- 143.名無し募集中。。。:2010/06/19(土)
03:29:11.28 0
「ふぅ~。よし、片づけるか」
可愛い可愛い梨沙子の背中を見送って途中だった片づけを進めた
会場はほとんど人がいなくなりメンバーのみんなも
「お疲れさま~」と帰っていく
あたしはその一人一人に「お疲れ様~」と返しながら両手に荷物を抱えた
少し重いかもって思ったけどあたしの力なら大丈夫か…なんて安心して
歩き出そうとしたらやっぱり重すぎて体少しふらついた
「わっ!」
「…っと」
ん?痛くない?
「熊井ちゃん!?」
振り返るとあたしの肩を持ち呆れた顔で熊井ちゃんがあたしを見下ろしていた
「こんなに両手いっぱいに荷物持って歩けるわけないじゃん」
「だってほらあたしって難い良いし大丈夫かなぁって」
そう言って笑ってるあたしに熊井ちゃんはため息を一つつき
片方の手に持ってた荷物を取った
「いくら難い良いって言ってもまあは女の子だから」
- 164.名無し募集中。。。:2010/06/20(日)
02:53:19.04 0
「それに…うちら…その…恋人なんだし…少しは頼ってよ…。まるでうちが頼りないみたいじゃん…」
恥ずかしそうに俯いた熊井ちゃん
その顔は照れながらも少し怒ってるようで
あたしは思わずクスクスと笑った
「ごめんごめん」
「なっ…!何で笑うの!」
顔を耳まで真っ赤に染めた熊井ちゃんの空いてるほうの腕に
自分の腕を絡めると熊井ちゃんをゆっくりと見上げた
「頼りにしてるよ、熊井ちゃん」
色仕掛けと言わんばかりに腕にしがみつき甘えたような口調で
そう呟いてみせると熊井ちゃんは顔をさらに真っ赤に染め目を逸らした
そして…
「それ…反則」
誰もいない体育館を静寂が包みこみ触れた唇からは熊井ちゃん体温が伝った
- 289.名無し募集中。。。:2010/06/23(水)
02:53:01.42 0
離れた唇からは小さく吐息が漏れ熊井ちゃんの真剣な眼差しに
あたしは目を逸らせないでいた
「…帰ろっか」
沈黙をやぶってそう切り出したあたしを熊井ちゃんはそっと抱きしめた
「熊井ちゃん?」
「…今日空いてる?」
「え?」
戸惑いを見せるあたしの体を離しじっとあたしを見つめ怒ったように頬を膨らませた熊井ちゃん
「勝ったらあのキスの責任取るって約束した」
「え、でも、それって…」
次の瞬間、もう一度あたしの唇に熊井ちゃんの唇が触れた
でも今度は今までは違う少し強引なキスで唇の隙間から何度も吐息が漏れた
- 361.名無し募集中。。。:2010/06/24(木)
23:41:04.50 0
「くま…い…ちゃ」
途切れ途切れになる声と上手く呼吸ができず
体も火照るように暑くなった
なにこれ…
頭がぼーっとする…
「…まっ…待って」
最後の力を振り絞るかのようにやっとこさ熊井ちゃんを突き放す
「まぁ」
「…わかった。わかったから…するならあたしの家でしよう…。今日両親共いなくて妹家に一人なの。
夕食の準備しなくちゃ…」
「…ごめん。なんかうちまぁの気持ちの考えに一人突っ走って…」
「熊井ちゃん…」
「今日は自分の家に帰るよ。送ってく」
熊井ちゃんは眉を下げた笑顔で申し訳なさそうに微笑むと
床に落ちた荷物を拾い始めた
その少し大きい背中にあたしはそっと抱きついた
「まぁ?」
「熊井ちゃん」
「ん?」
「呼んでみただけ」
「ふふっ、なにそれ」
呆れたように笑い振り向いた熊井ちゃんは優しく微笑み
首元に絡んだあたしの腕を軽く握った
…大好きだよ
そう心の中で呟きそっとキスをした
最終更新:2010年08月11日 01:37