227 :名無し募集中。。。:2009/12/24(木) 00:52:18.77 0

    先輩と二人で砂のお城を作る
    さっきよりも立派な作りにあたしもだけど先輩も嬉しそう
    なんかこれって・・・初めての共同作業・・・!?

    なんつってー・・・

    はいはい、わかってますよーただ思っただけです―!
    ってあたしは誰に話しかけてるんだって感じだし

    それにしても先輩、無邪気でなんか可愛いな・・・
    あたし、先輩のこと好きだけど、好きって感情のほかに
    この人・・・いいなって思うんだ、羨ましいっていう「いいな」じゃなくてなんだろ
    うまく説明できないけど、すごくすごくいいなって思うの

    きっと・・・
    きっと・・・
    愛理ちゃんもこういうところ好きになったのかなって・・・



229 :名無し募集中。。。:2009/12/24(木) 02:25:44.68 O

    じっと見てたせいか先輩と目が合った
    慌てて逸らしたら「なんで逸らすの!」って怒られた

    「あ、そうだ!先輩うた歌って!」
    「え?何よ急に」
    「あたし先輩の歌聞きたい!」

    あたしのいきなりのお願いに、えー?ここでー?とか言いつつも
    なんとなくノリで歌ってくれそうな雰囲気
    心の中で大きくガッツポーズをしたその時
    誰かがあたし達の横を駆け抜けた

    「あっ・・・」
    「♪いのーちー懸けてとー」
    「先輩、歌ってる場合じゃないです・・・」
    「は!?」
    「今、亀井先輩が一人で走って行きました・・・」



230 :名無し募集中。。。:2009/12/24(木) 02:43:08.68 0

    「え、どこ!?」
    「あそこです!!」
    「ほんとだ!あの走り方は亀井先輩だ!
    亀って言うくせに実は走るのめっちゃ速いんだよ
    体育祭ではいつもリレーのメンバーに選ばれてたし」

    いやいや、そんな亀井先輩の耳寄り情報とか今いりませんから!

    「じゃなくて、なんで一人で・・・走ってるのか・・・っていう・・・」
    「え、あ、ほ、ホントだ!な、なんで?あれ?小春は?」



290 :名無し募集中。。。:2009/12/26(土) 20:04:58.25 0

    なんでなんで??
    ハテナが頭に飛び交う
    うちの予想じゃ今頃小春と亀井先輩はいい感じに過ごしてるはずなのに・・・
    何があったんだろ・・・

    「先輩、追わないと!」
    「え?あ、うん。なんか、ごめんね梨沙子・・・」
    「大丈夫です。早く行ってください」

    ニコっと笑って小さく手を振る梨沙子
    ごめんね、さっきから一人にさせて・・・



291 :名無し募集中。。。:2009/12/26(土) 20:06:32.22 0

    梨沙子と別れてしばらく走ると
    少し離れた場所の防波堤の上に座ってる亀井先輩を見つけた
    うちはその背中にそっと近づいた

    「亀井先輩」
    「・・・」
    「あの、小春は・・・?」
    「・・・知らない」

    先輩は振り向かずにそれだけ言った
    絞り出すように出したその声はまるで別人みたいだった
    怒ってるような、悲しんでるような、切ないような・・・
    ホント、どうしたんだろう・・・
    何があったんだろう・・・



292 :名無し募集中。。。:2009/12/26(土) 20:10:54.78 0

    「はは、ごめんね。絵里大人げないね」
    「いえ・・・」
    「でも、耐えられなかった」
    「何がです?」
    「他の女の子とくっついてる小春を見るのが・・・」

    他?他って?亀井先輩以外の、ってこと?
    ・・・え?ちょっと待ってよ。それって・・・
    それって・・・

    「・・・先輩。もしかしてヤキモチ・・・?」
    「・・・っはぁっ!?ち、違うし!そんなんじゃ・・・」

    勢いよくうちの方を向いた亀井先輩が、言葉の途中で目を丸くして固まった
    ・・・ん?どうしたの?
    先輩どこ見てんの?

    先輩の目線を追って後ろを振り向くと、そこには肩で息をしてる小春が立っていた



294 :名無し募集中。。。:2009/12/26(土) 21:20:24.39 0

    「小春!?」
    うちの呼びかけに返事をすることもなく真剣な表情でこちらに近づいてくる小春
    亀井先輩はそんな小春をじっと見つめたまま微動だにしない

    あっという間にうちらの前に立つ小春
    「みや、ごめん・・・ちょっと二人にさせてもらっていいかな?」
    「え、あ、う、うん」
    いつもぶっ飛んだ行動ばっかりで暴走する小春が
    きちんとうちに断りを入れてきたことに少し驚いた

    「ありがと、亀井先輩行きましょう」
    うちにお礼を言うと小春は亀井先輩の腕を強引に掴んだ




 

最終更新:2010年01月15日 19:29