131. 名無し募集中。。。 2010/01/06(水) 22:39:50.36 0
「やばい、もうみんな居る」

合宿所の前には既に部員が集まっていて、うちらは
結構最後の到着だった。

「もう遅いよみやー!千奈美まじお腹減ったし」
「ごめんごめん。えっと、もうみんな来てるの?」
「小春がまだ。あと亀井先輩も来てないかな。あとは、みんな揃ってるよ」

そうだ、小春!
あの後どうなったんだろう。ちゃんと亀井先輩に追いつけたかな?
ちゃんと……言えたのかな?
まだ戻ってきてないって事はもしかしたら、今なのかもしれない。

「どうする?待ってたほうがいいかな?」
「ん、大丈夫だと思う。とりあえずみんな入って着替えて、ご飯にしよう」

七時に食事室に集合、と告げて号令を掛けて部員を解散させる。
きっと小春は戻ってくる。もちろん亀井先輩を連れて。
へらへらしててもやるときはきっちりやる奴だから。

みんなが合宿所に入るのを見届けていると、熊井ちゃんと茉麻が通った。
……あれ?なんかいい雰囲気じゃない?手繋いでるし。
鈍いって言われるうちでも気がつくくらい、周りがピンク色になってるよ!
お互いの顔を見る目が甘すぎるよ!!
137. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 03:20:57.77 0
「あ、みやたちも帰ってたんだ?」
ラブラブ光線を送りあってたまぁにいきなり声をかけられてこっちがビックリしちゃって
思わず声が裏返った
「ほぇ?…あ、う、うん!みんなももう戻ってきてる」
「やばい!早く夕食の準備しなきゃ!じゃあね!熊井ちゃん!みや!」
慌てて手を振り走っていくまぁを熊井ちゃんと2人で見送る

そしてまぁが見えなくなったのを確認すると後ろから熊井ちゃんをこづいた
「なになに〜。なんかあったの〜?」
「べ、べつに何もないよ!」
わかりやすいくらいに顔を真っ赤に染めた熊井ちゃん
「ふ〜ん。そうなんだ〜。さっきそこでキスしてるのみちゃった〜」
からかうつもりで冗談を言ったのに熊井ちゃんは驚いた顔で
「え!?」とうちの両肩を掴んだ
「見てたの!?」
「え、あ、いや、ごめん…。冗談で言ったつもりなのに図星だった?」
「…え、ち、違う!違うから!キスとかそんなのしてないし!」
そう言い訳してももう遅いよ熊井ちゃん…w
145. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 17:46:20.95 0
「いいなぁ〜…」
ついぽろっと出てしまった自分の本心にちょっとびっくりした
熊井ちゃんとまぁの姿を見て羨ましいと思ってる自分がいて…

「いいなぁ〜ってみやには愛理ちゃんがいるじゃん」
そうだ…愛理…
あれからメールの返事もないし、一人で大丈夫かな?なんて心配に思ってた
そのはずなのに今うちの頭の中にあるのは愛理と梨沙子2人の顔…

「もしかして…みや迷ってる?梨沙子ちゃんが頭の中にいるんでしょ?みやほんとは…」
「そんなわけないじゃん!」
熊井ちゃんの言葉を遮るようにそう答えると作り笑顔で
「梨沙子は関係ないよ。これはうちと愛理のことだから」
それだけ告げ熊井ちゃんの肩を叩き部屋へと戻っていく
151. 名無し募集中。。。 2010/01/07(木) 23:02:05.87 0
部屋に戻ろうとすると夏焼先輩の姿を見つけて後ろまで駆け寄る
「せんぱ・・・「・・・みや迷ってる?梨沙子ちゃんが頭の中にいるんでしょ?みやほんとは…」

え・・・?
「そんなわけないじゃん!」

熊井先輩の言葉にそれを遮るように答える夏焼先輩
な・・・なに?あたしがなんで二人の会話に・・・?
よくわからなくて思わず近くの壁に身を隠す
その間も自分の心臓は張り裂けそうなくらいバクバクしていた

すると夏焼先輩は作ったような笑顔で熊井先輩を見上げた
「梨沙子は関係ないよ。これはうちと愛理のことだから」
そして熊井先輩の肩を叩き部屋へと戻っていった

どういうこと?先輩と愛理ちゃんのこと・・・?
二人に何かあったの・・・?ケンカした・・・?

だけど

「梨沙子は関係ない・・・か」
161. 名無し募集中。。。 2010/01/08(金) 10:25:50.26 0
はは、地味にきっつー・・・
分かってるよ、分かってたけど・・・
でも・・・先輩のたった一人の“特別”にはなれなくても・・・
少しは心の内側にいけたかなって、そんな風に思ってたのに・・・

何の話しをしてたのかは知らないけど、『梨沙子は関係ない』なんて言葉、先輩の口から聞きたくなかった

「梨沙子ちゃん?」
「あっ・・・」

うっかりぼーっとしすぎた
気付いたら目の前に熊井先輩が立っていた

「・・・いつからそこいたの?」

心配そうな目であたしを見る熊井先輩
なんて答えればいいのかよく分からなかったので、とりあえずニヒッて笑ってみた
あたし、ちゃんと笑えてるかな?
170. 名無し募集中。。。 2010/01/08(金) 21:27:31.34 0
笑った顔を熊井先輩に真剣な顔でムニッとつままれた・・・。
「梨沙子ちゃん、無理して笑わないでよ。
いくら鈍感なうちでもわかるくらいヘタクソな笑顔・・・」

・・・先輩、手ほっぺから離して下さい・・・。
ちょ、ちょっと
「いひゃ、いひゃいれす!熊井へぇんぱい!!」
もう、本当に痛いんですけど―――――――――・・・・・

「・・・そ、痛いならそういう顔しなよ・・・」
「っ、・・・無理、です・・・っ、うっ・・・グス・・・・・ズッ・・・」
何か弾けたようにあたしの目からボロボロ流れる。
熊井先輩は、フッて笑ってから手をようやく離してくれた。

「みやは・・・うちより鈍いから、ハッキリ言わないとわかんないよ?」
「・・・何のことですか?あたし夏焼先輩に言う気、ないですから・・・じゃ」
「あ!・・・これ持ってきな!!」
横から逃げようとしたあたしに熊井先輩はタオルを投げてきた。
無言で受け取りグイグイ顔を拭いて投げ返す。

「熊井先輩のいじわるっ!イ〜〜〜っだ!!」
それだけ言ってあたしはズンズン歩いた。
最終更新:2010年01月15日 19:40