384 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 16:58:28.99 0

    テレビを見ながら先輩が戻ってくるのを待つ
    先寝てていいって言われたけど、やっぱりそれはどうかなって思うし・・・

    というかあたしがもうちょっと先輩とおしゃべりしたいだけなんだけど

    それにしてもさっきの電話・・・いつもあんな感じで話してるんだ
    「愛理が好き・・・大好き・・・か・・・。
    いいなぁーあんなこと言ってもらえるなんて」

    ねぇ、先輩?最近ね、あたしこんなこと考えるんです。
    もしもあたしが愛理ちゃんよりも先に先輩と出会ってたら、
    先輩はあたしのこと好きになってたりしたのかなって・・・

    あはは、そんなことあるわけないですよね
    とてもむなしいもしもの話
    でもそれくらいの想像はいいですよね?


388 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 17:22:21.32 0

    それにしても・・・さっきの二人の会話・・・

    “梨沙子だけだよ。二人部屋だから”
    “あ、梨沙子に代わる?ちょうどお風呂上がったみたいだから”

    正直焦った
    大好きって言ってるのを聞いた直後だったし
    愛理ちゃんと代わってもうまく話せない気がして・・・
    結局あたしに電話が渡されることはなかったからよかったけど
    でもあたし気付いちゃった

    「・・・まったく意識されてないってことだよね」

    先輩と同じ部屋で寝るってのはあたしにとっては大事件だけど
    先輩にとっては普通のなんでもない出来事なんだよね
    だからあんなにはっきり愛理ちゃんに言えるんだよね
    きっと明日になれば忘れる程度の出来事なんだよね、先輩バカだから・・・


390 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 17:33:06.48 0


    どれくらいの時間そうしてたんだろう
    うつ伏せになってぼーっとしてたら急に背中に衝撃が走る

    「どーん!!」
    「きゃあ!!ちょ、んー!!!おもいー」
    「なにー?重いだとー!!そんな失礼なこと言うやつはーぁ」
    「だって!先輩っ・・・てきゃぁ!!いや・・・うひゃ・・あは・・・・いひぃ・・・」
    先輩はあたしの背中にのしかかって脇や首をくすぐってきた

    「ごめんなさーい!ぎぶぎぶ!!」
    「あはは、梨沙子!おもしろーい」
    あたしのあまりにも必死な抵抗に先輩は降りてくれたけど爆笑している

    うー・・・先輩のバカ!!


392 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 17:52:21.47 0

    「もうっ!!人が真剣に考え事してたのに!!」
    「え?なになに?悩み?お姉ちゃんに言ってごらん?」
    「おねえちゃーん!」
    ヤケになって先輩に飛びついて先輩のわき腹をくすぐる
    『また妹扱いしたな!』という怒りを込めて思いっきり

    「あははははは!!マジやめて!!ぎゃー!!たははは!!なっ何でもするからあ!!」
    「え?ほんと?なんでも?なんでもしてくれるの?」
    「う・そ♪」
    「むー!!!!」

    そんな感じでぎゃーぎゃー騒ぎながらベッドで暴れまわっていると
    隣の部屋からドン!と壁を叩く音が聞こえた
    “うるさい”って意味だと思う
    あたし達は一瞬の沈黙の後、顔を見合してシー!っとお互いを咎めた


393 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 18:03:51.87 0

    電気を消してお互い自分のベッドに入る
    明日も朝早いから寝なきゃって目を閉じるけど
    なんだかまだ眠れそうになくて隣の先輩の方を見る

    「ねぇ、先輩?起きてますか?」
    「うーん?起きてるよーどうした?眠れない?」
    「んー・・・ちょっとだけ」
    「へへへ、うちも、練習で疲れてるはずなのになんか寝れない」

    それからお互い一瞬の沈黙・・・
    なんか話した方がいいのかな?って考えていると
    先輩はいきなり爆弾を投下してきた

    「ねぇ?梨沙子はさ、好きな人とかいるの?」


394 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 18:14:57.50 0

    「ななな何ですか急に!」
    「えー、気になったあ」

    先輩は布団から顔を出してあたしの方を向く
    暗くてよく見えないけど、たぶん今目が合ってる

    「・・・いる、ようないないような・・・」
    「どっちよ」
    「ど、どっちでも同じです!どうせ叶わないから・・・」

    って!あたしは本人目の前にして何を言ってるの!?
    ばかばかばかバカ梨沙子!!


