19 :名無し募集中。。。:2010/05/23(日) 00:39:48.95 0

いつもと同じように
体育館へ向かう道。
でも、今日はなんだかちょっと
足取りが重い。


・・・だって今日は朝比奈が来るんだ。



過去の弱かった自分を強い自分に変えるため
そして、チームのために、いっぱい練習してきた

支えてくれたチームのみんな、
あの辛かった時一緒にいてくれた愛理、
この試合に対してちょっと後ろ向きだったうちに
きちんと前を向いてとりくむきっかけを
与えてくれて、支えてくれた梨沙子
そして、めぐのためにも

うちは、今日、ぜったいに成果を出す!

みんなへの感謝をプレーで示さなくちゃならないんだ。



・・・・・・あ、やばい、緊張してきたぞ・・・。



20 :名無し募集中。。。:2010/05/23(日) 00:41:43.52 0
~~~~~~~~~~~~~~~





「スタメンは、夏焼、久住、熊井、光井、徳永。
知ってると思うが、
相手も、うちと同じインターハイ常連校だ。
気を抜いたら一気にやられるぞ。
しっかり気合いいれて行け。
オフェンスは久住を起点に・・・・・・しっか・・
・・パスをつないで・・・・・・」




アップも終わって、
ついに試合がはじまる。

とりあえずスターティングには選ばれた。
選んでもらえる、とは思っているけど、
毎回毎回、
この試合前のスタメン発表は
ちょっとどきっとする。



ってか、緊張で、監督の話全然頭に入ってこないや・・・



21 :名無し募集中。。。:2010/05/23(日) 00:45:30.47 0
>>20
向こうのベンチにはめぐがみえる・・・
変なプレーは見せられないな・・・

あぁ、うち、ちゃんと頑張れるかな・・・



「ほら、みや!!早く!
何ボケッと突っ立ってんの!もうコート入るよ!」

・・・気づいたら監督の話は終わっていた。
それでも動かないうちに、ちぃが声をかける。

やばい、やばい、ほんとに始まる・・
手が緊張してめっちゃ冷たい、足も震えそうだよ・・・
でも、行かなきゃ・・

「わかってるよ、ちぃ!今行くから!」

うちはちぃに返事をして
震える足を、コートに足を向けようとした
すると、

「夏焼先輩!!、頑張ってくださいね!」

・・・梨沙子。
梨沙子が、まるで、大丈夫だよ、心配ないよ、
って言うみたいな、安心する笑顔をうちに向けて
ベンチから声をかけてくれた。

22 :名無し募集中。。。:2010/05/23(日) 00:46:15.43 0

うちが緊張してるの、梨沙子にはバレちゃったかな。
でも、なんだかちょっとほっとした。
手にも心なし温度が戻った気がする。

「うん、ありがとう、頑張るね。」



コートに向き合い、
自分の両頬を自分でピシャッと叩いて
気合いを入れてから
うちはコートに駆け出した。

(・・・・・・・・頑張るぞ!!夏焼雅!!)

