895. 名無し募集中。。。 2009/10/11(日) 18:01:40.80 0
「こらっ!部活終わったら早く帰れ!」
「っと、すいませ・・・って、まぁか。先生かと思ったよ」
「まぁか、って。今の顔ホントウケるから。鏡で見せてあげたかったよ」

広い、広い体育館。熊井ちゃんはまた一人で自主練をしていた
ずっと、ドアの影から見てたのに全然気づかないんだ

「今日は妹さんのお迎えは?」
「今日はナシ。ってか、ホントにあんま遅くまで残ってると先生に言われちゃうよ」
「まぁも居るじゃん。説得力無しだよ」

相変わらず真っ直ぐな人だわね。嫌いじゃないよ、そんなとこ

「ねぇ、いつまでやるの?」

バッシュ・ボール・ボード・ネットの音
一緒に響く私の抑揚の無い声

「はぁ・・・まぁ、帰ったほうが良い、よ・・・」

肩で息、滝のような汗。矢島先輩を彷彿とさせる

しっかし、ここまで見て「じゃ、お先にさようなら」
なんて言えるような人間じゃない。この人に対してだけは
無理をしてないか、ってヒヤヒヤしちゃうからね
お家帰れない状態、ですよ
913. 名無し募集中。。。 2009/10/12(月) 05:08:06.28 0
「結局こんな時間までごめんね」
「いいよ。どうせ合宿の準備とかもあったしね」
熊井ちゃんは暑そうに顔の前で手を内輪代わりにして仰いでる
額には汗が光っていた

「汗、ちゃんと拭かないと風邪引くでしょもう」
その汗を持っていたハンカチでやさしく拭うと彼女と目が合う
強くてまっすぐな大きな瞳
吸い込まれそう…
思わず目を逸らしそうになる
でも、ここで逸らしたらあたしの気持ちがバレてしまそうで何事もなかったように続けてみせた
まるで親子のような光景に行き交う人たちは物珍しそうに見つめては通り過ぎていった
「ありがとう」
「ううん」
ここでやっと彼女の強く輝きに満ちた瞳から開放された…

いつからだろう…
こんなに熊井ちゃんを直視できなくなったのは
最終更新:2009年10月12日 23:30