133. 名無し募集中。。。 2009/12/20(日) 08:16:31.43 O
やっぱうちじゃダメだったか。
一応みやに報告しとこ。
久住先輩は逆ナンされて行っちゃいましたって。
うちはみやのところに向かった。

「梨沙子!そーっとだよ?そっと!」
「先輩そこ押さえといてください!」
「あー!危ないって!そっとだよ!」

・・・・。
えーっと。

「みや・・・」
「「やったー!!トンネル通ったー!!」」

・・・・。

「あ、熊井ちゃん!見てよこの城!すご」
「みや!!」

思わず大声を出すとみやは「は、はいっ!!」と立ち上がって姿勢を正した。
もー!なんで呑気にお城にトンネル掘ってんの!!

「久住先輩いましたよ」
「え?ま、まじで!?どこにいた!?」
138. 名無し募集中。。。 2009/12/20(日) 13:12:47.72 O
「あっ・・・・・・・」
「ん?あっ・・・・・・・・・・・・ごめん」

それは一瞬のことでした。
小春がどこにいるか聞こうと熊井ちゃんに詰め寄った時、うちの右足がお城にぶつかって・・・
・・・やっちゃった・・・
熊井ちゃんも梨沙子もア然。特に梨沙子なんて固まっちゃってる

「梨沙子・・・ごめんね」
「・・・・・・・・・・・大丈夫」
「でも・・・・」
「・・・大丈夫です。先輩がおっちょこちょいなことくらい知ってますから」

いつも以上に声が低いよぉ・・・太いよぉ・・・

「・・・ごめん。まだ時間あるからもう1回作ろ?今度はもっとすごいやつ」
「うん」
「あのぉ・・・みや?久住先輩、向こうに・・・」

そうだ!小春小春!
でもどうしよう。うちはお城作んなきゃいけないし・・・
亀井先輩!!!先輩に行ってもらえば二人きりにも出来るし、うちもお城作れるし、い・・・い・・・
・・・イイ!ナイスアイデア!
150. 名無し募集中。。。 2009/12/20(日) 23:29:49.99 O
「梨沙子!すぐ戻るから少しの間だけ待ってて」
…そんな優しい笑顔で言われたら「ヤダ」なんて言えない。
それに久住先輩のことを思い出したみたいに時々周りをチラチラ見て気にしてたし。

「早く戻って壊した部分直してくださいね」
「もっちろん♪あ…熊井ちゃん、うちすぐ帰ってくるから
ちょっと梨沙子を手伝ってて!」
「「え」」
「じゃ、すぐ戻るからね!」

夏焼先輩は素早くあたし達の元から消えた…
残された熊井先輩が複雑そうな顔をしながら立っている。

「………っしょっと。
砂の城は水と砂の調節が大事だよね。
さっきのだと、多分みやが壊さなくてもすぐ崩れてたよ」
「はぁ…」

熊井先輩は座り込んで手際良く砂を整え…
あたしが見たことのない立派なお城を着々と築いていた。
す、すごい…………
151. 名無し募集中。。。 2009/12/20(日) 23:34:56.88 0
「ん?」
じっと見過ぎていたせいかぱっとあたしを見上げる熊井先輩
「あ・・・、いえ、な、なんでもないです」
「そう?」
「はい・・・」
「・・・」
「・・・」

ズサズサズサ
ズサズサズサ

何を話したらいいかわからなくてお互い砂を触る音だけが響く

「みやとはうまくいきそう?」
「え・・・」
「アハハ、うちは梨沙子ちゃんに頑張ってほしいな」
155. 名無し募集中。。。 2009/12/21(月) 02:19:10.38 0
「え…」
少し複雑そうな顔でうちを見つめる梨沙子ちゃん
そんな顔を見てると告ったことを後悔しそうになる…
っていうか本当はしてるんだけどね…

「誰かのものを好きになるって辛いことだと思うけど、梨沙子ちゃんはそれでも幸せ?」
「それは…わかりません…。でも…!夏焼先輩のそばにいると安心するっていうか
心がこうふわってなって暖かい気持ちになるんです…」
好きな人に好きになってもらえない気持ちが今のうちには痛いほどわかる
それでも梨沙子ちゃんの強い意志とみやのそばに居たいという気持ちは
そんな痛みにも負けないほど強いものであると感じ取れた

「そっか。辛いとか言われたら諦められないところだった」
そういって笑うと梨沙子ちゃんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にして
「そ、そんな…」と呟いた
「冗談だよ。うち、梨沙子ちゃんに振られなかったら本当に大切な人の存在に気付けないままだったし」
「え?」
「さて、みやも帰ってきたし、そろそろ行くね」
慌てるように砂浜を走ってくるみやを2人で見つめそして最後に梨沙子ちゃんともう一度目が合うと
「絶対幸せになってね」
それだけ言ってうちはその場を去った
最終更新:2009年12月23日 23:48