも言ってなくて・・・」
夏焼先輩はあたしが顔を強ばらせたのを怒ったと勘違いしているみたい
ってか、あたしには関係ないでしょ?謝る必要なんか・・・
だから・・・
「許しません!!
・・・なーんて!
本当は怒りたいところなんですけど、先輩はバカだから言うのすら忘れてたってことにしてあげます
イヒヒ、愛理ちゃんから聞きました!
先輩、頭があんまり良くないって」
- 766. 名無し募集中。。。 2009/10/08(木) 18:29:33.82 0
- 気にしてないふりをした
全然傷付いてないふりをした
こう言っておけば、たぶん先輩は「うちバカじゃないし!」とか言いながら笑ってくれる
そしたらきっと、あたしも笑えていつも通りになる
そう思ってたのに・・・
「うん・・・ごめんね」
本気で悪いと思ってるのか、あたしの憎まれ口に反論せずまた謝ってくる先輩
もう止めてよ・・・せっかく元気に振舞ってるのに・・・
あたしはパッと背中を向けると、自分のロッカーを開けて着替えを始めた
「梨沙子・・・?」
「もういいですって。それぐらいで怒りませんよ」
「・・・うん」
「その代わり、別れた時は一番最初に言ってくださいね」
「は!?別れないし!!」
「ひひ!冗談ですって」
よかった、いつもの先輩に戻ってくれた
でも、別れないって即答されたのはきつかったな・・・
はあ、早く誰か来ないかなあ・・・
- 767. 名無し募集中。。。 2009/10/08(木) 18:47:52.71 O
- 梨沙子に自分の身勝手さを謝った
ホントうちってバカだってつくづく思い知らされた
だって人には何でも言えって言ったくせに自分は黙ってるなんてね
きっと梨沙子は本当は怒ってると思う
でも梨沙子は優しいからうちを許してくれたんだと思う
梨沙子、ごめんね?これからはちゃんと言うから・・・
そして二人、しばしの沈黙の後、小春がタイミングよく入ってきた
- 777. 名無し募集中。。。 2009/10/08(木) 21:46:15.49 0
- 部室に入るとこの二人がいるのに沈黙でちょっとビックリ
なんかあったのかなって心配になって二人の顔をチラチラと確認
(うーん・・・異常はナシ☆カナ)
安心したところでいつものようにみやに絡む
「みやー!聞いてよぉー!今日の小テスト、小春合格しちゃった」
「え!?マジ・・・?」
「その反応はみや、課題?」
「言わないで・・・ホント最悪だ・・・」
「まぁまぁ、みやの場合いつも不合格なんだから落ち込むのも慣れたでしょ?」
「なっ・・・!こ、小春!梨沙子はまだ知らないんだから大声で・・・」
「先輩、もう知ってますよ」
小春とみやの会話に絶妙なタイミングで入ってくる梨沙子ちゃん
うんうん、なんかいい感じ・・・。
- 798. 名無し募集中。。。 2009/10/08(木) 23:02:21.59 0
- 小春と梨沙子と3人で話してると次々に部員たちが入ってきて
あっという間にいつもの騒がしい空間へと変わる
うちもそろそろ着替えようかなと立ち上がると、梨沙子が袖をちょんちょんと引っ張った
「なあに?」
「先輩、ジャージ洗って返すんでもうちょっと待ってください」
「ジャージ?ああ、初日に貸したやつか。別に洗わないでいいのに」
そういえば梨沙子にジャージを貸してたのすっかり忘れてた
梨沙子は今はうちが貸したやつじゃなくて学校指定のジャージを着ている
それを見てふと大事なことに気が付いた
「あ、梨沙子。バスケ部用のジャージ買わなきゃじゃん」
「みんなが着てるやつですか?」
「そうそう。・・・あっ!今日一緒に買い行く!?」
「え?でも・・・」
「いいからいいから。まぁは妹迎え行ったりして忙しいだろうし、うちが付き合うよ!買い行こう!」
梨沙子はなんだか遠慮してるみたいだけど、うちはもう行く気満々だった
だってほら、梨沙子だけジャージ違うの可哀相だし!
それに、ちょっとお詫びの気持ちも込めて・・・ね?
最終更新:2009年10月12日 23:15