43 :名無し募集中。。。:2010/05 /23(日) 21:25:58.00 0

話に聞いてた通り朝比奈はやっぱり強い
個人のスキルはもちろんのこと、チームとし てしっかりした力がある

だけど、うちだって負けてない
久住先輩、徳永先輩、光井先輩、熊井先輩、

そして夏焼先 輩・・・

みんながそれぞれ練習してきたことを出して戦ってる

「梨沙子!水!!」
一瞬、夏焼先輩がコートサイドに 戻ってきて水を要求してくる
「は、はい!」
慌ててペットボトルを渡すと先輩はのどにぐーと水を流し込んだ

「サンキュ!」
そ う言って先輩はあたしにさわやかな笑顔を見せて元気にコートに戻っていく

あたしはそのペットボトルをぎゅっと握りしめてチームの勝利を祈 り続けた

48 :名無し募集中。。。:2010/05/24(月) 01:06:11.54 0

体育館にはたくさんの人、そしてたくさんの声援
それだけでも緊張するのにベンチでスコアボードを書く姿のまあに見られてるせいで余計に緊張した
アップを終え一度ベンチに戻るとまあがうちの手をそっと握った

「緊張してる?」
「…してないよ」
強がってみたけどきっとまあには見透かされてると思う…
だってうちの手震えてる…
「熊井ちゃんちょっとかがんで見て」
「え?なんで?」
「いいから」
首をかしげながらまあに言われた通りにうちはゆっくりかがんだ

「…え」
それと同時に乾いてたうちの唇を潤すかのようにそっとまあの柔らかい唇が触れた
「大丈夫。熊井ちゃんが頑張ってきたのはあたしが一番良く知ってる」

ピーと言う笛の合図と共にコートの中央を走って行くメンバー
うちはまあの握ってくれていた手をそっと離すと頭をぽんっと優しく撫でた
「…もし勝ったら、そん時はこのキスの責任取ってよ」
「え?」
「絶対勝つから覚悟しててよ」
そう笑顔でまあに言うとうちもみんなに続いてコートの中央に立った

49 :名無し募集中。。。:2010/05 /24(月) 01:15:44.01 0

あたしはマネージャー。
みんなを平等に。

って言い聞かせているけどやっぱり無意識に視線は夏焼先輩へ

だって、だって、かっこいいんだもん・・・。
普段はヘラヘラしてるけど、やっぱり真剣な横顔がすごく綺麗なんだもん・・・。

観客席の方を見上げると先輩のファンと思われる人もたくさんいて
先輩の人気の高さを思い知らされる。

あたしはそんなファンの人たちに負けない様に大声で声援を送った。

83 :名無し募集中。。。:2010/05/25(火) 00:00:37.52 0

コートの中央に集まった5人の選抜メンバー
目の前には5番のつけた選手
そこには4番をつけためぐの姿はなくベンチの隅でこちらを見つめていた

「めぐ…」

ピーという笛を合図にボールがコートの中央を舞った
ゲームスタート

熊井ちゃんが弾いたジャンプボールをちぃががっしりと掴み
「みや!」とうちのパスが回った
そのボールをキャッチし前を向くとディフェンスの構えでうちの前に朝比奈の選手が立ちはだかった
その瞬間蘇るあの日の記憶…

目の前にはディフェンスの構えでうちの前に立ちはだかるめぐ…
そして…抜き去った瞬間に倒れ込んだめぐの姿…

『夏焼って人でしょ?めぐ先輩怪我させたの』
『わざとなんじゃないの~』

『あんたの顔なんかみたくない』
『あんたのせいだから』

「あ…」
ボールはうちの手を離れ相手選手に渡りみるみるうちにゴールに繋がって行った
「こらー!夏焼ー!」
そんな監督の怒声がコートの響きその場で動けないでいたうちにちぃが駆けよってきた
「みや?大丈夫?」
「…うん…。ごめん…」

88 :名無し募集中。。。:2010/05/25(火) 10:53:08.67 0

大丈夫・・・うちは大丈夫・・・
出来る・・・出来るんだ・・・

そう言い聞かせて試合を再開したけどなぜだかいつもの調子は出ない
もう・・・ちゃんと動いてようちの体っ・・・
さっきまでの気合はどうしたんだよっ・・・
もう全部乗り越えられたと思ってたのに・・・

チームメイトはもちろん、監督や茉麻たちまでもが困っているのが雰囲気で分かった
うち・・・やっぱりダメだ・・・
ベンチに下がった方がチームの為になるんじゃ・・・


その時、相手チームのベンチからバカでかい声が聞こえた

89 :名無し募集中。。。:2010/05/25(火) 10:54:19.45 0

「コラみやー!!!!!しっかりしなさいよバカッ!!!!」

