303 :名無し募集中。。。:2010/01/14(木) 02:02:04.57 0

歯磨きをした、お風呂にも入った、髪も乾かして……後は寝るだけ。

「まぁ、早くー」

洗面台を整理していると、先にベッドに入った熊井ちゃんが
弾んだ声で私を呼んだ。

ひとまず深呼吸して……あーだめだ
どうしよう、全然落ち着かないよ!
こういう時なんて言えばいいんだろう。

「二人きりだね、今夜からはどうぞよろしくね?
……って違う違う!それじゃ結婚するみたいじゃん」
「?なんて言ったの?」

随分近くから声が聞こえたと思って振り返ると熊井ちゃんは真後ろに立っていた。
「ほら、早く寝ようよ」
「う、うん」

平然と私の手を掴んでベッドに向かう熊井ちゃん。
……かっこいい。

304 :名無し募集中。。。:2010/01/14(木) 02:08:12.24 0
「そんでさ、寺田先生がさ」
「うん……うん」

ね む い。

熊井ちゃんの話はうちらが出会った幼稚園の頃から始まって
今ようやく中二にたどり着いたところだ。
ベッドに入ってから裕に3時間は経ってると思う。

つまらない(って言ったらマジ切れするから誰も突っ込めない)話を
すごく楽しそうにしている熊井ちゃん。
可愛いけど、可愛いけどさ!

あー、一瞬でも期待した自分がバカだった。
熊井ちゃんの小学生男子な思考回路はあたしが一番知ってるはずなのに。

「ねーまあ、聞いてる?」
「うんうん、ちゃんと聞いてるよー」
「でね……」

 

442 :名無し募集中。。。:2010/01/19(火) 03:07:04.66 0

熊井ちゃんの話はそれからどれくらい続いたのかわからないくらいに続いて
あたしはわざと目を閉じてたぬき寝入りをした

熊井ちゃんがいけないんだからね…

「でね!…って、まぁ?」
やっと気付いた
「寝ちゃったの?」
寝てますよー
「ほんとに寝ちゃった?」
だから寝てるってば

寝たふりが気付かれないように心の中でそう熊井ちゃんと会話する
期待したのにずっと喋ってる熊井ちゃんへの罰だよーっだ!

「寝ちゃった…か」
うんうん。まぁはもう寝たよ。だから熊井ちゃんも…
心の中での会話が途切れ現実に引き戻される
だって…熊井ちゃんがキス…したから…
「おやすみ」って最後にそう呟いて

 

13 :名無し募集中。。。:2010/01/22(金) 01:26:22.95 0

「今のキスはファールだよ熊井ちゃん」
「お、起きてたの!?」
お化けでも見たかような顔であたしを見て驚く熊井ちゃん
だって今のキス…反則だよ…
余計眠れないもん…

「え、ちょっと待って、ごめん、え、え、」
自分のした行為とそれを全て見られていたという恥ずかしさに
熊井ちゃんは顔を耳まで真っ赤に染め頭を抱えこんだ
「寝込み襲うなんて卑怯だよ」
「ご、ごめん…」
「なんて、あたしも人のこと言えないけど」
「え?」

驚いて顔をあげた熊井ちゃんの隙をついてそっと唇を重ねる
「ねぇ知ってた?あたしたちキスするのこれで3回目なんだよ?」
「え!?」
「今の熊井ちゃんからのキス、そして夕方告白してくれたときにしてくれたキス、そして…
昨日夜熊井ちゃんが寝てるときにあたしがしたキス」

14 :名無し募集中。。。:2010/01/22(金) 01:36:37.78 0

「なんだよー。まぁだって人のこと言えないじゃん」
頬を膨らませ怪訝そうにしてる熊井ちゃんにあたしはクスクスと笑う
「ごめんごめん。だって熊井ちゃんがあまりにも無防備だったからさ。あの状況じゃ誰でもキス…、あっ…」
言いかけた言葉を抑えたがもう遅い…
熊井ちゃんの顔はみるみるうちに強張っていく

「なにそれ、それって無防備に寝てたらうちじゃなくてもキスしたってこと?」
そんな熊井ちゃんにも恐れずそっと頬に触れるともう一度唇を重ねる
「バカみたい。こんな恥ずかしいこと熊井ちゃんにしかしないから…」
「まぁ」
「あたしは昔からずっと熊井ちゃんだけだよ。そしてこれからもずっとね」
そういってニコっと笑って見せると熊井ちゃんは何も言わずあたしをぎゅっと抱き寄せた

「熊井ちゃん?」
「うちも…うちも、まぁだけだから…」
小さく小刻みに震える体と小さな声
きっと熊井ちゃんは泣いていたんだと思う
そんな体をあたしも包みこむようにそっと抱きしめる
「うん」
46 :名無し募集中。。。:2010/01/23(土) 21:30:08.92 0

「今度は寝ないでよー」
「えぇー・・・・どうだろ」
「えぇー、じゃないよ!」

二人してまた布団に潜る
うちは布団の中でそっとまぁの手を握った

『あたしは昔から熊井ちゃんだけだよ。そしてこれからもずっとね』
それに比べてうちは・・・
いつでも自分のことばっかりで、さっきもまぁのこと信用しなくて
それでいて「うちが守る」なんて・・・

「まぁ」
「なに?」
「うち鈍感だからさ、言われなきゃわかんないんだ」
「なに?いきなり」
「だから何でも言ってよ?嫌なとこ、ダメなとこ、あと・・・・好き、とか」
「熊井ちゃん・・・・・もう!」

強く握り返してきたまぁの手はちょっと汗ばんでて、
でもすごいあったかかった
最終更新:2010年03月15日 19:10