- 475. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 14:43:30.28 0
- 愛理は帰り道、暗く沈んだ気持ちで歩いていた
数時間前の・・・屋上で見た夏焼先輩とりーちゃんの関係が目に焼きついて離れない
私が知らない間に2人が惹かれあって急接近してただなんて知らなかった
私は夏焼先輩が好きだった・・・でも夏焼先輩は私のこと眼中にないのは薄々気付いてた
夏焼先輩には他に忘れられないで思っている人がいるのも分かってた
それでも私は夏焼先輩のそばにいたくて、いつも夏焼先輩を追いかけてた
いつか夏焼先輩が私に振り向いてくれるかもしれない
そんな根拠の無い期待を抱いて追いかけていたの
でも惨めね・・・
こんなに先輩のこと思ってたのに私の思いに夏焼先輩が答えてくることはなかった
夏焼先輩には他に好きな人がいた
その子に夏焼先輩が取られた・・・その子は私の親友の梨沙子
- 476. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 14:53:21.72 0
- でも私はりーちゃんを恨めない
他の子だったら素直に嫉妬してたかもしれないけど
親友の梨沙子にはそんな感情がわかない
私はりーちゃんが好きだし、いつも一緒にいて友情を育んできたから
私にとってはりーちゃんも大切な人
気が合い心の許せるこれ以上いないってほどの親友だから
でもだから余計辛い
夏焼先輩に思いが届かないで失恋したことも
りーちゃんとの関係が壊れてしまうかもしれないってことも
だって明日からどんな風にりーちゃんと接すればいいの?
夏焼先輩とりーちゃんの関係を見て私は耐えられる?
- 477. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15:01:28.88 0
- りーちゃんを失いたくない
りーちゃんまでいなくなったら私は一人ぼっち
でもそれは無理かもしれない
私はそれでもまだ夏焼先輩が好きなの
この夏焼先輩に対する思いは消えない
まだ私は夏焼先輩が欲しい
でも、その夏焼先輩はりーちゃんを選んだ
りーちゃんも夏焼先輩のことが・・・
だったら私が身を引くしかないのかな?
夏焼先輩への思いも諦めて去るしかないのかな?
きっと今までのようにりーちゃんや夏焼先輩と接することは自分にはできないから
今までのようにはいられないのよ、りーちゃん分かっているの?
- 478. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15:08:50.71 0
- 色々と考えをめぐらせていると、また涙が溢れてきた
辛くなって私は人気の無い公園の隅で泣きじゃくった
家に帰る気もしない、明日は学校にも行けそうにないかも
- 482. >>478の続き 2009/06/27(土) 15:35:24.75 0
- その後、私は当てもなく街を歩いてた
どこに行くというわけでもなく適当にフラフラと歩いて気付くともう涙は乾いてた
しかしもう私は心ここに在らず何も感じない
辺りを見渡すと空は暗くなっていて、あぁ夜になったんだとぼんやりしながら思った
そしてここは見慣れない繁華街、普段私が行かないような場所にたどり着いていた
目の前を見ると私より年上かな?大学生くらいの男の子3人があたしのこと見てニヤニヤしてた
「ねえ今って暇?」
「どう俺達と遊ばね?」
いかにも軽そうな人達だった
これってもしかしてナンパというもの?私には初めて経験するもので特に興味はなかったけど
私は誘われるがままその人達についていった
何も考えてなかった・・・もうどうにでもなちゃえ・・・
- 484. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15:45:03.83 0
- 私は適当にその人達についていって
夏焼先輩とは大違いなほどの馬鹿そうな男が私に話しかけていて
適当に返事をしたり笑顔を作ったり
こんなの私じゃない・・・何も感じない
でも夏焼先輩を忘れられるなら・・・
気付くと私はワゴン車に乗せられて後部座席に座っていた
どこに連れてかれるのかとか考えてなかった
自暴自棄になってるのかなと心の片隅で冷静にそう思った
でも心と意識が切り離されてる
- 488. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15:54:30.28 0
- 窓から車の外を見ると街からどんどん離れていって
見慣れない景色に変わっていた
私は不安になった
私何でここにいるの私は何してるの馬鹿みたい
ふと我に帰る
「ここで降ろしてください」
私はその男の人達にそう頼んだ
「あ?何言ってんのお前?」
明らかに酔っ払ってる男の1人が私を睨む
冷静になって感覚が戻ってくる
怖い・・・恐怖心が私を包む
- 489. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 15:58:55.55 0
- しばらく無言になって、お互い考え事をしていた。
どれくらいたっただろうか。
「ねぇキャップ、もう帰ろうよ、タクシー代出すから。」
「帰りたいなら一人で帰りなよ・・・」
「そんなこと出来ないよ」
ここでふと思ったのは愛理ちゃんのこと。
もしかしたら見ちゃったんじゃないだろうか、あの二人を。
だから泣いていたんじゃないのか・・・・。
そうだとしたら・・・・やばいよね。
「熊井ちゃん!!」
「え!?何!?急に!」
「愛理ちゃん探すよ!」
「愛理ちゃん!?・・・・・あ!!!そっか!そうだ!!」
- 490. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16:00:14.52 0
