798. 名無し募集中。。。 2009/11/05(木) 22:15:12.76 O
明日から合宿が始まる。
早く寝なきゃと、あたしは電気を消してベッドに潜り込んだ。

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『ほんっとにごめんなさい!!!』
『あはは。もういいって』
『でも・・・あたしがちゃんと探してれば・・・先輩にこんな迷惑かけずに済んだのに・・・』

あの日、最高にマヌケなオチで終わったカギ事件。
ちゃんと自分で探す前に先輩を頼ってしまったことや、夜遅くまでカギ探しに付き合わせたこと。
朝っぱらからうちに来させてしまったことも、カギの管理をきちんと出来なかったことも、
もうすべてが申し訳なさすぎてあたしは頭を下げ続けた。
そんなあたしを、夏焼先輩は笑って許してくれた。
散々迷惑をかけたのに、一言も責めなかった。
799. 名無し募集中。。。 2009/11/05(木) 22:17:10.92 O
『ねえ梨沙子。うち言ったよね?つらい時はうちに言ってって。』
『・・・・はい』
『だからさ、うちに電話したのは、全然間違ってないじゃん』

ほら。学校行くよ。今度から気を付けるんだよ?
そう言って先輩は笑った。

こんなにも自分の涙を、自分の弱さを誰かにさらけ出したのは初めてだったかもしれない。
あたし、こんなにも夏焼先輩のこと信頼してたなんて、全然気付いてなかった。

「・・・合宿、がんばろ」

部活、今まで以上に頑張るよ。
あたしも先輩に信頼してもらえるように。
きっとそれがあたしに出来る精一杯の恩返しだから。

そんなことを密かに誓いながら目を閉じた。
最終更新:2009年11月11日 20:56