6. 名無し募集中。。。 2009/12/30(水) 23:09:46.18 0
15 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2009/12/29(火) 23:09:56.74 0

小春は強引に腕を掴んでどんどん先に進んでいく
絵里はそれに必死に足を動かしてついていく

それにしてもいきなり何なの?
さっきまで女の子に囲まれてヘラヘラしてたじゃん
あんなに大好きな女の子たちを置いて何しに来たの?

いつもいつも女の子のことばっかり考えていて・・・
カノジョって呼ばれる子なんて数えきれないくらいいて・・・
一人の彼女を大事にしているみやびちゃんと同じ部員でもこうも違うか!ってくらい
軽くてチャラチャラしてて、色んな子と遊んで、それでいて特定の彼女を作る気配なんて全くなくて

絵里が好きって言ったところで小春の特別になんてなれるはずないって
小春にとって絵里は頼りない先輩って思われてるんだろうなって
だからずっとずっと想ってたけど、想いなんて打ち明けられるはずがなくて
好きな人の恋愛相談って口実で小春を呼びつけてた
本人に悩みを打ち明けてる絵里ってバカじゃないのって思ったけどそれしか会う口実が思いつかなかった

だから小春、そんな真剣な横顔を見せないでよ・・・
絵里、もっともっと小春のこと好きになっちゃうよ・・・

106. 名無し募集中。。。 2010/01/05(火) 23:36:37.67 0
「先輩座って」
「あ、うん」
小春が言ったとおりにその場に腰を下ろす先輩
小春も隣に座ろうって思ったけど
近くにいるとうまく気持ちが伝えられそうにないから先輩に背を向けて前に立つ

「・・・小春・・・?」
「ぁー・・・ぅーん・・・」
くそー・・・なんでこんなに震えが止まんないんだよー・・・
一言言うだけじゃん!一言言って振られるって覚悟してたはずじゃん

あー、小春何ちょっと期待してるんだよ、だから脈なんて一つもないんだって!
うぅーみやぁーどうしたらいいんだよー!!

『何?ウブなみやびちゃんはどんな風に告白したのかなー?』
『もう!からかわないでよー』
『あはは、赤くなってる!ほらほら、何て言ったのー?』
『いや、もう、色々かっこいいセリフとか考えてたけどいざ目の前にすると・・・
だからさ、もう

『愛理のことが好きです。だから、うちと付き合ってください』

『うわ!シンプルすぎて面白くなーい』
『べ、別にいいじゃん!それが本当の気持ちなんだから!』

あの時、小春はわざとみやのことからかった
だって、そんな風にまっすぐ好きな人に気持ちを伝えるみやが
かっこよくて、羨ましくて、悔しくて
・・・眩しかったから
132. 名無し募集中。。。 2010/01/06(水) 23:02:19.25 0
夕日に照らされる小春の横顔はいつも以上にかっこよくて

―――綺麗・・・

絵里はまた小春のことが好きになった
小春が好き・・・昨日よりも今日、今日よりも明日・・・うぅん、一秒前よりも今の方がもっと・・・

「亀井先輩」
「え・・・なぁに?」
ボーっと小春に見惚れていたらいつの間にか本人が絵里の目の前に立っていた

「・・・亀井先輩のことが・・・好きです。だから・・・だから・・・小春と付き合ってください」
141. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 12:37:06.47 0
結局出てきたのはありきたりな言葉。
これが精一杯。
真正面に立ってこんな風に亀井先輩を見つめたのは、
初めてかもしれない。
夕日が世界をオレンジ一色に染め上げていく。
空も、海も、二人の横顔も、みんなみんな夕日に包まれている。

時間が止まってしまったのかとも思える長い長い沈黙。
亀井先輩は真顔のまま小春を見つめて固まっている。

142. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 12:44:01.58 0
今……小春、なんていった?
好きです?付き合ってください?
確かにそう聞こえた。
からかってるだけでしょ、なんて誤魔化せないほど
本気の顔。バスケをしているときだけ見せるその表情で
まっすぐな瞳で、そう言った。

動けないあたしと、動かない小春。
夕陽はゆっくり、だけど確実に沈んでいってしまう。
駄目だ、その前に、あたしは返事をしなきゃいけない。
このあったかいオレンジに見守られながらじゃないと、きっと言えない。
真っ赤になってしまうであろう顔を、夕陽のせいにしなきゃ。

「……あたしも、あたしも小春が、好き」
152. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 23:12:07.70 0
「……あたしも、あたしも小春が、好き」


ほらね、やっぱりね、何勝手に期待して傷ついてるんだっつーの
先輩の答えなんて告る前からわかってたじゃん
先輩には前から好きな人がいるって知ってたじゃん


って・・・あれ・・・え!?・・・いや、ちょっと待った!!
いやいや、え、なになに?先輩?今なんて・・・?
えっと。たしか・・・ん・・・あたしも、あたしも・・・ふんふん・・・小春が好き・・・って


「えーーーーーー!!!???」
153. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 23:44:18.09 0
「ちょw小春声大きいよ」
「だってだってだってだって……えーーー!亀井先輩ずっと
好きな人居るって!」
「居るよ。今目の前に居る人」
「えーーーーーー!」

亀井先輩もおんなじ気持ち?
じゃあ今まで相談聞いてたのって全部小春の話だったの!?
訳が分からなくて頭がぐるぐるしてる。
あーーーー誰か説明してよ!

「なにそれなにそれ……」
「もう。黙って」

急に亀井先輩の顔がアップになって、あ、近い、とか
思ったら、唇に柔らかい感触。
154. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 23:56:17.33 0
このままだとずっとキンキン声で叫び続けると思ったから、
態度で示した。

「これでわかったでしょ、絵里の気持ち」

あーちょー恥ずかしい!顔熱いよう。
ほんとに夕陽さんありがとう。絶対真っ赤だ、あたし。
それでも小春に見られたくなくて、くるりと背を向ける。

「ほら、もう行こ。集合時間過ぎちゃってる」

前を向いたままそう言った。

「亀井先輩!大好きですーーーー!!」
「うわっ」

小春が飛びついてきて、がつんと背中に衝撃。

「わーいわーい!両思い!!」
「もー。うるさいーー」
155. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 23:57:18.82 0
背中から降りた小春は超ご機嫌ってかんじであたしの手を握って、
ぶんぶん振りながら歩き出した。しかも歌つき。

「♪大好きがーとまーらない」
「子供じゃないんだからー」
「いいじゃないですか。ほら先輩もっ!はぴはぴ☆サンデー!はぴ☆さんでー!
きーらきらーおしゃーれしてー」

「「あのひーとにあーいーに行こうー♪」」


うーん。……世界一幸せかも。

157. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 23:59:44.94 0
「ねぇ、小春?」
「はーい!!」
「さっきのさ、ファーストキス・・・」
「え?」
「・・・って言ったら小春、笑っちゃうんだろうな」
「そ、そんなことない・・・」

小春との今のキスが先輩の初めて・・・
そんなの・・・そんなの・・・

嬉しいに決まってるじゃんか―!!

あー・・・やばい・・・なんでだろ・・・涙出てきちゃったよ

ねぇ、みや・・・小春、言えたよ?ちゃんと気持ち伝えたよ?
好きな人に素直に好きっていうことを教えてくれてありがとう
最終更新:2010年01月15日 19:31