びっくりして声のする方を見る
バカでかい声でうちにバカと言ってきたのは、やっぱりめぐだった
相手チームの面々はハテナを頭に並べてめぐを見てる
けどめぐは気にせず怒鳴り続けた

「いつまでも引きずんな!!!!」

めぐ・・・・


―――今はこんなんだけどあたし、バスケ諦めてないから

―――あたしが復帰するまで、強いみやのままで待っててよ

90 :名無し募集中。。。:2010/05/25(火) 10:55:59.17 0

そうだよ・・・めぐは諦めなかったんだ
うちはめぐが公式戦に復帰するまで強いままでいなきゃいけないんだ
そう約束したんだよ
恐怖で忘れかけていたその思いを
負けないと決意したあの日のことを、今はっきりと思い出した
ここで立ち止まってちゃいけない

「みやー!」

応援席から聞こえた声にピクっと反応してすぐ振り向くと、
立ちあがって声を張り上げる愛理が目に入った

「がんばれー!!」

最後の方の声は歓声にかき消されていったけど
頑張れって声は確かに聞こえた
愛理・・・ホントに来てくれたんだ・・・

91 :名無し募集中。。。:2010/05/25(火) 11:00:49.71 0

「先輩!」

次は味方のベンチから
声の主は見なくても分かる、うちの可愛い相棒
うちは梨沙子に向かって大きく頷くと
強く握った自分の拳を見つめた

梨沙子、いつも心配ばかりかけてごめんね
今からかっこいいうちを見せてあげるから
終わったらいつものイヒィ笑いで出迎えてよね

うちはチームメイトとアイコンタクトをしてもう一度走り出した
ふと手に付けてるリストバンドが目に入って、あぁうち無敵じゃんって思った

うちは一人じゃない

98 :名無し募集中。。。:2010/05 /25(火) 22:03:50.57 0

「全く・・・世話が焼ける奴」
あたしはベンチにドカッと座って頼りないライバルの背中を見やった

いつまで引きずってるんだっつーの!
あんたが強くないとあたしの価値まで下がるんだから!

なぁんて・・・もう心配ないわよね?
だって今のあんた、目が変わったもん

あの頃と同じ・・・うぅん、今までで一番強い目をしてる

「あたしも負けてらんないな」
ふっと笑ってみて向こうのベンチにいるなで肩の可愛い女の子に目をやる

あたしさ、バスケも恋も負けないよ?みや

105 :名無し募集中。。。:2010/05/26(水) 03:00:56.29 0

「みや!」
ちぃから渡ったボール
ここにいるみんな、控えのメンバー、まあ、先輩達、愛理、めぐ、
そして梨沙子…
みんなの思いが詰まったボール

うちはそのボールを勢いよく地面につくと一気に相手を抜き去り走り出した
「えっ、は、速い!」
「熊井ちゃん!」
そしてゴールしたで待ち構えていた熊井ちゃんへ大きなパスを渡すと
熊井ちゃんはそれをゆっくり丁寧にゴールへ繋げた

わー!と沸き起こる歓声に熊井ちゃんやちぃとハイタッチを交わす
うちは一人じゃないんだ
腕についたリストバンドを撫ぜて梨沙子のほうへ顔を向けると
そこには涙を流し顔をくしゃくしゃにした梨沙子がいて
うちは思わず笑った

43 :名無し募集中。。。:2010/05/30(日) 23:38:46.53 0

それから試合は点と取ったり取りあったり白熱した勝負のまま3クォーターまで終わった
点差は6点
やっぱり強豪校の朝比奈はめぐがいなくてもスピード、テクニック、瞬発力…すべてを取っても勝ってる
でも、こっちだって負けてない
最高のチームメイト、そしてマネージャーがいる
「次が最後だからな。気抜かないで1点1点大事に決めろ!お前らなら6点差くらい撥ね退けられるだろ!」
「「はい!」」
そんな監督の言葉に大きな返事をするとみんな一斉にコートに走って行く

うちは駆けだそうした足を止め梨沙子の前に立つとそっと頭を撫でた
「先輩?」
「…ありがとう。梨沙子のおかげでうち色々変われた気する」
「そんなあたしなんか…」
「梨沙子、この試合終わったら聞いてほしいことあるんだ」
「え?」
驚いた顔している梨沙子の頭をぽんぽんと優しく叩き
それ以上何も言わずにうちはコートの中央へ走り出した
梨沙子、うちこの試合終わったら言いたいことたくさんある
きっと上手く話せないと思うけどちゃんと自分の言葉で伝えるから
だから最後まで見守っててよ

44 :名無し募集中。。。:2010/05/30(日) 23:49:51.25 0

夏焼先輩があたしに話?