395 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 18:31:36.18 0

    「なんで叶わないって思っちゃうの?」
    「え・・・いや、だって、あたしなんか・・・」
    先輩にこんなこと言われてしどろもどろになるあたし

    「なんかじゃないよ・・・梨沙子はなんかじゃない・・・
    ってこれ、昨日梨沙子がうちに言ってくれたのと一緒だね」
    「・・・」
    「叶わないからあきらめちゃうの?それじゃあ梨沙子の心がかわいそうだよ
    好きって気持ちは大切にしなくちゃ」
    「ん・・・」
    「なーんてね!うち、今、超恋愛の達人みたいだったよね?
    うわぁ!慣れないことするなって感じ!あははは」

    優しい言葉に思わずうなづいちゃったのにすぐに台無しにしちゃう先輩
    「いやぁ!でも梨沙子もちゃんと恋愛してるんだねぇー・・・前の学校ではどんな感じだった?恋人とかいた?」
    「い、いませんよー!付き合ったこととか・・・ないし・・・」
    「まだ中学生だもんね。うちも中学の時はいなかったよ、って前言ったもんね?愛理が初めてって」
    「あーはい、聞きました」
    「まぁ、だから焦らなくて大丈夫だよ!」

    別に焦ってないけど・・・だけど・・・やっぱり難しいよ・・・両思いになるのは


396 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 19:05:36.85 0

    それからしばらくの沈黙のあと先輩がぼそっと呟く
    「そっかぁ、じゃあなおさらやればよかったなあ」
    「え?」
    「花火。やろうやろうって言ってて結局できなかったじゃん?けど無理にでも時間作ってやればよかったなって思って。
     そしたらほら、うちも梨沙子の恋が叶うように線香花火にお願いしたのに」
    「・・・」
    「へへ。仕方ないから、向こう帰ったらやろうか」

    そう言って優しく笑う先輩
    花火・・・してくれるの?あたしの為に?
    待って、それって二人で・・・?それとも部員みんなで・・・?
    色々聞きたかったけど言葉に詰まって何も言えなかった
    先輩が優しすぎて・・・切ないけど嬉しくて・・・

    「あの・・・あたし・・・」
    「んー?」

    あたし・・・先輩が・・・

    「なに?梨沙子?」

    先輩のことが・・・

    「あの・・・」
    「うん」
    「・・・あたし、先輩にとってどんな存在ですか?」


397 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 19:19:35.08 0

    二人の間に流れる沈黙
    自分が言ってしまった言葉への後悔と先輩の答えを待つ緊張で高鳴る鼓動


    「梨沙子はうちにとって・・・大切な存在だよ」

    え・・・?

    「かけがえのない存在・・・意地っ張りで素直じゃないけどね」

    あ、泣く・・・って思った。

    だけど今泣いちゃったら先輩を困らせるって思ったから慌てて布団の中で涙を拭った

    だめだ・・・あたし・・・この人が好きだ・・・夏焼雅先輩が好きだ・・・


398 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 19:52:18.65 0

    「今日もいっぱいお世話になったし。すごい心強かった」
    「・・・」
    「情けない姿見せて嫌われるかと思ったけど、梨沙子はずっと側にいてくれたもんね」
    「・・・先輩」
    「てか合宿中ほとんど梨沙子と一緒にいた気がする。超仲いいよねうちら!」
    「・・・ひひ。うんっ」

    狙ってんじゃないかってぐらいあたしの心のど真ん中に響く言葉達
    先輩の恋の相手にはなれなくても・・・
    先輩に必要とされてるなら今はそれがすっごく嬉しい

    「で?」
    「ん?」
    「うちにだけこんな恥ずかしいこと言わせる気?」


399 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 20:16:43.02 0

    「うぇ?」
    「梨沙子の方こそ、うちのことどう思ってんの?」

    え、え、え、えーーーー!?
    いや、それは、それは、そんなの言えるわけないよ!!
    こ、この人、何考えてんの!?

