240. 名無し募集中。。。 2009/11/19(木) 15:28:51.48 0
みやが合宿に行った日、あたしはえりかちゃんの家に行った。
この日のえりかちゃんはいつも以上にテンションあげあげで、いつも以上に優しかった。
あたしは心に残ってたモヤモヤ感も忘れて、お腹を抱えて1日中笑ってた。

「あ、もうこんな時間!帰らなきゃ・・・」
「もう遅いし泊まっていったら?」
「そうだよ泊まって行きなよ!どうせ明日も遊ぶんだしw」

えりかちゃんとえりかママがそう言ってくれた。
ほんとですか!?と笑顔を浮かべようとして・・・

一瞬、みやの顔が浮かんだ。

一応・・・電話して聞いた方がいいのかな・・・さすがに泊まりは。
えりかちゃんと遊んでること自体みやには言ってないけど・・・


でも・・・

朝以来こないメール、ずっと鳴らない電話。
練習が忙しいんだよね、と思う一方で、どうせあたしのことなんて忘れてるんだとも思った。

あたしだってえりかちゃんと楽しく遊んでたんだから、文句は言えないけど・・・
241. 名無し募集中。。。 2009/11/19(木) 16:52:21.91 O
そんなことを考えて携帯の通話ボタンを押すのを躊躇っていると
急に着信音が鳴ってビクッとする
この音はみやからのメール・・・
付き合い始めてから一日たりとも欠かしたことがないみやからの夜のメール


from:みや
subject:起きてる?

もう寝ちゃってるかな?
起こしたらごめんね。
初日の練習終わったよ☆
今日はみんなをまとめたり、練習仕切ったり、やっぱりキャプテンって大変だ!
でも先輩も来てくれてるから明日も頑張るよ♪

だけど愛理に会えないのは寂しいな。
愛理の声が聞きたいです・・・なぁんて、もう寝てるよね(°∇°;)
うちももう少ししたら寝ます!
おやすみ、愛理


みや、まだ起きてるんだ・・・
電話・・・してみようかな
258. 名無し募集中。。。 2009/11/20(金) 11:07:57.46 0
みやに電話しようか、どうしようか…


「なーにしてんの?」

「わっ!や、なんでもないよ!!!ちょっとお母さんに連絡しようと思ってさ、、」

「そっか、連絡遅れたら申し訳ないから早く連絡するんだよ♪」


えりかちゃんに声かけられて、ビックリして嘘ついちゃった…

なんでこんな嘘ついたのかもわからないし、みやの声だって聞きたいはずなのに…

そんなことを思いながら携帯をカバンの中にしまって、私はえりかちゃんの部屋に入った。
289. 名無し募集中。。。 2009/11/21(土) 16:58:51.43 0
「あれ?早いね! もう電話し終わったの?」
「え?」
「だから、お母さんに」
「あ、忘れてた!」
「なにそれ!」

ケタケタとえりかちゃんが笑う。
だってお母さんってのはごまかしただけだし・・・・とは言えないから、曖昧な笑いを返した。

でも、お母さんにはほんとに電話しないと、だよね。

一旦えりかちゃんの部屋を出て家に電話をかける。

えりかちゃんとは長い付き合いだからアッサリOKが出て。
電話を切ってちょっと考える。

みやに・・・かけようかな・・・どうしようかな・・・・
466. 名無し募集中。。。 2009/11/27(金) 16:59:33.47 0
電話・・・は明日にしよう。もう遅いし・・・
でもメールは返そう・・・えっと、何から書こう・・・

「愛理」
「は、はい!」
「電話終わった?親OKだって?」
「あ、うん!一発OKだったよ!」
「ならよかったわ。部屋入れば?布団敷けたし」
「あ、う、うん。ありがと」

あたしは途中まで打ったメールをとりあえず保存して、えりかちゃんの部屋に入った。
えりかちゃんの言ったとおり、ベッドのすぐ横に布団が敷かれていた。

「愛理ベッドで寝ていいよ」
「え?いいよ悪いし」
「いいのいいの。愛理はお客さんなんだから」

そんないいよと断りながらも結局負けてベッドを貸してもらうことになった。
あ、フカフカする。それに枕も布団もえりかちゃんの匂いがする。
こんなこと言うと変態みたいだけど、こうして布団をかぶってるとえりかちゃんに包まれてるみたい・・・なんちゃって

