140.名無し募集中。。。:2010/06/06(日)
09:23:40.93 0
「入った・・・」
あの夏の試合では決め切れなかった最後のシュート
それがやっと今・・・
やった・・・やったよ・・・みんな・・・「「「「みやぁー!!!!!」」」」
「うわっ!ちょっ、待っ、」
「やったぁ!」
「さすがみや!」
ちょっと、みんな少しは喜びを噛みしめさせて・・・
ってまぁいっか
みんなのこんな笑顔、久しぶりだから
「やったぞー!!!」
- 29.名無し募集中。。。:2010/06/13(日)
01:03:36.59 0
わーと沸き起こる歓声に大きな拍手の嵐
その一つ一つに感謝するように頭を下げて回るとベンチに戻ると
「お疲れさま」と梨沙子じゃなくてまぁがタオルをくれた
「あれ?梨沙子は?」
「みやならわかるでしょ」
「ははっ。まぁには敵わないや」
なんとなくあそこだろうなぁって検討はついてたこと、
まぁにはやっぱり見透かされてた
「今度は離しちゃダメだからね」
「え?」
「梨沙子のこと」
まぁはそう言って微笑むとうちの肩をぽんぽんと数回叩いた
「やっぱり敵わないなぁ…」
まぁのその微笑みに微笑み返したわけはこの時自分で自分の気持ちに確信を持てていたから
梨沙子の場所へ行く途中
うちの頭の中を過ったのは梨沙子との思い出だった
初めて会った日
部活に入ってくれた日
合宿
愛理と別れたとき…
いつもどこかで梨沙子を考えてる自分がいた
- 30.名無し募集中。。。:2010/06/13(日)
01:23:03.58 0
「やっぱりここにいた」
「…先輩」
鏡の前で涙顔の自分とにらめっこを繰り返してたあたしに
先輩はそっとタオルを差し出した
「どうして…」
「どうしてだろうねぇ~」
はぐらかすようにあたしから視線をそらしたかと思うと
今度はマジマジとあたしの顔を見つめた先輩
「目、赤くなってる」
「え…?」
先輩の手がすっと伸びてきたかと思うとあたしの目元に優しく触れた
訪れた沈黙と目を逸らせない先輩の大きな瞳
「せ…んぱい?」
「梨沙子…、うち…」
先輩の言いかけた言葉をさえぎるように賑やかになる廊下
そして先輩を探す色んな子達の声
- 36.名無し募集中。。。:2010/06/13(日)
11:51:27.36 0
「・・・今は落ち着いて言えそうにないね」
今は二人きりの場所
だけど近づいてくる声に少しため息が出た
自分より少しだけ高い梨沙子
でもシュンとしちゃうとちっちゃくなったように感じる梨沙子
もう少しだけ
5分・・・ううん!1分あれば伝えられたのかな
わかんないけど
梨沙子を引き寄せてギュッと抱きしめた
それはほんの一瞬
パッと離れるとキョトンとした赤い目の梨沙子
「また、後で・・・うち、梨沙子に大事な話があるから―」
そこまででうちの言葉は遮られた
- 47.名無し募集中。。。:2010/06/13(日) 22:19:07.16
0
先輩がみんなのもとに駆けていく背中を見送ってから
あたしはその場につい座り込んでしまった
先輩に抱きしめられた・・・
そんなこと、前にもあったけど
今までで一番あたしは心臓がバクバクしていると思う
「大事な話・・・」
なんなんだろ・・・まさか告白!?
なんて、そんなわけあるはずないだろうし・・・
- 59.名無し募集中。。。:2010/06/14(月)
14:18:21.00 0
「梨沙子ちゃん」
先輩のことを考えてたら急に誰かに名前を呼ばれた
びっくりして思わず飛び上がる
「あはは。そんなに驚かないでよ」
「あっ・・・めぐさん」
そこに立っていたのはめぐさんだった
試合中、敵チームにも関わらず夏焼先輩に激励を送ってくれた人だ
「あのっ、さっきはありがとうございました!」
「何が?」
「夏焼先輩に『いつまでも引きずるな』って言ってくれて・・・」
「あぁ・・・あれはただ、プレーがあまりにもみやらしくないからイライラして怒鳴っちゃっただけだよ」
そう言って少し照れくさそうに下を向くめぐさん
ふふっ。耳赤い
そんなこと言って、本当は優しい人だってことはもう分かってるもんねー
- 60.名無し募集中。。。:2010/06/14(月)
14:19:32.17 0
「めぐさん、こんなところでどうしたんですか?」
「んーちょっとね」
「?」
「それよりさ、これ」
めぐさんはジャージのポッケから紙を取り出すとあたしに渡した
「これ・・・」
「あたしの番号とアドレス。あとでメールしてよ」
「あっはい!」
深く考えずに返事したけど
めぐさんは夏焼先輩の大事なお友達だし、仲良くなれるのは単純に嬉しかった
あとでこのことを夏焼先輩に話そうと思っていたら
「みやには内緒だよ?」
「え?」
「二人だけの秘密ってことで。今度こっそりデートしよ?」
そう言ってめぐさんは仲間の元へ戻って行った
- 70.名無し募集中。。。:2010/06/14(月)
23:17:44.58 0
しばらくめぐさんに渡されたメモを眺めてみる
夏焼先輩には内緒?
どういう意味なんだろ?
とにかく、あとでメールだけ送ってみよっ
うん、と一人頷いてメモをポケットにしまった
「そういえば片付けまだだ!急がなきゃママに怒られちゃう!」
あたしは今更ながらに大事なことを思い出して体育館まで向かった
最終更新:2010年08月11日 01:16