第18章～本編～ - もしもみやびちゃんと梨沙子が同じ学校の先輩後輩だったら @ ウィキ

62. 名無し募集中。。。 2009/10/14(水) 22:44:45.65 0

梨沙子と別れた後うちは携帯を取り出す。
付き合ってからもう日課になった愛理とのメール。
こうやって愛理に何を送ろうかと考えている時間が好きだったりする。

愛理に言いたいこと、聞いてほしいことはたくさん。
だけど会える時間は少しだけ。

もっと愛理と一緒にいられたらいいのにな。
高校を卒業したら家を出よう。
一緒には住めないけど二人でゆっくり過ごせる場所を作ろう。

そんなことを思って少し顔がにやけるのを隠して
うちは愛理の家へと自転車を走らせた。

68. 名無し募集中。。。 2009/10/14(水) 23:42:00.83 0

愛理の家の前で自転車を停める
下から明るい愛理の部屋を見上げる
あそこに愛理がいるんだって思うと嬉しくなる

携帯を取り出して愛理にメール

≪さっきメール送ったんだけど見てくれたかな？
今、愛理の家の前にいるんだ☆
ちょっと出てこれたりすると嬉しいな♪≫

メールを送信してウキウキと返信を待つ

部屋の中でバタバタする音が聞こえたと思うと
ゆっくりと窓が開いて愛理が顔を出す

「・・・みや・・・？」
小声でうちを呼ぶ愛理に向かって笑顔で手を振ると
愛理は小声で「すぐ行くから」と言って窓を閉めた

94. 名無し募集中。。。 2009/10/15(木) 23:14:51.14 0

メールを見てびっくりした
みやが家の前まで来てるっていうことよりも
みやが送ってくれていたその前のメールに気づいていなかったことに・・・

急いで窓を開けて外を見るとあの優しい笑顔で手を振っているみや
あたしはすぐ行くからと小声で言うとカーディガンを羽織って外に駆けおりた

「みや、ごめん。もしかして結構ここにいた？」
「うぅん、今来たところ。うちの方こそ今日はごめんね？一緒に帰れなくて」
「あ、全然気にしてないよ」
「そう？ちょっと買い出しとか色々しててさ」
そう言って本当に申し訳なさそうな顔をするみや

「それって・・・梨沙子ちゃんと・・・？」
「うん、よくわかったね！梨沙子さ、まだジャージ持ってないから注文に行ってたんだ
ほら、もうすぐ合宿あるからそれに間に合うように」
「あ、そっか・・・合宿があるんだね」

合宿かぁ・・・そうだよね・・・じゃあみやと会えないのか・・・
なんだか急に寂しくなって思わず俯くと
みやがそっと優しくあたしを抱きしめてくれた

113. 名無し募集中。。。 2009/10/16(金) 20:37:25.28 0

「ごめんね」
「何が？」
「合宿でしばらく会えないから・・・」

・・・みやはずるい。
抱きしめられてそんなこと言われたらもう何も言えなくなるじゃん・・・
私はそっと体を放して、みやの目を見つめた。
合宿行かないでなんて無茶な我儘はもともと言うつもりはないけど
どうしてかな？「寂しい」って言葉すら言えないんだ。
みやを困らせたくないからかな？
面倒な奴って思われたくないからかな？分からないけど。

「大丈夫だよ。合宿頑張ってね」

私は笑顔でみやの手を握る。
そしたらみやも笑ってくれた。


「あれ・・・？このリストバンド・・・」

124. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 01:37:57.96 0

「似合ってる？」
「うん。みやっぽい」

嬉しそうにキラキラの笑顔で見せるみや
朝まではしてなかったよね

「買ったの？」
「まぁ、そんな感じ」

どんな感じだ。でも、似合ってる

「あぁ〜でも顔見たら安心した。ちゃんと家帰ってるかなって
返事、なかったから、何かあったんじゃないかって思って」
「そんな･･･大丈夫だよ。一人でもちゃんと家くらい帰れる」
「でも、愛理可愛いから！」

もう、そんなとこ、むきにならないでよ
嬉しいけど。こっちこそ、ごめん
嘘ついた。独りじゃ無かったよ

「愛理、なんか今日いい匂いする」
「え？」

首筋に鼻を近づけてクンクンするみや
くすぐったい･･･

125. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 01:38:44.25 0

「違う･･･」

香水つけてるのかと思った、けど違った
何だろう。ちょっとだけいつもより大人の香りがしたんだけど
気のせいなのかな？

「もう、どうしたの？みや
今日、いい匂いっていつもはクサイみたいじゃん」
「いやっ、いつもの愛理も好き、いい匂い！」

優しい愛理の匂いに、いつも頭が痺れてクラクラする
それはきっと人工的なものじゃなくて、愛理自身の匂い
でも、今日はなんだか、いつもと･･･

「あ･･･ってか、こんな時間だったんだ。ごめん」
「ううん。気をつけてね、大事な体なんだから」

愛理が目の前にいると、頭のどっかのネジが飛んじゃって
真っ白になる。抱きしめてしまうと他に何もいらないくらい幸せになって
前に進むことも辞めてしまいそうになる

「じゃ、おやすみ」
「おやすみ」

でも、それじゃダメなんだ

126. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 01:39:31.51 0

会いに来てくれたことが嬉しくて、嬉しくて
嬉しかったんだけれど、心はなぜか晴れなかった
もっと、切なくなってしまった

たぶん、いつもと違う匂いは、えりかちゃんの･･･
バレてたのかな。でも、ご飯を一緒に食べただけじゃん
悪いことなんて一つも無いのに
何でだろう、少し後ろめたい気持ちがあるのは

でも、みやだって梨沙子ちゃんと･･･

嫌だ。せっかく会いに来てくれたのに
心配だって、してくれたのに

聞けば何度だって好きだって言ってくれる
伝わらないだけじゃないけれど
わからなくなる時がある。不安にもなる

何でこんなに苦しいのかな

127. 名無し募集中。。。 2009/10/17(土) 01:40:28.05 0

通り慣れた道を自転車で帰りながら
抱きしめたことを少し後悔した
汗臭くなかったかな･･･嫌われたらどうしよう

愛理はあんなにいい匂いなのになぁ

ペダルが軽く感じる。背中が少し寒い

いつも愛理の家まで、ゆっくり漕いでるのバレてるかな
二人乗りだから遅いって「重くてゴメンネ」って
違うよ。わざとだよ。重くないし、むしろ嬉しいし
耳元に聞こえる吐息が、スピードを緩めさせるから･･･

これからの季節、後ろに愛理が乗っていないと
ダメだなって思った。うち、風邪引いちゃうよ

名前を呼ぶたび、頭の中で繰り返すたび
愛理を好きになる。虜になる
好きすぎて怖くなるときがある。距離感がわからなくなる

だから、くっつき過ぎないように、離れないように

「愛理の心の中が、見えたらいいのに･･･」