855. 名無し募集中。。。 2009/11/07(土) 16:51:29.90 0
今日から合宿だというのになんだか気持ちが落ち着かない
前のほうから聞こえてくる楽しそうに喋るみやと梨沙子ちゃんの声
それが気になって寝ようにも眠れないのだ…
その人を目で追ったり、いやでも入ってる声
これが恋なんだよね、きっと…

そんなことを考えながら外の景色を眺めていると目の前にコップが差し出された
「はい」
「ありがと」
隣に座ってるまあさんが心配そうにあたしを見つめてる
「気になる?」
「ん?何が?」
「あの2人」
まあさんの視線の先を追うと楽しそうにはしゃいでるみやと梨沙子ちゃん
「別に…」
気にしてないそぶりを見せていたのにやっぱりまあさんには気づかれちゃうんだよな…
流れていく窓の景色にもう一度視線を戻すと急に肩に重みを感じた

「まあさん?具合悪いの?」
「…ううん。ちょっとだけこのままで居てもいい?」
「うん」
きっと朝から動いてたし疲れちゃったんだろうな
そんなことを考えて身を委ねることを許したうちにはその時
まあさんがどんな顔してたかなんかわかりっこなかった…
881. 名無し募集中。。。 2009/11/07(土) 21:08:58.21 0
点呼を終えバスに乗り込むと早速仕事…
「みやも梨沙子もうるさい!!」
そういってげんこつをかますと2人揃って頭を抱えた
まったく…
ほんと似たもの同士なんだから

後ろのほうに空いている席がないかとうろうろ見渡すと一つの空席を発見
そこに座ってたのは前のほうをチラチラ見ながら窓の外を眺めるふりをしている熊井ちゃんの姿
その視線の先にはみやと梨沙子
そういうことか…

「隣いい?」
そう聞いても外を眺めて反応がない
呆れるようにため息を一つをつき椅子に腰をかけると
持っていた水筒からお茶を出し熊井ちゃんの目の前に差し出した
「はい」
「あ、ありがとう」
今度はちゃんと目を合わせ笑ってくれた
それだけでうれしくなる
でも気づいていた…
こっちを見てる間にも梨沙子のこと目で追ってるよね…
884. 名無し募集中。。。 2009/11/07(土) 21:20:24.95 0
「気になる?」
「ん?何が?」
「あの2人」
まるで姉妹のように戯れる2人を見ている熊井ちゃんの顔は
暗くどこか寂しそうに思えた…
「別に…」
そう言ってまたさっきと同じように窓の外の景色に視線を移した熊井ちゃん

気になってるんだ…
そうだよね…
だって今の熊井ちゃんあたしにも見せたことのないような顔してる
「恋」した顔してる…

あたしは無意識のうちに熊井ちゃんの肩に頭を乗っけて身を委ねていた
「まあさん?具合悪いの?」
「…ううん。ちょっとだけこのままで居てもいい?」
「うん」

熊井ちゃんの隣にいるのが昔からずっと当たり前だったのに
こうして並んで座るのもあと何回なのかな…
これが最後?
溢れてくる涙を堪えるように熊井ちゃんの肩に顔を埋めた…
931. 名無し募集中。。。 2009/11/09(月) 22:15:00.47 0
バスの揺れと調度いい暖かさで気づいたらあたしは眠っていた
「!」
慌てて起きたけどまだバスは合宿所についてなくて安心した

起きあがったと同時にコトンという音を立てあたしの肩に何かが乗っかった
「え?」
横を見るとあたしの肩にもたれかかり気持ちよさそうに寝息をたてている熊井ちゃんの顔
ちょっとだけ開いた口は「スースー」風が通るような音を立てている

そんな愛しいくらいに可愛い寝顔に
思わず笑みをこぼすと肩に乗っかっている熊井ちゃんの頭に
自分の頭を乗っけた
あたし…こんなこと言うキャラじゃないけど…
でも…
「神様…もう少しだけこのままで居させてください…」
そう小さく呟いて瞼を閉じた
最終更新:2009年11月11日 21:03