279. 名無し募集中。。。 2010/01/13(水) 01:30:21.65 0
後片付けが済んで食堂を出ると、夏焼先輩が
ふらふらっと玄関に向かうのが目に入る。
あれ、電話してないんだ?
気になってしまって静かに後を追う。

真っ暗な海を見ている先輩の後姿はとても寂しそう。
あたしなそんな思いはさせない、絶対に、誓っていえる。

……だけど、先輩が側に居て欲しいのは、愛理ちゃんで。
この星空を一緒に眺めたいと思うのも、愛理ちゃんなんだろうな。

その証拠に夏焼先輩は、こんなに近くに居るのに、あたしには気づかない。
282. 名無し募集中。。。 2010/01/13(水) 01:55:13.67 0
「夏焼先輩っ!」

精一杯明るい声を出す。
少しでもここに居るって、近くに居るって気づいて欲しい。

「梨沙子」
「もー、21時以降外出禁止って言ったの先輩じゃないですかっ」
「だってうち、キャプテンだもん。うちが許可したからいいんですー」
「えーずるーい」

先輩は少し考え事をするように上を見上げると、
一歩距離をつめてきた。
目が悪戯っ子みたいな輝き方をしている。
ちょっと、近い。

「今ここに居るのは、梨沙子とうちだけの秘密。
折角こんな綺麗な星空があるんだから、見なきゃね」

これで共犯だ、なんて嬉しそうに笑う。

その言葉と笑顔は胸の鼓動を簡単に高鳴らせて。
だからあたしに出来ることは、ただ空を見上げるばかりだった。

283. 名無し募集中。。。 2010/01/13(水) 02:13:42.08 0
「うわ、もう11時」

すっかり遅くなってしまった。
梨沙子を連れて、ばれないように静かに廊下を抜けて
自分の部屋の前に立つ。
と。
うちの荷物がぽつりとドアの前に置いてある。
更に目の前には、

「何この張り紙」

”ジャマすんな!”
と書かれた紙が。小春らしき絵と亀の絵付きで。

隣の部屋に向かった梨沙子を振り返ると、一枚の紙とボストンバックを持って寄ってくる。
おずおずと差し出されたそれには
”合宿ENJOY!”という熊井ちゃんが書いたとしか思えない文字。

「……やられた」

どうやら追い出されたってことらしい。
あのバカップル二組め。

290. 名無し募集中。。。 2010/01/13(水) 12:23:21.07 0
チッ、と小さく舌打ちした先輩(ちょっと怖かった)は
スタスタと歩いて一番端の部屋の前に立った。

「梨沙子、こっち空いてるから」
「え?」
「なに?うちと一緒はいやなのかー!」
「あ。や、違います違います」

慌てて夏焼先輩の下に走ると、先輩は笑ってドアを開けた。

まさかの展開だ。今夜も一緒に過ごせるなんて。
しかも二人っきり……。
ママ、熊井先輩、小春先輩、亀井先輩、ありがとうございます!!

「ほら梨沙子、はやくおいでー」
302. 名無し募集中。。。 2010/01/13(水) 23:41:26.94 0
部屋に入るとすぐさま先輩はベッドに向かって飛び込んだ
「ぐぁー・・・疲れたぁー」

あたしはまだやっぱり緊張しておそるおそる隣のベッドに近づいた
だって・・・二人っきりなんだよ?
昨日は一緒に寝たとはいえ隣には小春先輩いたし・・・
でも今日は同じ部屋で二人だけで過ごす夜・・・

あー!何考えてるの!?梨沙子!バカバカ!

「あ、梨沙子先にお風呂入りな?」
「ふぇ?あ、え、いいですよ!先輩先に」
「いいからいいから!うち、ちょっとやることもあるしさ」

そういう先輩の言葉に甘えてあたしはお風呂の用意を持ってバスルームへ

よし、お風呂に入っている間に今日のこれからどうしようか考えよう・・・
最終更新:2010年01月15日 19:56