なんだろ?なんかあたし、しちゃったかな?


って今はそんなこと考えている場合じゃない!
あたしはあたしの仕事をしてみんなと一緒に戦わなくちゃ!

スコアボードに目をやる
まだ逆転は十分可能な点差だ

「みんな・・・頑張って・・・」

45 :名無し募集中。。。:2010/05/31(月) 00:05:35.27 0

最後の1クォーター
必死に点を取りに行くうちらを朝比奈は必死に食い止める
そのせいか朝比奈のディフェンスはさらに堅さを増しなかなかボールが上手く回らない

「みや!」
みっつぃが出したボールはうちの頭の上を通り抜けコートが出ようとしていた
それを追いかけるも間に合いそうにもなくうちは足を止めるとその横を誰かが横切り
ボールに飛び付いた
「「あっ!」」
「みや!」
そのボールはうちの胸にすっぽり収まり目の前でちぃがパイプ椅子に突っ込んだ
「ちぃ!」
「勝つんでしょ!めぐにも自分にも勝つんでしょ!」
ちぃがフラフラ立ち上がりそう叫ぶとゴールを指さした

「みや!」
うちはちぃから受け取ったボールを手に駆けだすとそのままレイアップでゴールを決めた
そしてちぃに向かってVサインを決めるとちぃは思いっきりうちを抱きしめた
ちぃ…恥ずかしくて口に出しては言えないけど…
いつもいつもありがとう
友達になってくれてありがとう

63 :名無し募集中。。。:2010/06/01(火) 02:53:05.00 0

点差はあと4点
いける…絶対いける…
相手ボールから再開したゲーム
じわじわ攻め時間を潰す朝比奈

「…先輩…」
真剣な目つきで相手の前に立ちはだかる先輩を祈るように見つめた

「あっ!」
パスをしようと空を切ったボールを熊井先輩が弾くとそれを久住先輩がしっかり掴んだ
熊井先輩…久住先輩…光井先輩…千聖…
そして夏焼先輩…
みんなが必死に相手に食らいつき勝利をもぎとろうとしている…

「頑張れー!」
あたしは思わず我を忘れて大きな声でコートにいる先輩達に声援を送っていた
そんなあたしの声はこの会場の大きな声援にかき消されたけど
久住先輩のパスを受け取ってシュートを決めた夏焼先輩だけはあたしのほうを向いてガッツポーズを決めた

90 :名無し募集中。。。:2010/06/03(木) 03:07:05.29 0

相手のタイムアウトにより一度コートに戻ってきたみんなに
あたしは飲み物やタオルを渡して回る
もちろん夏焼先輩にも…

「ありがとう」
「先輩?」
「ん?」
「先輩のあのガッツポーズどういう意味だったんですか?」
夏焼先輩はペットボトルの水を一口飲むとあたしの頭にタオルをかぶせた

「ちょっ…!」
「なんでかわかんないけどシュートの時梨沙子の顔が浮かんだんだよね」
「え…」
被っていたタオルを取り目が合うと先輩は微笑むように笑い
もう一度水を口に含んだ
「あの日…初めて梨沙子と会って『フォームがまだ全然出来てない!』って説教されたのにさ、
あの日の梨沙子が頭を過ったんだ。だから梨沙子にガッツポーズしたくなった」
そう真剣な顔で言う夏焼先輩にあたしは頬がだんだん熱くなっていくのがわかり
思わず下を向いた…

ピーという笛の音と共にコートに走り出す先輩達
夏焼先輩は俯いているあたしに水を返すとぽんぽんと頭を数回優しく叩いた
「絶対勝つから」
そう言い残してコートへ走って行った先輩の背中をあたしはただ見つめていた

102 :名無し募集中。。。:2010/06/03(木) 22:35:54.65 0