- 最近あたしはよく夢か現実か分からないような夢をよく見る
いつも愛理と話してる公園で誰かが泣いていた
暗くてよく見えないけど、一人は愛理だって分かった
もう一人はだれ?隣にいるのはだれ?どうしてもその人の顔が見えない
でもそれよりも、愛理が泣いている
側に行かなきゃ・・・・そう思うけど足が重くて進まない
そうする間にも愛理の涙は地面をどんどん濡らしていき、土がどんどん緩くなっていく。
そしてついに愛理の体が沈んでいった
愛理!そう叫ぶけどあたしは動けないまま。愛理はどんどん土に沈んでいく。
愛理がいなくなっちゃう・・・・!そう思った時、愛理の隣で一緒に泣いてた誰かが愛理の体を引き上げた
「・・・んはっ!」
パッと目が覚めた。暑くもないのに汗をぐっしょりかいていた。
「夢か・・・」
いつの間に眠ってしまったのか、窓の外は真っ暗だった。
もう一度目を閉じる。泣いていた愛理が脳に焼き付いている。
そして・・・・隣にいたあの子も。
「梨沙子、愛理ちゃんのお母さんから電話よ」
「え?」
「愛理ちゃんがまだ家に帰ってきてないらいんだけど、知らないかって」
それを聞いた瞬間、あたしは家を飛び出していた
お母さんが何か言ってたけど耳に入らなかった
さっき見た夢、愛理の隣で泣いていたのは、愛理を助けたのは・・・・あたしだ。
愛理の隣にいるのは、どんな時もあたしだったんだ。
あたしは体の疲れも忘れて無我夢中で走った。
- 528. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 21:40:33.77 0
- 夢中で走りながらあたしは昔のことを思い出していた。
屋上で泣いていた時に黙って背中を貸してくれたこと。
私も一緒に信じるよと言ってくれたこと。
あたしが悩み苦しんでいるとき、愛理はいつも側にいてくれた。
何か特別なことをしてくれたわけじゃない。
だけど、愛理が側にいてくれるだけであたしは安心することができた。
辛く悲しいことがあっても、なんとか乗り越えることができた。
愛理に何があったのか分からないけど、辛い思いをしていたのかもしれない。
一人で悩み苦しんでいたのかもしれない。
それなのにあたしはそのことに気づいてあげられなかった。
愛理の側にいてあげられなかった。
あたしは愛理の親友失格だ。
ごめんね愛理…本当にごめん
気がつけば頬に涙が伝っていた。
- 492. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16:02:58.17 0
- 「ここまで来たんだから楽しもうよ」
茶髪の男の人が私の隣に座り
私をいやらしく見てる・・・もしかしたら嫌な想像が浮かぶ
その通りだった私の太ももをいやらしく触ってきたから、その手を跳ね除けた
バシッ!
痛かった男の人が私の頬を殴った
痛さで涙が出そうになる
そうして名前も知らない男が私の上に乗ってくる
私の制服に手をかけて脱がそうとしてるてに爪を立てる
「いやぁぁぁぁ!!!」
私は咄嗟に目の前にあった男の耳に噛み付いた
男は悲鳴を上げる
耳がちぎれたような気がした
口の中にしょっぱい血の味が広がる
- 494. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16:05:05.47 0
- とりあえず、学校から愛理ちゃんの家の通学路を探すことにした。
キャプとふたりで、きょろきょろしながら探し回る。
もしかしたらもううちに帰ったんじゃ・・・
「熊井ちゃん!!」
「ほぇ?」
「電話!!!愛理ちゃんの番号知ってるでしょ!?」
「あ、そうだ・・・w」
「もう!なんでもっと早く気付かないのよ!バカ!」
バカって・・・気付かなかったのはキャプもおんなじじゃんか!
ってのは胸にしまいこんで電話を取る。
えーっと、愛理、愛理・・・
あれ?苗字は何だっけ?
「ねぇキャップ・・・・」
「何!早くしてよ!」
「いや・・・愛理ちゃんって苗字なんて言うの?」
「す・ず・き!」
うちは一切悪くない気がする。そんな怒鳴らなくても・・・
少し半泣き気味で愛理ちゃんに電話をかけた
- 496. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16:13:59.72 0
- 男の人が手で耳を押さえて泣き喚いていた
もう1人が大丈夫かとその男に駆け寄る
車を運転していた男が車を停車させた
逃げるなら今だと思った
私は車のドアを開けて逃げようとしたら
私の足を男が掴んでいた、掴んでいないもう片方の足で男の頭を蹴ると力が弱まった
掴んでいる手から足を抜くと私は一目散に走った
後ろで何かを叫んでいる声が聞こえたけど
真っ暗な歩道を私は死に物狂いで走った
誰かが追いかけてきている気がして
どれくらい走っていたのかな?
後ろを振り返ると誰も追ってきてないし誰もいなかった
あの人達病院にでも行ったのかな?
唇に手で触れると血がついた、その瞬間激しい嫌悪感に襲われて制服の袖で血を拭う
私馬鹿だ・・・何考えてるの?
- 502. 名無し募集中。。。 2009/06/27(土) 16:23:05.99 0
- 自分に嫌悪感が湧いてきた
知らない男の人についていったら危ないはずなのに
ここどこなんだろう?
車で長い間連れてこられている内に知らないとこに迷子になってる
誰か助けて・・・その時夏焼先輩とりーちゃんの顔が浮かんだ
会いたい・・・こんなになっても私は2人を求めてる
不安になりながら夜道を歩いた
でも民家の一つも見当たらない
どうしよう
遠くで海の波の音が聴こえた
海が近いんだ・・・私は音がする方へ向かった
最終更新:2009年07月03日 01:13