    「梨沙子にとってー、うちはー、どんな存在?」
    先輩はそんなあたしに追い打ちをかけるように
    さっきあたしが言った言葉をそのまま返してきた


400 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 21:36:04.12 0

    「えっと・・・先輩はぁ・・・」
    「うんうん」
    「えっと・・・一言じゃ言えないんですけど・・・その」

    言葉に詰まる・・・
    先輩はあたしのすごい大切な、一番大好きな人で・・・
    一緒にいると楽しくて、自然に笑顔になれて・・・
    たまにつらいこともあるけどそれ以上に一緒にいると幸せで・・・
    言えるもんなら思ってることをありのまま伝えたい
    だけどそれじゃ告白になる・・・
    でもでも・・・嘘だけは絶対つきたくない・・・

    「梨沙子?」
    「・・・いなきゃダメ、な存在」
    「え?」
    「先輩いないと、困ります・・・ていうか、いないと嫌です・・・」
    「・・・」
    「つまりその・・・あたしにとっても、先輩は大切な・・・その・・・」


401 :名無し募集中。。。:2010/01/17(日) 21:52:23.17 0

    梨沙子の一生懸命な言葉にうちは胸が熱くなった
    なんだろう・・・なんか・・・そうだ・・・あの時
    今日の熊井ちゃんとの試合の後に感じたあの気持ちと一緒・・・

    よくわからないけどきっと
    人を愛おしいって思うってこういうことなのかなって・・・
    そう、ほんの少し・・・梨沙子のことが愛おしいって思った

    「ごめんごめん、もういいよ、その気持ちすごく嬉しいよ」
    うちは手を思いっきり伸ばして梨沙子の頭をそっと撫でた


430 :名無し募集中。。。:2010/01/18(月) 18:18:25.43 0

    まるで告白してるような気分だった
    恥ずかしくて最後まで言えなかった
    そんなあたしを先輩はいつものように優しく撫でてくれた

    ――叶わないからあきらめちゃうの?それじゃあ梨沙子の心がかわいそうだよ

    ――好きって気持ちは大切にしなくちゃ


    ・・・分かりました先輩
    あなたがそこまで言うならあたしはこの気持ちを大事にします
    生まれて初めて知った“すき”って気持ちを
    いつか先輩に胸張って伝えられる時が来るまで大切に保管しときます

    あきらめるなって言ったのは先輩ですからね?
    明日からまた部活でしか会えなくなるから
    落ち込む日々が続くと思うから
    あたし、今だけは頑張っちゃうもんね

    「せんぱーい」
    「なーにー」
    「・・・昨日みたいに一緒に寝ましょ?」


431 :名無し募集中。。。:2010/01/18(月) 18:45:17.40 0

    「えー?どうしたの急にー」
    「だって同じ布団の方が話しやすいし」
    「はは、それもそうだね」

    仕方ない!許可してあげよう!先輩はバッと布団をめくる
    あたしは待ってましたとばかりにそこに飛び込む
    当たり前だけどすぐ隣に先輩がいて
    今世界で一番先輩の近くにいるのはあたしなんだって思うと頬が緩んだ

    「暑くない?」
    「平気ー」
    「枕は?」
    「これ使います」
    「ちょっと!これうちのだから!」

    笑いながら頭を乱暴に撫でられる
    痛かったけどそれすらも楽しくて
    あたしの恋の病はかなり重症だと気付いた


440 :名無し募集中。。。:2010/01/19(火) 00:08:32.33 0

    ベッドの中でじゃれあった後は一時休戦
    あたしは緩んだ顔を戻そうと真顔を作ろうと試みる
    先輩はあたしに背を向けて何も話さない

    「・・・先輩?」
    「・・・」
    「もう寝ちゃいました・・・?」
    あたしの問いかけにも反応なし・・・
    うーん、やっぱり寝ちゃったのかな・・・なんだ・・・
    ちょっと寂しいな・・・あたしももう寝ようか・・・「梨沙子さ・・・」

    !!!

    な、び、びっくり!起きてるんじゃん!!

    「うちに隠してることあるでしょ?」
    「な、なんなんですか?いきなり」
    いきなりの質問にわかりやすく動揺してしまうあたし
    そ、そりゃ、先輩のことが好きなことは隠してますけど・・・
    色んな人にばれてますけど・・・

    え、ちょ、ちょっと待って!も、もしかして先輩、気付いたの!?
    いや、そんなはずは・・・だってこのタイミングで?急に?もっと前から?
    どうしよう、なんて答えよう、ってあたしの心臓が破裂しそうになった瞬間

