- 301 :名無し募集中。。。:2010/01/30(土)
17:04:24.37 0
朝ごはんが済んだらミーティングをして荷物を片付けて撤収だ。
暢気に枕投げなんかしてる場合じゃなかった。
慌てて梨沙子と食堂に走る。
「もー梨沙子がはしゃぐからー」
「先輩が最初に枕投げたんじゃないですかっ」
食堂に入る。部員はまだ来てないみたいだ・・・よかった。
もう配膳は済んでいて、台所には茉麻の背中が見えた。
その奥に熊井ちゃんの姿も見える。
なんだか楽しそう。
うーん、入りづらい。
「入りづらいよね、ああいちゃいちゃされるとさ」
- 302 :名無し募集中。。。:2010/01/30(土)
17:11:14.34 0
その声に振り返ると千奈美が呆れた顔で立っていた。
後ろには他の部員もおんなじような顔をして所在無くしている。
茉麻たちのほうに視線を戻すと、熊井ちゃんがそっと茉麻の頬に触れながら
何か言っている。
そして茉麻は熊井ちゃんの手を掴んで嬉しそうに笑って・・・
完全に二人の世界だ。
面白いじゃん。
「よし、全体、こっそり進め!」
後ろに振り返って小さな声で告げると、みんな目を輝かせた。
梨沙子もにやにやしながら頷いた。
そーっとそーっと距離を縮めていくうちら。
食堂の入り口を抜けて、忍び足で台所に近づく。
- 303 :名無し募集中。。。:2010/01/30(土)
17:29:20.87 0
「中腰ね、中腰」
二人は背が高いから、こうしているだけで視界に入りにくくなるはずだ。
一瞬でみんな身を屈めた。
こういうときに最高のチームワークを見せる我がチーム。
・・・試合で出そうよ、この力。
《だるまさんが転んだ》気分で距離をつめていった。
ぐるりと二人を囲むようにして陣形を作る。
それにしても気づかなすぎだろう。
みんなを見渡してさっと右手を上げると、
「とつげーき!!!!」
二人めがけてみんな一斉に突進。
「わっ」「なになに!」
本当に気づかなかったらしく二人は何が起こったのかわからないように
てんぱり出した。
「ずっと見てたし!なんで気づかないのー」
「朝っぱらからいちゃいちゃすんなよ!」
「早く朝飯食わせろこのやろーー!」
「日本のお米は世界で一番♪」
真っ赤になっている二人を取り囲んで口々にからかう部員たち。
うちも一緒になって楽しみながらも、思う。
ほんと、このチームワーク試合で生かそうよ。
- 310 :名無し募集中。。。:2010/01/30(土)
23:20:21.72 0
なんだかんだで最終日の朝食はみんなで準備。
人数はたくさんいるからその分あっという間に完了。
みんなが席に着いたのを確認して前に立つと
まだ小春と亀井先輩が来てないことに気付いた。
あ!そうだ、うち小春に文句言ってやろうって思ってたのに・・・
あの野郎・・・
「遅れてすみません!」
はぁっとため息をついたところで小春が亀井先輩と一緒に食堂に入ってくる
小春はうちと目が合うとへらへらと両手を合わせて頭を下げた
まぁ、いいけど、あとでしっかり聞いてやる
「ゴホン、ではみなさん全員集まったということでいただきます!」
- 332 :名無し募集中。。。:2010/01/31(日)
22:48:21.15 0
朝食中、いつものように先輩の盗み見とおかわりを繰り返すあたし
あぁ、こんな至福の時も今日で終わりかぁ・・・
あたしは練習には参加してないけど普段よりサポートも大変だったし
合宿自体はきつかったけど・・・
でも先輩がずっとそばにいてくれたからあたしは頑張れたんだと思う
今日が終わるとまた明日からいつもの日常が始まる
あたしは相変わらず先輩が好きで
先輩は相変わらず愛理ちゃんが好きで
うん、そう、合宿前に戻るだけ・・・
周りの先輩達の関係は変わってもあたしと先輩の関係はきっと変わらない
「「りーちゃん、おかわり!」」
それに合宿中にこの二人、千聖と舞ちゃんとも仲良くなれたし
うん、この合宿来てよかったよね
- 370 :名無し募集中。。。:2010/02/02(火)
23:57:39.86 0
朝食を終えると各自部屋の掃除を済ませて宿舎を出る準備
あたしは昨日の部屋で部屋を出る前に最終チェック
「終わっちゃうなぁ。」
昨日はこの部屋で色んな事あったな
楽しいこともちょっと辛かったことも
うぅん、この合宿はずっとそんな調子だった
楽しいことがあった後にすぐにどん底に突き落とされたり、そうかと思ったらまた嬉しくなったり
あたしの気持ちは大忙し
「ほら、梨沙子!早くしないと午前練始まっちゃうよ」
全てこの人のせいで、おかげだったりするんだけど
「はーい!今すぐ済ませます!!」
- 399 :名無し募集中。。。:2010/02/04(木)
23:27:16.56 0
全員の荷物を宿舎の大広間に置いてうちらは最後の練習
まだまだ暑さが残る外の気候のように体育館の中は熱気に溢れている
キャプテンになって初めての大きな行事。
それにこの伝統あるバスケ部のキャプテンをちゃんと務められるか
不安でいっぱいだったけどなんとか乗り越えられてほっと一安心。
といってもまだまだうちは佐紀ちゃんの足元にも及ばないんだけどね。
あぁ、帰ったらすぐに愛理に会いたい
会って色んなことを話したい
ねぇ、愛理、うちちょっとは強くなってるかな?
愛理の自慢の恋人になれてるかな?
- 401 :名無し募集中。。。:2010/02/04(木)
23:44:01.56 0
「先輩、お疲れ様です」
「ありがと、梨沙子」
最後の練習が終わって、みんな力が抜けたように体育館にへたり込んだ。
さすがにきつかったぁ。
・・・3年生たち先輩はこういうときに限って見てるだけだし・・・。
ズルイ・・・とはいえ、頑張らなくちゃいけないのはうちらだし、しょうがないか!
梨沙子が渡してくれたドリンクを飲みながらはぁーっと大きく息を吐き出した。
「みやお疲れ。」
「ありがとうございます、先輩」
「あはは、よしよし。頑張った頑張った!」
キャプ、じゃなかった佐紀ちゃんに頭を撫でられた。
素直に嬉しくて何度もお礼を言った。
それからお昼を食べて、合宿所を出発した。
辛かったけど、苦しかったけど、絶対に自分たちのためになる。
そう確信できた合宿だった。
「みんなお疲れ!!!」
なんて、大声で言ったら「みや、うるさい」って怒られちゃった・・・。
最終更新:2010年02月15日 21:51