そういえば小さい頃はよく一緒に寝てたなあ・・・

「…えりかちゃん、もう寝た?」
「のび太じゃないからまだ起きてますよ。何かしら?」
「…一緒のお布団で眠ってもいい?」
617. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 23:49:42.98 0
「寝相悪いかもよ?」
「うん」
「愛理のこと、蹴飛ばしちゃうかも」
「大丈夫」
「布団、取っちゃうかもしれない」
「・・・いや、なの?」

嫌な訳ないじゃない
甘えん坊愛理。誰が断れるの、全く
首をね、縦に振るしかなくなる

「おいで」

ごく自然に、だ
掛け布団を持ち上げて、愛理を布団へ呼び込む

「お、お邪魔します」

自分で一緒に寝たいって言ったクセに
遠慮がちに入ってくる愛理が・・・

「お、あったかい。愛理ちゃん」
「・・・うん」

仔猫みたいだと思った
618. 名無し募集中。。。 2009/12/03(木) 23:50:57.86 0
何で一緒のお布団で寝たいなんて言ったんだろう
恥ずかしい。幼稚園児じゃあるまいし・・・

「なんか・・・」
「なぁに?」
「なんでもない」

何で恥ずかしいなんて思うんだろう
小さい頃は思わなかったのに

「明日、どうする?」
「うん・・・」

そっか。結局、なぁんにも決めてなかった
正直、どうでもいい。う〜ん、どうでもいいってのは違うかな
えりかちゃんと居れれば、何だって良いんだよね

「眠い?」
「ううん、まだあんまり」

一つの布団に二人で。夜だから、あんまりうるさく出来ないから
ちょっと近づいて、小声で話す
囁くようなえりかちゃんの話し声が、匂いが
耳も鼻も・・・くすぐったくさせる

「なんかさ、修学旅行みたい」

わかる。けど、もっとドキドキしてる
・・・先生の見回りなんて来ないのに、ね
622. 名無し募集中。。。 2009/12/04(金) 00:12:33.63 0
そういえばみやとはこうやって一緒に寝たことないな・・・
同じベッドで寝転んだことだってあの時・・・しか・・・

急にあの日のことを思い出して体が熱くなる

あたしのことを大事だからって何もしなかったみや
そのあと優しくあたしのことを抱きしめてくれたみや
今はこのままがいいって、そう言ってくれたみや


だけど・・・

あの電話で部屋を飛び出したみや・・・

本当のみやがわからない
本当の気持ちがわからないよ、みや
729. 名無し募集中。。。 2009/12/08(火) 01:27:26.66 0
いつの間やら、沈黙。寝たかな
近いような、遠いような、愛理との距離

って言うより、微妙な距離があるからさ、間から風が入ってきて寒いのよ

あたしは体をモゾモゾ動かして、すきま風が入ってこないくらいに
愛理の近くまで。お・・・いい感じ。人の体って、湯たんぽみたい
そんなことを思いながら仰向けで目を閉じる。おやす・・・

「えりかちゃん」

芋虫みたいに丸くなった愛理が、声を発した
左肩に愛理の鼻がくっついてる

「・・・ごめんね。寝てる?」
「まさか。愛理が寝るまで、寝ないよ」

うわ、あたし今ちょっとカッコいいこと言った
寝ようとしてたくせに、よく言うわ

「もしさ、えりかちゃんの付き合ってる人が、急に遠くへ行っちゃったらどうする?」
「ん?」

何なんだ、その質問は
え、まさかナツヤキさんはどっか、遠く・・・へ?
730. 名無し募集中。。。 2009/12/08(火) 01:30:05.15 0
「ん〜〜〜〜・・・」