    「これはなんだぁーーー!?!?!?」
    先輩はいきなりベッドから起き上がったと思うとスーパーの袋をまっさかさまにした

    ドカドカドカドカ!!
    「あ・・・」


455 :名無し募集中。。。:2010/01/19(火) 21:58:21.91 0

    「これは何かなぁ~?」
    「・・・えへ、カップ麺?」
    「こらーっ菅谷ぁぁ!」
    「だって!だってお腹すくと思ったんだもん・・・」
    「たくもー、いつ食べる気だったのよ。てゆーかこんなに持ってんなら昨日うちが奢った意味ないじゃん!」
    「ていうか先輩なんでそれ・・・」
    「さっき偶然見つけたので没収しておきましたー。まったく梨沙子は・・・」

    あちゃー・・・怒られる・・・
    まーいっか・・・これもイイ思い出だよ・・・
    先輩のお説教を甘んじて受けようと覚悟したその時
    先輩のお腹がぐるぐるるぅと盛大に鳴った


457 :名無し募集中。。。:2010/01/19(火) 22:56:26.85 0

    「・・・」
    「・・・」
    「・・・ぷっ・・・いひぃ・・・いひぃいいいー!
    先輩、お腹鳴ったぁーーー!!いひぃいいい、いひぃい」
    こらえようとして必死で頑張ったけど一度吹き出すともうどうにも止まらない
    ベッドを手でバンバン叩きながら大爆笑

    「あー!もう!うるさいなぁ!色々あってお腹すいたの!」
    「いひぃぃー♪だからって、あんな大きな音!」
    「もう怒った!!これうちが全部もらうから!梨沙子にかえしてやんない!!」
    そういうと先輩は両手いっぱいにカップ麺を抱えて布団にもぐりこんだ


471 :名無し募集中。。。:2010/01/21(木) 00:13:48.88 0

    「ねぇねぇ、せんぱーい!返してくださいよー!」
    「もう寝てまーす」
    「寝てないじゃないですかー!」
    「もう寝まーす」
    あたしは先輩の背中をちょんちょんと突いてお願い中
    だけど先輩は背を向けたまま取り合ってくれない

    「うぅ・・・それ大好物なのにー!」
    「ふーん、そうなんだぁ・・・じゃあ今から食べちゃおっかなぁ
    そういえば誰かさんがからかってきたようにうち、超お腹ぺこぺこだから」
    「え!!じゃ、じゃああたしも!!」
    「はい、だめー」


34 :名無し募集中。。。:2010/01/23(土) 01:09:48.33 0

    先輩に断れてしょんぼりするあたし

    ラーメンは没収されるし、日課の味噌ラーメンも食べられないし
    「最悪だ・・・」小声でぼそっと呟く

    それから少しの間があって先輩は急にごそごそしたかと思うと
    こちらを振り返った

    「ごめんごめん、ちょっといじめすぎちゃったね」
    「先輩」
    「でも夜中にお腹すいても我慢しなくちゃ!
    うちも超お腹すいたけどここで食べちゃうとやっぱりダメだからさ」
    「・・・はい」
    「あはっは、そんなにしょんぼりするなよー!明日の朝食はおいしいよ?
    一番に食べに行こう?」
    そう言うと先輩は抱えていたカップ麺をベッドサイドに置いたかと思うとあたしの頭を優しく撫でてくれた


48 :名無し募集中。。。:2010/01/23(土) 23:02:02.74 0

    なんで先輩に頭を撫でられるとこんなにドキドキするんだろう
    それに心が温かくなるんだろう・・・

    ・・・

    あたし、本当にこの人が好きなんだ・・・
    頭を撫でられるたびにあたしは自分の気持ちを再確認する

    こんなことを考えている間もずっとあたしの頭を撫でてくれていた先輩

    「ねぇ、先輩?」
    「んー?」
    「先輩ってどんなタイプの人が好き?」
    「へ?どうしたの、急に?」
    「だって気になったんだもん・・・あ、愛理ちゃんみたいな子って言うのは禁止ですからね」
    「あはは、何それ―?えー好きなタイプかぁ・・・」
    なんて言いながらも一生懸命考えている先輩

    なんか先輩のこういうところもあたし、好きだ・・・


56 :名無し募集中。。。:2010/01/24(日) 01:20:01.01 0

    「なんだろ…好きになった人…かな」
    照れた笑顔でそう言った先輩

    「おかしい?」
    「いえ!いいと思います」
    偉い偉いといった微笑みながら先輩はあたしの頭を数回撫でた
    そしてぼそっと呟いた

    「人間いつ誰を好きになるかなんてわかんないし、いつ嫌いになるかもわかんないもん」
    先輩の笑った顔を見てあたしは思っちゃったんだ
    あたしも同じだって
    いつの間にか先輩のこと好きになって…先輩のどこが好きなの?って聞かれても
    きっとはっきりした答えは出てこない
    だって先輩のダメなところも悪いところも欠点も…全部好きだって思えるんだもん…

    「あたしのことは…」
    「ん?」
    「あたしのことは好きですか?それとも…嫌い…ですか?」


59 :名無し募集中。。。:2010/01/24(日) 01:29:55.34 0

    言った瞬間、しまった!って思った
    あたし何聞いちゃってんの?やばい、なんかおかしい

    「あ、先輩、ちが・・・「好きだよ」

    え・・・?

