- 98 :名無し募集中。。。:2010/04/06(火)
03:01:25.76 0
教室を出てあてもなく廊下をふらふらと歩き続けた
梨沙子ちゃんが悪いんじゃないことくらい頭ではわかってるのに
あの笑顔を見るとみやを思い出して胸が苦しくなって
あんな態度しか取れなくなってた…
「なんで涙なんか…」
無意識に流れる涙は拭っても拭っても頬を伝っていく…
「いっ」
前を見て歩いてなかったせいか廊下の曲がり角で誰かにぶつかった
でも泣いているのを見られたくなくて顔を伏せたまま
「すいません…」とだけ言うと少し頭上で
「愛理?」とあたしの名前を呼ぶ声
「えりかちゃん…」
「なんかあったの?」
心配そうに問いかけるえりかちゃんのその優しさにあたしは
崩れ落ちるようにその場に座りこむとえりかちゃんの腕を思いっきり掴んだ
今は誰かに寄りかかってないと歩けそうになくて…
誰かの優しさに甘えていたかった…
- 110 :名無し募集中。。。:2010/04/07(水)
02:40:34.92 0
「あたし、どんどん嫌な女になってる」
「・・・」
「さっきも・・・梨沙子ちゃんに・・・あんな態度・・・
梨沙子ちゃんは悪くないってわかってるのに・・・」
ぎゅっと目を閉じるとみやの笑顔と・・・なぜか隣にいる梨沙子ちゃんの姿が浮かんでくる
あたしの居場所はもうそこにはないんだって思い知らされる・・・
「みやを忘れたい・・・みやのことなんて・・・」
- 107 :名無し募集中。。。:2010/04/07(水)
00:24:27.87 0
「少し落ち着いた?」
音楽室の窓に寄りかかっているあたしに外を眺めていたえりかちゃんが
心配そうな顔でそう問いかけた
「うん…。ごめんね、えりかちゃんにいつも迷惑かけて…」
「いいのよ。気にしないで。ぶつかってきたときは食パン銜えてれば良かったなんて思ったけど」
「ふふっ、食パンって」
えりかちゃんの冗談につい笑みがこぼれた
「やっと笑った」
赤くなったあたしの目に触れ切なそう顔を浮かべているえりかちゃん
その顔にまた涙が出そうになる…
苦しい…何もかも忘れたい…忘れたいのに忘れられない…
今にでもえりかちゃんの優しさにすがりつきたかった…
でも…えりかちゃんまで傷つけてしまうのが怖くて…溢れだした涙がまた頬を伝って落ちて行く
「もう嫌だよ…」
「愛理…」
- 108 :名無し募集中。。。:2010/04/07(水)
02:39:15.41 0
「忘れたいのに…なんで…なんでみやの笑顔思いだすの…」
涙を抑えきれないあたしをえりかちゃんはぎゅっと力強く抱きしめた
「忘れなくていいの。忘れなくたって…」
顔を上げるとえりかちゃんも今にも泣きそうな顔であたしを見つめていた
「あたしが…あたしが絶対忘れさせてあげるから…」
えりかちゃんはあたしをもう一度ぎゅっと抱きしめそう囁いた
そして…二度目のキス…
唇と唇が重なった
- 129 :名無し募集中。。。:2010/04/08(木)
02:23:38.81 0
「えりかちゃん…」
「あたしじゃナツヤキさんの代わりにはなれない?」
みやの代わり…
そんな人この先ずっと現れないって思ってた…
こんなに優しくてそばにいてくれて誰よりもあたしを愛してたくれてたみやの代わりなんていないって思ってた…
でも…思い返すと、辛い時、悲しい時、泣いてる時…いつもそばにいてくれたのはえりかちゃんだった…
「…愛理ちゃん」
ふいに誰かに名前を呼ばれ声のするほうへ顔を向けると
あたし達に歩み寄ってくる梨沙子ちゃんが見えた
その後ろにはただこちらを見つめ立ちすくしているみやの姿も見えた…
「どういうことですか…?なんで、キスなんか…」
最終更新:2010年06月05日 03:14