40 :名無し募集中。。。:2010/05/23(日) 20:51:33.48 0

お久しぶりね。えりかです。

ただ今私は高校の体育館前に来ています。
なんでかって?
それはね、この体育館の中に愛理がいるからよ。
今日はうちの高校のバスケ部の練習試合なの。


『えりかちゃん、あたし、みやの応援に行っていいかな?』


あの日、愛しの愛理に突然言われたわ。
何事かしら!?とそれはそれは焦ったものよ。
でも人間って不思議ね。
気付いた時には分かった~、なんて速攻で返事をしていたわ。
これが条件反射というものね。

41 :名無し募集中。。。:2010/05/23(日) 20:52:37.79 0

愛理がその後、梨沙子ちゃん(私と愛理がキスしてるとこに飛び込んできた根性据わった子よ)
と仲直りをして、ナツヤキさんともきちんと話したというのは
報告を受けて聞いていたわ。
もちろん嬉しかったわよ。
愛理の喜びは私の喜びよ。

愛理が試合の応援に行くのだって、そこまでナツヤキさんと仲良しに戻ったんだってびっくりしただけで
嫌だったわけじゃないの。ほんとよ?

でもね、ひとつぶっちゃけますとね、ほんの少し不安だったの。
輝かしく活躍するナツヤキさんを見て
『きゃー!みややっぱり素敵!!(ハート)』って愛理がなっちゃったらどうしようって
柄でもなく思ってしまったの。
フフ、これでも乙女なのよ?私。

そんなこんなで、ナツヤキさんに声援を送る愛理を見たくないな~なんて思ってしまった私は、
『うちがいない方が気兼ねなく応援できるんじゃない?』
という見事にいい子ぶったセリフを並べて、結局愛理を一人で行かせてしまったの。

42 :名無し募集中。。。:2010/05/23(日) 20:56:04.51 0

それがね、今になって
『なんで一緒に行ってあげなかったんだろう?』って後悔してるのよ。
愛理が誘ってくれたというのに、我ながら大人げなかったと思うわ。
愛理はきちんとナツヤキさんと向き合って、一歩大人になったのにね。


というわけで私は今、我が高校の体育館前に来ています。

中からは熱気と歓声、大きな声援。
この黄色い声援の中に愛理の声が入っていたとしても
ナツヤキさんにときめいていたとしても
私が愛理を好きなことに変わりはないんだし?
胸張って行ってくるわ。
一人で座ってるであろう私の可愛い河童ちゃんの隣に。


私は体育館に向かってモデル歩きで歩きだした。

最終更新:2010年06月05日 04:14