    「うち、梨沙子のこと好きだよ。」
    「・・・あー・・・そ、そうですか?あはは、もう!そんな真面目に言わないでくださいよー!」
    あまりにも真剣な目に心臓は破裂寸前であたしは慌てて先輩を肘でつついた

    「えーだってホントだもん!初めは生意気だなーって思ったけどね」

    あー・・・先輩のこういうところがあたしは嫌いだ・・・
    そんなこと言われたら・・・言われたら・・・

    もっともっと先輩のこと好きになる


61 :名無し募集中。。。:2010/01/24(日) 01:52:42.90 0

    「じゃあ、梨沙子はう「あ、あの!!!」

    マズイです!この流れはヒジョーにマズイです!!
    だからあたしはつい先輩の質問をさえぎってしまった

    「いきなりどうした?」
    「えっ?あ、あ、あの・・・・あっ!せ、先輩と愛理ちゃんってどっちから・・・」
    「えぇー!恥ずかしいよー」
    「いいじゃないですか!聞きたいもん!!」

    ホントは聞きたくない
    でも今この気持ちを知られるくらいなら・・・
    大丈夫。あたしなら・・・・・・・大丈夫


63 :名無し募集中。。。:2010/01/24(日) 02:08:04.60 0

    先輩はあたしの質問にえー?とか困ったな―とか呟いている
    あたしはその間に何を聞いても動揺しない様に心の準備

    「えーしょうがないなぁー・・・まぁー・・・うん・・・うちから・・・かな」

    あ・・・やっぱりそうなんだ・・・先輩から・・・か・・・
    そういえば前に愛理ちゃん言ってたっけ

    『ねぇ、どっちから告白したの?』
    『えー・・・もう恥ずかしいよぉ・・・一応・・・向こうから・・・』

    あの時の愛理ちゃん、すごく幸せそうだったな・・・
    そりゃそうだよね・・・この人から好きって言ってもらったんだから・・・

 

 

88 :名無し募集中。。。:2010/01/25(月) 15:21:11.81 0


    「あぁ!ハズい!!」
    「・・・・・・・・・・フフッ」
    「あれ?・・・・ねぇ、そういえばこれ前にも聞いてこなかったっけ?」
    「へっ?」
    「うちにさ。ほら、あのたこ焼き食べた時」

    たこ焼き・・・・・・!!
    そういえば愛理ちゃんから聞いて先輩にあたし・・・

    「聞いてきた!絶対聞いてきた!」
    「そそそそうでしたっけ?」
    「そうだよ!梨沙子のジャージ買いに行った帰りにさ」
    「うぅ・・・」
    「梨沙子覚えてないの?」
    「あっ、いや・・・うーん・・・・・」

    びっくりした。先輩にとってはきっとなんでもない、普通の会話なのに
    話題変えるためについ、なんて言い訳に出来ないし・・・
    どうしよう!!!

89 :名無し募集中。。。:2010/01/25(月) 15:40:06.95 0

    「梨沙子、うちと話したことホントに覚えてないの?」
    あたしの目をじっと見て、真剣に問いかけてくる先輩

    「記憶力悪いですから」
    「あたし、一歩歩くと忘れちゃうんですよ」
    「けっこうバカなんで」
    でも、先輩のその瞳で見つめられると、
    そんな言い訳も口に出せなくなってしまうんだ

    あの日のことを覚えてないわけがない
    だけどあの時、あの時間のことだけは・・・・・

    「ごめんなさい」
    「もう・・・うちは覚えてるのになぁ」
    「だって!」
    「だって?」
    「だ、だって・・・・
    あの時はすごいドシャ降りで、傘をさし続けることに必死だったから・・・」


97 :名無し募集中。。。:2010/01/25(月) 22:36:21.40 0
    「へ?そうだっけ?雨なんて降ってないよぉー!
    梨沙子記憶力悪すぎー!!」
    思惑通り先輩はあたしの言い訳を本気で取って梨沙子ばかだぁーって茶化してくる
    いつもならバカじゃないもん!って言い返しているところだけど
    今だけは我慢我慢・・・

