211. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 03:17:23.00 0
熊井先輩から逃げるように宿舎の中に入っていく
熊井先輩あんな本気でつままなくてもいいのに
あぁ〜もう!いろいろありすぎておなかすいてきた!
夕ご飯は味噌ラーメンがいいなぁ・・・・・・

・・・・・ヤバい・・・忘れてた!ママに怒られる!!!
厳しい罰を覚悟しながらダッシュで食堂に向かう

「すいません!!遅くなり・・・マ、ママ?」

入った瞬間、ママの異変に気がついた
異変?うん、異変。こんなママは初めて
ママがママじゃない・・・

「遅いよ、梨沙子ぉ。ほら、手伝ってっ。熊、みんなを待たせちゃだめだから」
「う、うん」

準備してる最中もずっとニコニコニヤニヤ。時々「ムフフッ」なんか言ったりして

「どうしたの?なんかあった?」
「うーん・・・ムフフッ♪」
「ママ・・・・・・」
「ほら、早くしないと熊、みんなが来ちゃうよ!」

くま???
216. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 13:29:39.20 0
ママの変わり様にオロオロしていると後ろから頭をコツンと叩かれた

「なーにボーっとしてんの?うち、お腹すいちゃたよ」
「な、夏焼先輩!痛いよぉ!」
「はいはい、早く準備する」
先輩はあたしの頭をポンポンと撫でるとポットにお茶を注ぎ始めた

「はぁー・・・」
「ため息つくと幸せ飛んでいっちゃうよー」
「え!?な、なんだ・・・桃子先輩、び、びっくりさせないで下さいよー」
「うふふ、なーに、何か悩み事?この頼りになる桃子先輩が相談乗っちゃうよ」
なんて言ってお尻をプリプリさせる桃子先輩
220. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 13:54:36.11 0
考え込んでいると凹んでしまいそうなので
食器を並べたりテーブルを拭いたり、忙しなく動いて気を紛らわす。
「まぁー、お醤油どこだっけー」
「はいはーい今もってくー♪」

茉麻らしからぬ浮かれた声だな、なんて思っていたら本人が来た。

「はいみやっ。お醤油♪」
「あ、あ、、、りがと」
ちょw誰www
花飛びまくってるしほっぺはピンク色だし目がキラッキラしてる。
どこぞの少女マンガの主人公かよ!!
「くm、みんなまだかな〜♪」
唖然としているうちを置いて茉麻はスキップしながら台所に戻っていった。

人って、変われば変わるもんだね……恋って恐ろしい。
221. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 14:34:04.51 0
桃子先輩はあたしが準備している間も後ろからちょこちょこと付いてくる
そのせいでなかなか仕事が進まない
しかも桃子先輩はついてくるだけ・・・。
うん、もう引退した先輩だから別にいいんだけど・・・だけど・・・

えっと・・・邪魔・・・なんですけど・・・


ママに助けてもらおうと視線を送るけど今日のママはやっぱり変
鼻唄なんて歌いながら周りは見えてないって感じで・・・

はぁー・・・この先輩、ホントどうにかしてほしい
223. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 14:46:46.79 0
「ひゃあっ」
急に聞こえた桃子先輩の悲鳴にあたしはびっくりして後ろを振り向くと
先輩の首根っこを掴み険しい顔した清水先輩がそこにいて…

「ごめんね、梨沙子ちゃん。この子あたしが引き取るから」
「ちょっとキャップ、もうちょっと優しく扱って〜」
「うるさい。行くよ」
清水先輩に引きずられるようにキッチンから出て行く桃子先輩
桃子先輩口ではそういいながらもすごく嬉しそうに笑ってる

その二人の姿に自分と夏焼先輩を重ねてしまう…
からかってる夏焼先輩と怒りながらも嬉しそうに笑うあたし
はぁー…
あたしなに考えてんだろ…
224. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 14:58:59.63 0
一通り準備が終わって全員が席に着くのを待っていると、

「もう!ももは目を離すとすぐにうろちょろするんだから」
「えーだってー!!もも、もっとみんなと仲良くなりたいんだもん」
「だからって邪魔しないの!ここでおとなしく座ってなさい」
佐紀ちゃんにうちの隣に強制的に座らされるもも
「あ、キャップどこ行くの?」
「トイレ!絶対動いちゃダメだからね」

はぁー・・・ほんとこの人は・・・
呆れたように横目で見ると偶然ももと目が合う

やば!・・・って思った時にはもう遅し・・・
ももは満面の笑顔を浮かべるとうちの方に椅子を寄せてきた

「うふふ、みや見ーっけ!聞いてよー!さっきね、キャップにね・・・」
「でねでね!・・・」
「それでさぁー!!・・・」


あぁ・・・この人はここに何しに来たんだろうか・・・
227. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 18:25:30.92 0
その後も止まることを知らない桃子トーク。
・・・うん、無理。このままじゃ明日に影響するわ。

「梨沙子っ。りーさこ!おいでー」

少し離れたとこにいた梨沙子を呼ぶ。
一人でももの相手はきついから、梨沙子を巻き込もう。
つらいことは共有しようじゃないか!

