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もしもみやびちゃんと梨沙子が同じ学校の先輩後輩だったら @ ウィキ
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第22章~さきみや~
435.
名無し募集中。。。
2009/10/24(土) 19:50:21.98 0
5間目は美術で外に出て写実
「ねぇ、佐紀はどこで書く?」
「うーん、どうしよっかー」
舞美とどこで書くか決めながら体育館の前の通りすぎようとしたとき
中からボールの弾む音が微かに聞こえ思わず体育館のドアに歩み寄っていた
「佐紀?」
「ごめん、舞美。先行ってて」
それで言い残すとあたしは音の主のほうへゆっくりと近づいた
荒っぽく投げれたボールはリングを弾き体育館にボールがバウンドする音が響き渡った
「そんな荒っぽいシュートじゃ一生ゴールに嫌われるよ」
弾かれたボールを手に取りみや目掛けて投げた
「もう嫌われた…」
投げたボールはみやの手に収まることはなく空を切りまた大きくバウンドを繰り返した
437.
名無し募集中。。。
2009/10/24(土) 21:36:20.92 0
あたしに背を向け座り込んだみやの背中はすごく小さくて
悲しさに包まれてた
「嫌われた…か」
その言葉で何となく察した
愛理ちゃんのことだなって
「どうせ、変なことでもしてんでしょ〜」
ちょっとからかいの意を込めて言ったのに
あえなくスルー…
「違うか…。じゃあ、愛理ちゃんに迫られたのに逃げちゃったとか!って…愛理ちゃんに限ってそれはないか…」
目を丸くしてこっちを見ているみやと目が合った
「え、え、図星?」
「わかんないよ…」
「え?」
「うちは今のままでいいのに、愛理はその先を望んでる…。でも、うちどうしたらいいのかわかんないよ…」
可哀相なくらいに落ち込んで
悔しいほどに真っ直ぐなみやの心に
みやは本当に愛理ちゃんが好きなんだなぁって思って
そしたら、あたしもあの時のことをふと思い出してた
456.
名無し募集中。。。
2009/10/25(日) 11:42:22.86 0
気がついたらキャプテンに愛理のことを話していた
キャプテンは黙ってうちの頭を撫でてくれた
キャプテンにこうされていると少し心は落ち着いてくる
だけど・・・愛理のあの表情を忘れることはできない
うち・・・年下の愛理にあんなことを言わせるほど追いつめていた・・・?
愛理に触れたくないわけじゃない・・・
触れたいと思わないわけじゃない・・・
ただうちは今のままで幸せで・・・愛理をもっと大事にしたくて・・・
でもうちが今できることは一つしかない
愛理に謝ること・・・そして自分の想いを愛理にちゃんと伝えること・・・
458.
名無し募集中。。。
2009/10/25(日) 13:54:17.76 0
あの時…
そうあたしもみやと同じだった
逃げたんだあの日…
3年生最後の試合の日、あたしはみやに責任を押し付けた…
あの時、ドリブルしてて相手が近づいて来たとき抜かせたら抜かせたはずなのに
怖かった…残り10秒と少し、取られたらすべて終わりだと思ったら、あたしはみやにパスをすることで逃げた…
あたしの弱さのせいでその日あたしはみやの心に傷をつけたんだ…
「ごめん、みや…」
「なんでキャプテンが謝るの?」
あたしは近くにあったボールを手に取りゴールへボールを放った
弾かれたボールが静かな体育館に音をたてる
「愛理ちゃんを傷つけるのが怖かったんでしょ?」
「うん…」
「みんなそうだよ。大切な人を傷つけるのはみんな怖い…。それは大切な人をちゃんと思ってるから。
でも、今のみやは違う」
「え…?」
「みやの今の行動は愛理ちゃんを傷つけてる。それに、自分が傷つくのが怖くて逃げてる。
ちゃんと声に出して言葉にしなきゃ相手には伝わらないよ」
「うん…」
小さくなっているみやの背中をあたしはそっと抱きしめた
「大丈夫だよ。みや強いから」
459.
名無し募集中。。。
2009/10/25(日) 14:00:01.75 0
背中に感じる暖かい温もり
懐かしい温もりがうちの心を暖かさで満たしていくような感じがしてすごく心地よかった
「佐紀ー!早くしないと授業終わっちゃうよー!」
体育館からキャプテンを呼ぶ声
「うん!今行くー!…じゃあ、頑張ってって言ったらなんか重いし、頑張り過ぎないでいいから
後悔はしないようにね」
離れていく温もりにうちは思わずキャプテンの手を握ってた
「みや?」
「あ…ありが…」
「あー!!!!!」
言いかけた言葉を遮って聞こえてきた叫び声にも似たような声に
キャプテンと目を合わせ声のするほうへ顔を向けた
460.
名無し募集中。。。
2009/10/25(日) 14:06:40.23 0
駆け寄ってきたのは元マネージャーのもも
「もも?」
「もう!ももじゃなくて桃子先輩!でしょ!…じゃなくて、離れろー!」
キャプテンの手に添えられていたうちの手をペシっとももは払った
「痛っ」
「みやにはあいりんが居るでしょー!キャップはもものなんだから触るなー!バカバカ!」
うちの腕を小さな握りこぶしでポカポカ殴るももを宥めながら
困ったように笑ってるキャプテンは眉を下げ
「そういうことだから…」
と、暴れてるももを抱えて体育館を出て行った
「昔から騒がしいなぁ…」
込み上げてきた面白さに思わずクスっと声を出して笑った
479.
名無し募集中。。。
2009/10/26(月) 00:27:22.36 0
キャプテンともも・・・、桃子先輩がだて言って一人体育館に残される
時間を見ると五時間目ももう終わりに近い
今から教室に戻っても先生に怒られるだけだと思いボールを手に取る
心を落ち着けてゴールをしっかり見据える
その時梨沙子に言われた言葉がふと蘇ってきた
―――右手がうまく使えてないんだって。もっと手首を柔軟にしなきゃ
―――右手使って打ってみなよ
「右手を使う・・・」
一度深呼吸をしてシュートを放つとシュパッという気持ちのいいゴールネットの音
「・・・よしッ」
小さくガッツポーズ・・・
悩んでいたって仕方がないんだ・・・
うちは愛理と向き合わなきゃ・・・
ボールをかごにしまってうちは体育館を後にした
482.
名無し募集中。。。
2009/10/26(月) 08:14:55.92 0
体育館を出て少し歩いてから
うちはイライラしてボールを蹴飛ばしたことを思い出し
振り返って手を合わせて
「ボールさんごめんなさい!
バスケットプレイヤーともあるまじき行為・・・
しかも部長なのに・・・ごめんなさい!!」
拝むように遠くから体育館に向かって
うちは蹴飛ばしちゃったボールさんへ謝罪した。
・・・モノに当たっちゃダメだよね・・・・・人として・・・
516.
名無し募集中。。。
2009/10/27(火) 00:51:36.07 0
5時間目が終わってこっそり教室に戻る
ちーが大声を上げようとしたところで小春が口を抑えて止めてくれた
ありがとね、小春・・・
そして6時間目は国語だったからすぐに机に突っ伏して夢の中へ・・・
うん、部活もあるし体力温存しておかなくちゃね
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「第22章~さきみや~」をウィキ内検索
最終更新:2009年10月27日 22:20
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