177. 名無し募集中。。。 2009/11/17(火) 20:50:25.14 0
「で?何してたのさ」
「何が?」
熊井ちゃんの背中に話しかける
何が?って…分かってるくせに…

あの後、シャワーを浴びたら来るって言ってた熊井ちゃんがなかなか部屋に来なくて
30分寝たら来るって言ってた梨沙子も来なくて
うちはちょっと気になってこっそり部屋を抜け出した
そしたらあらまあ…寝てるはずの梨沙子はいないし、浴場に熊井ちゃんはいないし…
とりあえずみやを呼んで、二人で宿舎を探し回った
みやは何かあったんじゃないかって相当心配してたけど
うちはなんとなくわかってた
たぶん二人は一緒にいて、いい雰囲気で何かやってんだろうなって

「何がじゃないよ。梨沙子と何してたの?」
「…別に?ただ…告白して振られただけ。それだけだよ…」
「ふーん……はぁぁぁ!?」
189. 名無し募集中。。。 2009/11/17(火) 22:40:01.68 0
急に立ち止まり大声をあげたまぁの口を思わず塞いだ
「声大きいよ!」
「ご、ごめん…。でも、大丈夫なの?」
「なにが?」
「いや…ほら…これから梨沙子と会うの気まずかったりしない?」
「大丈夫だよ。振られるってわかってたし、こんなことで梨沙子ちゃんっていうかマネージャーとの関係が
気まずくなるのもなんか嫌だし」

そう強がって言ってみたけど正直今は梨沙子ちゃんの顔を見るのは少し辛い…
梨沙子ちゃんの顔を見ればみやのことを目で追いながら切なそうな顔をする彼女を
目の当たりにしてしまいそうだったから…
そんな姿をみたら今度は無理矢理にでも梨沙子ちゃんを自分のものにしそうで
きっと見てられない…

「…そっか…。頑張ったね熊井ちゃん」
まぁさんはうちの頭に手を伸ばしそっと頭を撫でてくれた
その温もりと優しさに涙が出そうになって
「いいよ。子供じゃないし…」そう言ってまぁさんに背中を向けた
191. 名無し募集中。。。 2009/11/17(火) 23:09:08.38 O
「そうだね…。梨沙子のことを考えてくれたり、熊井ちゃん大人になったよ」
「……」
「今は誰もいないし、まぁは何も見てないからね」

うちは背中にまぁさんの温もりを感じながら
ずっと我慢していたモノが込み上げてきて…
「……っ、……うっ…」
バレバレなのは知ってるのに声を押し殺して泣いた。

「…何も聞こえないから、声出して思いっきり泣けばいいよ」
背中越しに後ろを向いてるまぁさんの優しい声がうちを素直にさせる。
しゃがみ込んで自分を抱きしめながらうちは子供みたいに泣いた。

背中にはまぁさんの温もり。
うちに合わせてしゃがんでくれてるのかな?
今、まぁさんがいてくれて良かった…
349. 名無し募集中。。。 2009/11/23(月) 15:35:34.96 0
こんなに泣いてる熊井ちゃんを久しぶりに見た
それだけ梨沙子に本気で惚れてたんだね…
分かってたけど…

うちは泣いてる熊井ちゃんを自分の部屋まで連れてきた
ここなら他の誰にも見られないからっていうのと、
うち一人で支えてあげたいっていうちょっとした我儘だった

でも今思えば、梨沙子が戻ってくるこの部屋を選んだのは間違ってたんだよね…
だって、熊井ちゃんが一番涙を見せたくないのはきっと梨沙子だから…

だからみやから梨沙子を預かるってメールを貰った時は正直助かったと思った
うちは熊井ちゃんの背中を撫でながら言った

「熊井ちゃん、今日はこのままここで寝ちゃいな」
「…梨沙子ちゃんは?」
「梨沙子は、ちーとかの部屋で寝ちゃったみたい」

みやが部屋に連れてった、なんて言えるはずもなくてうちは咄嗟に嘘をついた
369. 名無し募集中。。。 2009/11/23(月) 21:59:27.43 0
「そっか…」
そう言って濡れた瞼を拭いながらぼそっと呟いた熊井ちゃん
あたしは部屋にあった暖かいお茶を入れるとそれを熊井ちゃんに差し出した
「あたしお風呂入ってくるから、それ飲んで落ち着いたらもう寝なね。明日早いんだから」
「うん…。ありがとう、まぁ」
「いいよ」

あたしはお風呂セットを持つとお風呂に向かった
洗面台の前に立った自分の顔
熊井ちゃんには気づかれてなかったけど
あたし今すごい泣きそうな顔してる…
なんでだろ…
熊井ちゃんのあんな姿見たから?
梨沙子が振ってくれて嬉しいから?
わかんない…わかんないけど、ただあたしの顔は泣きそうなのを堪えてる顔していた…
377. 名無し募集中。。。 2009/11/24(火) 00:00:10.47 0
お風呂からあがると熊井ちゃんは寝息を立てベッドに横たわっていた
その体には毛布はかかっておらず体勢もベッドから足が出て
座ったまま横に倒れた感じになっている
「ったく…どういう寝方してんのよ」

起こしちゃいけないとベッドの外に出ていた両足を持ちベッドに置くと
そっと毛布を被せた
そしてあたしはそのまま熊井ちゃんの枕元に腰をかけ
赤くなった熊井ちゃんの瞼にそっと触れた
「こんなになるまで泣いて、ほんとに梨沙子のことが好きだったんだね…」

熊井ちゃんの頬に落ちたあたし涙は儚く光り消えるように頬を伝っていく
「あたしのこと好きになれ…バカ…」
気づくとあたしは寝ている熊井ちゃんの唇にそっと自分の唇を重ねていた…
最終更新:2009年11月27日 23:58