    そのおかげで先輩はあたしのことを記憶力が悪いから
    忘れても仕方ないみたいに思ってくれたみたい

    なんだかほっとしたような、悔しいような・・・

    「ねぇ、ねぇ、梨沙子!」
    「何ですか?」
    「じゃあさ、梨沙子の好きなタイプってどんな人?」


108 :名無し募集中。。。:2010/01/26(火) 03:22:59.09 0
   「え!?」
   「だーかーらー、好きなタイプ」
   先輩の唐突すぎる質問にあたしはもう開いた口がなんとか状態…

   どうしよう…!
   好きって言ったら、なんか告白しちゃうみたいだし…
   だからと言って嫌いなんて言えないし…
   そんなことを考え頭を抱え込んでるあたしを先輩は微笑みながら見つめ答えを待っている…
   えーん…どうしよう…

   「梨沙子?」
   「えっと…うんと…その…」
   「ん?」

   「…好きになった人…です」
   これが今のあたしの精一杯の答えだった

   言った後に心配になって先輩のほうへ顔を向けると
   「うちと一緒じゃん」
   なんて笑いながらあたしの頭を優しく撫でた


119 :名無し募集中。。。:2010/01/26(火) 20:52:16.87 0


   それからしばらく色んな話をした。
   合宿どうだったかとか、ももうざいよねwとか。
   気付けば時間も忘れて遅くまで話し込んでいた。

   「やばっもうこんな時間!そろそろ寝ないと明日起きれないよ!」
   「えーもう目ぇさえちゃった」
   「だーめ。ほら早く寝るよ」
   先輩は布団をきちんと掛け直すとあたしの方に体を向けて目を閉じる。
   あたしも先輩の方を向いて寝ようと思ったけど、これ以上鼓動が速くなると困るから仰向けになって天井を見つめた。

   「おやすみ梨沙子」
   「おやすみなさい・・・みや先輩」
   「えっ?」

   驚いてる先輩を無視して布団に深くもぐる。
   勇気出して呼んでみた先輩の下の名前。
   慣れ慣れしかったかなって少し後悔したけど、

   「ふふっ。おやすみ梨沙子」

   先輩は優しく笑ってくれた。
   たぶん明日には“夏焼先輩”に戻ってると思うけど・・・
   少し距離が縮んだ気がして嬉しくて、布団の中でこっそり笑った。


138 :名無し募集中。。。:2010/01/27(水) 13:28:00.34 0

    はじめて梨沙子にみや先輩って呼ばれた
    へへっ結構いいかも嬉しいかも♪
    なんか新鮮だし♪

    そんなことを考えてると隣から気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた
    ははっ、目さえたとか言ってたくせにもう寝てやんのー
    そっと目を開けると暗い中うっすらと見える梨沙子の横顔
    つい撫でたくなる髪と、つい突きたくなるプニプニほっぺ
    同じベッドで寝てるわけだから手をほんのちょっと伸ばせば触れられるけど
    寝なさいって言った手前起こすわけにもいかないから我慢した

    (梨沙子に好きな人ねぇ・・・)

    梨沙子もいっちょまえに恋なんてしてたんだ
    なんとなく、好きな人いないんじゃないかなって思ってたから内心びっくりした
    どんな人だろ・・・うちの知ってる人かな?
    いやでもバスケ部の子だったらまずうちに教えてくれるだろうし・・・やっぱりうちの知らない人か
    あ、もしかして同じクラスの子かな?ひひ、愛理に聞いちゃおっかな~


139 :名無し募集中。。。:2010/01/27(水) 13:30:55.11 0

    ・・・・・・・・ちょっと待て。

    もし梨沙子が誰かのモノになったら・・・


    ひょっとしたら、ひょっとしたらの話だけど・・・
    うちに今までみたいに懐いてこなくなったり
    あんまり頼ってくれなくなる、なんてこともあるのかな?

    うーん・・・それは寂しいぞ
    うーん・・・なーんか複雑だなぁ・・・

    「・・・マジで寝よ」

    うちなんでこんなこと気にしてんだろ・・・
    変なこと考えてないで早く寝なきゃ・・・
    梨沙子が一匹・・・梨沙子が二匹・・・・・・zzz

最終更新:2010年02月11日 20:06