893. 名無し募集中。。。 2009/12/12(土) 02:06:28.96 0
寝起きの愛理は、新鮮だった
朝だからかな。少し鼻に掛かったような声が、なんだか色っぽい
けど、まだまだ起き抜けの顔は幼さが残ってる
その何とも言いがたいギャップが・・・

「えりかちゃん、いつから起きてたの?」
「ん〜、愛理が起きる少し前だよ」
「そうなの?」
「(嘘)そうだよ〜」
「じゃぁ、いつから手・・・」
「さぁ」
「なんだよー、それぇ」

戯けて答える、あたし
八重歯をチラチラと覗かせて笑う、愛理
コロコロ表情が変わって癒されるし、嬉しくなる

一方的に繋いだ手だったけど、今は愛理の繊細な指がうちの手に絡まってる
今日一日、このまんま過ごしたいけど
さすがに、不便か

「さ、愛理ちゃん。下行って朝御飯食べよう」

名残惜しいけど、手を離した
愛理も、残念そうな顔をした・・・ように思えた
うん。思うだけなら、問題は無い
894. 名無し募集中。。。 2009/12/12(土) 02:07:18.00 0
「うわぁ、美味しそう」
「美味しそう、じゃなくて美味しいんだよ」
「えへへ、そうだね。いただきまーす」

何から何までお世話になっちゃってる
でも、甘えちゃうんだな。えりかちゃん宅には

「ちょっと、お母さん、これ味濃すぎ」
「さっき愛理ちゃんに“美味しいんだよ”とか言ってたじゃない」
「それは食べる前だし、いい顔しただけだし」
「それ本人の前で言うことじゃないでしょ」

朝から、元気
笑顔が絶えない、お家なんだろうな

朝御飯も頂いて、あたしは一旦お家へ帰って着替えることにした
送って行く?って言われたけど、近くだし、すぐ逢うし・・・
決まっていない今からの予定
けれど、決まっていることが一つ

今日も、えりかちゃんといっしょ

靴のつま先を見ながら
楽しい一日になる。そう思った
895. 名無し募集中。。。 2009/12/12(土) 02:08:15.03 0
愛理が家を出るのを見送ってから
階段を上り、自室へ戻った
見慣れた部屋なのに、少し殺風景に感じたのは
さっきまで姫君が居たからなのかな
なんだか、空気も匂いもいつもと違って感じる
そう。この部屋に微かに残った匂い
愛理の匂い。彼女の匂いは何だか心が洗われるような気がする


しっかし
年下のくせに、あたしをこんな気持ちにさせるなんて
やるわね・・・


抜け殻になった布団を畳んで、使われなかったベッドを整えた
さて、今日はどこへ行こう。何をしよう
とりあえずは、愛理ちゃんの笑顔がいっぱい見れることがしたい
きっとそれは、あたしにとっても楽しいことだから
最終更新:2009年12月13日 12:11