「なんですかー?・・・げ。またいる・・・」
「ちょっと何その反応ひどおおおおおおい!!もも、この中じゃ大先輩なのにいいいいい!!」
「「もう!うるさい!!」」

うちと梨沙子の息、ぴったし。
228. 名無し募集中。。。 2010/01/10(日) 19:07:32.95 0
なんだかんだ3人で楽しく話していたけど、清水先輩が戻ってきた途端ももは
「キャップお帰り〜!!」と飛びつきに行ってしまった。
あっさり取り残されて唖然のうちと梨沙子。
・・・梨沙子?あれが嗣永桃子先輩だよ。
あんな大人になっちゃダメだよ?

はぁとため息をついてふと茉麻を見る。
茉麻はやっぱり幸せそうな顔をしていて、
隣には同じように幸せオーラ全開で笑ってる熊井ちゃんがいて。
あー、あの調子だとすぐ他の部員にもすぐバレるんだろうなって思った。

「遅れてごめんなさーい!!」

その時、食堂に小春と亀井先輩が走って入ってきた。
謝ってる声はどこか嬉しそうで、二人はちゃっかり手を繋いでて
あぁうまくいったんだなって安心してうちの頬はだらしなく緩んだ。

すると梨沙子も同じことを思ったのか、小春たちを見つめながら「いいなぁ・・・」って呟いた。
233. 名無し募集中。。。 2010/01/11(月) 00:16:05.04 0
久住先輩と亀井先輩の姿を見てつい「いいなぁ・・・」って言葉が漏れた
久住先輩が亀井先輩のことを好きだって今まで知らなかったけど
二人は本当に幸せそうで、キラキラしてた

自分にはこんなこと絶対ないって思うと胸がきゅっと苦しくなる
でも、でも、それでも好きになっちゃったんだもん・・・もう嫌いになれないんだもん
だけど・・・

「あれ?梨沙子、いいなぁって、梨沙子もああいうの憧れるの?」

なんでこんなにこの人は鈍感なんだろう
夏焼先輩はニヤニヤしてあたしを肘で小突いてきた

「そりゃ、女の子なんですからいいなって思うのは当然だと思いますけど」
「ふーん・・・梨沙子可愛いからみんなほっとかないと思うけどなぁ」
235. 名無し募集中。。。 2010/01/11(月) 01:47:04.83 0
「あたし、浮気相手になるのは嫌ですよ」

ちょっとした冒険。だけど本音
これであたしの気持ちに気付いてくれれば少し楽になるんだけど
でも・・・気付かないんだろうなぁ

「浮気ぃ!?梨沙子浮気してんの?」
「はぁ?い、いや、そうじゃなくて」
「うち、浮気は許せないんだよね。絶対イヤ!」
「・・・・・・・・」
「小春の場合は、ホントはやだったけどいろいろ事情あったし」
「はぁ・・・・・」
「うん。でもやっぱりイヤ!梨沙子、絶対やっちゃダメだからね!!」

ほらね・・・・・でも少し安心した

先輩のベクトルがあたしの方に向くことはないのかもしれない
でもそれでもいい
だって先輩は一途で、まっすぐで、裏表がなくて
そして・・・あたしはそんな先輩が好きだから
236. 名無し募集中。。。 2010/01/11(月) 02:04:39.87 0
夕食の時間ははみんな和気あいあいとしてとても楽しかった
ちょっと量が少なかったけど、夜食にカップラーメン食べたら大丈夫だと思う

「あー!またみや、ニンジン残してる!ちゃんと食べなきゃダメでしょ」
「ちょ、ちょっとやめてよ!もも」
「ももじゃなくて桃子先輩でしょ!」
隣では夏焼先輩が桃子先輩に絡まれてたり・・・

ふーん、先輩ニンジン嫌いなんだ・・・
なんてちょっと頭の中でメモってみたり。
別に覚えてたからってあたしが先輩にご飯を作ってあげるなんてないんだけど・・・
あたし、実は料理も得意だったりするけど、別に先輩に食べてほしいなんて思ってないし・・・

あー、何自分で言い聞かしてるんだっつーの!!

そうこうしているうちにみんなが一通り食べ終わって
いつものように夏焼先輩が一言言ってからそれぞれ部屋に戻って行った
最終更新:2010年01月15日 19:50