観客席から見える試合をしているみやの姿
その表情は付き合っている時よりもかっこよく見えた

タイムアウトのたびにりーちゃんと話すみや
すごく優しくりーちゃんを見つめるみや

「なんか複雑・・・」
冗談だけどそんなことを呟いてみて一人苦笑してしまう

みや、頑張れ・・・
りーちゃんも、頑張れ・・・

105 :名無し募集中。。。:2010/06/04(金) 03:18:40.12 0

一心同体の攻防がどれくらい続いただろうか
こっちが決めると相手が決め
相手が決めるとこっちが決める
チームのみんなは最終クォーターで疲れが見え動きが鈍くなり
相手の朝比奈も必死にゴールを守っていた
あと1ゴール差…2点が縮まらないまま時間だけが過ぎて行った

「あと2点が遠いよ…」
ぽつりとそう呟いたちぃは大きく肩で呼吸を繰り返している
周りを見ると熊井ちゃんもみっつぃも小春も千聖も…
みんな諦めたかようにどよんとした空気…
「ほら!あと1ゴール!頑張るよ!」
「みや…」
無理矢理作った笑顔でそう言わなきゃいけないくらい
うちも精神的に追い詰められていた…

無理かもしれない…
そればかりが頭を過る…
「先輩!」
コートに響く梨沙子の声

「フォームまだ全然出来あがってないじゃん!」

聞き覚えのある言葉…
そう初めて梨沙子と会ったあの日の言葉
「梨沙子」
「諦めるなー!」
大粒の涙を流しこっちを見つめそう叫んだ梨沙子

106 :名無し募集中。。。:2010/06/04(金) 03:40:47.18 0

その瞬間フラッシュバックのように
梨沙子との出会いから今までが頭の中で現れては消え現れては消えを繰り返していた

笑顔の梨沙子も
泣き顔の梨沙子も
怒った梨沙子も
そして辛い時そばに居てくれた梨沙子も
全部うちの頭の中に焼き付いて離れてなかった

「よし!残り1分。死ぬ気でゴール取りに行こう!」
「「おー!」」
梨沙子
うちいつも梨沙子の言葉に助けられてたよ
愛理にフラられた時もめぐに会いに行った時も
梨沙子がいてくれたから強くなれたし勇気も持てた
だから今度はうちが梨沙子に返す番だね

24秒ルールをフルに使いジワジワ攻めてくる朝比奈
カットをしてゴールを放っても上手く決まらなくて時間だけが過ぎて行く…
残り20秒…朝比奈のボール
ドリブルをゆっくりつき時間を稼ぐ朝比奈
その一瞬をつき弾いたボールはコート外を目指し転がって行く
あっ…!

108 :名無し募集中。。。:2010/06/04(金) 03:53:59.18 0

「みや!走って!」
「え?」
一瞬なにがなんだかよくわからなかった
でもコートの外に出そうになっているボールを追いかけていった熊井ちゃんを見て
うちは察すると一気に自分のゴール目がけて走り出した

大きくバウンドを繰り返すボール
コートに出そうな瞬間に熊井ちゃんはボールに手を伸ばし飛び付くと
体をひねり最後の力を振り絞るかのように大きく自分のゴール目がけそのボールを放った

残り10秒
うちは熊井ちゃんの意思をついだボールを受け取ると
最後の1本のこのシュートにかけた
「入れ!」
3ポイントラインから放ったボールは綺麗な放物線を描きゴールへ向かっていく
体育館は静まり返りそのボールの行方を見守った

パサッ
ネットが綺麗に揺れゴールに吸い込まれて行ったボール
そしてそれと同時になったブザー
わー!という歓声が体育館中に響き渡った

最終更新:2010年06月05日 04:11