これは、結構悩む
当たり前だけど、考えたことも無かった

「あ、例えば・・・の話だよ」
「例えば、か」

あまりに答える素振りが無いからか、こんなに考えると思ってなかったのか
掛け布団とあたしの肩に埋まった顔をひょこっと出した彼女
天井を向いてた顔を左に傾け、愛理を見る
表情は、暗くてよく見えない

「もしも、好きな人が、目の前から・・・」
「追いかけることは出来ないの?」
「まだ、中学生だし。それに、急にだよ?」

ちょっと、質問の意図がよくわからないわ
しかも、あたしは高校3年生ですけど
完全に愛理ちゃんのお話じゃないですか

でも声のトーンからして、冗談でこんな話してるわけじゃないんだよね

「愛理は?愛理だったらどうするの?」
「あたしは・・・」
731. 名無し募集中。。。 2009/12/08(火) 01:32:03.89 0
最近、遠距離恋愛を想像するの
もちろん、相手は・・・
転校するとか、遠くへ行っちゃうとかって話は無いんだけど
何でだろう。考えちゃうんだ
もしも・・・もしもの話を

「たぶん無理だと思う」
「無理って?」
「付いても行けないし、待っても居られない
何にも出来ないと思う。何をしたらいいのか、わからないと思う」

何でこんなこと考えてるんだろう
何でこんなことを口に出して、自分自身を不安にさせてるんだろう

「好きで、好きで、大好きでたまらない人でも?」

・・・うん。好きで、好きで、大好きで
あたしの事も好きで、大切にしてくれる人でも・・・

「だって、目の前に居ないんだよ」

あぁ、もう。何言ってるんだろう
何がしたいの、あたし
732. 名無し募集中。。。 2009/12/08(火) 01:43:52.31 0
愛理の声が少し、大きくなる
どうしちゃったの。ねぇ

「愛理。それ、さ」

体ごと愛理に向けて
正面から話さないと失礼な気がして

「それって、もしもの話だよね?例えばなんだよね?」

妙にリアル過ぎて、愛理が必死すぎて

「もしも、だよ。だって・・・」

だって、何?
何で、いつから、言葉が詰まるようになったのさ
昼間も無理をしていたのかと思うと、なんだか胸が痛む

もしもの話を、こんなに楽しめないなんて

誰が、何が、愛理をこうさせるの
あたしには何が出来るの

どうにか、してあげたい・・・
733. 名無し募集中。。。 2009/12/08(火) 01:44:34.28 0
ついさっきまで楽しい雰囲気だったのに
ごめんなさい。あたしが、それを壊しました
重いのかも。疲れるのかも、あたしと居ると

「寝よ。ごめんね。無し、今の話。ナシね」

無し。そんなもしも話、要らないじゃん

あたしはえりかちゃんに背中を向け、目を瞑った

電話を掛けなかった事を、後悔した
でも、掛けたらもっと不安になる気がした
声を聞いただけで、舞い上がって、ドキドキしていた頃とは
何かが違うって・・・そう思う

折角、一日が楽しく過ごせたのに
夜になると、考えてしまう

このまま眠って、夜が明けて
朝になれば、きっと良いことが待ってる
何もかも良い方向に進む
モヤモヤも消えて、また、笑えるようになる
えりかちゃんと楽しく過ごす
嫌なことは忘れてる
そう、思う。思いたい・・・

今日はえりかちゃんの優しい匂いに抱かれて眠る。それだけ
734. 名無し募集中。。。 2009/12/08(火) 01:46:06.17 0
無し、とか言われましても
臭いものに蓋をするような、そんなことされても

でも、やっぱり根掘り葉掘り聞くようなやり方は
性に合わないし、出来ない
ほっとけないなぁ、この子は。この人は


みんなが笑顔になれる世界に生きたい
世界中のみんなが笑顔でいられるようになればいい
そう、漠然と思うことがあった


でも・・・
目の前に居るたった一人の人間すら笑顔にすることが出来ないあたしに
そんな未来は待ってないんじゃないかな

ゆっくり、ゆっくりでいいから
愛理を、心から笑顔にさせてあげたい
目の前の貴方を
幸せな気持ちでいっぱいに

愛理が恋の病で倒れそうならば
あたしが処方箋に
最終更新:2009年12月11日 23:24