- 464.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
21:40:50.21 0
「え…」
夏焼先輩…?
「あ、梨沙子ちゃん!」
あたしに気付いた誰かが近寄ってくるとその夏焼先輩らしき人と目が合った
最初は似た人だと思ってた
ううん…そう思いたかっただけかも…
「梨沙子…?」
昨日の今日なのに呑気に女の子達と騒いでる先輩に
あたしはなんだか無償にムカついてイライラして…
涙で視界がよく見えなくなった…
「すいません…。今日はもう帰ります」
「え、ちょっ梨沙子ちゃん」
カラオケ店から飛び出すとあたしはあてもなくただ走り続けた
- 465.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
21:53:21.54 0
出口へ向かう途中もうちの両手はずっと引っ張られっぱなしで
前にも後ろにも囲まれててはっきし言って歩きズライ
でも相変わらず適当に笑って流していると
うちの手を握ってた女の子がグイッと顔を近づけてきた
「ねぇ、このあと二人抜けちゃわない?」
耳元でそっと囁かれる
はぁ・・・こうゆうの困るんだよなぁ・・・
どう断ろうか考えてると、うちの耳に信じられない言葉が届いた
「あ、梨沙子ちゃん!」
一瞬同じ名前の子かなって思った
でも今思えば、うちは梨沙子を見つける天才だったのかもしれない
だって他にも人はたくさんいたのに
うちの目に映ったのは梨沙子だけだったんだから
- 467.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
22:04:25.29 0
梨沙子が出ていった先を茫然と見つめるしかないうち
そんなうちにさっきの女の子が手をぐいぐい引っ張ってくる
「さっきの子、誰?知ってる人?」
「・・・あ、・・・うん」
梨沙子はなんでこんなところに・・・?
というか誰と一緒にいた・・・?
-
- 469.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
22:14:48.33 0
「追いかけないの?」
梨沙子と一緒にいた主…
そう…めぐがうちに声をかけた
そして一瞬にしてうちはめぐに胸ぐらを掴まれ壁に押し付けられた
「キャー!ちょっと何すんの!」
周りにいた女の子たちがめぐに向かって叫んでるのは聞こえるけど
うちの目は真剣な眼差しでこっちを見つめるめぐのその瞳に捕らえられていた
「みやがあの子にマジだと思ったから手は出さないつもりでいたけど
みやにその気がないなら、あたし本気で奪いに行くよ」
本気ってなに…
ついこの間梨沙子に会ったばっかのめぐに梨沙子の何がわかるの…
梨沙子の笑った顔だって、泣いた顔だって、怒った顔だって、うちのほうがいっぱい見てきた…
それなのに本気ってなんだよ…
うちだって…
「うちだって、梨沙子にずっと前から本気だよ!」
掴まれてためぐの腕を振り払うとうちは梨沙子の後を追いかけた
- 470.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
22:24:22.21 0
―――なんでめぐと遊んでんの?
なんでうちの誘い断ってまでめぐと遊んでんの?ムカつく・・・
―――梨沙子に誤解されたかも・・・
変なところ見られた・・・どうしよう・・・
イライラと焦りが入り混じってワケがわからない感情が生まれる
走りながら吐きそうになる
捕まえて何言おうとか全然考えてない
ただ捕まえて誰よりも側に居たい
そればかりを考えていた
- 471.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
22:25:25.89 0
ばか、ばか、ばか・・・
先輩のばか!!
あたしはカラオケボックスを飛び出して大通りを走りぬけた
まわりはあたしが泣いているのを驚いたように見てくるけどそんなこと気にしない
なんで?
先輩は簡単に誰にでもキスして、ああやって色んな子と遊んだりできる人だったの?
もういやだ・・・あたしのことなんとも思ってないくせに・・・
『なんかつらいことあったら、すぐうちに言いな?』
『梨沙子はさ、笑ってた方が可愛い・・・ってうちは思います』
先輩と出会ったころに言われたことを思い出す
あんなこと言って好きにさせておいて・・・
こんなのひどいよ・・・
- 475.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
22:36:41.54 0
走り続けているとドン!って思いっきり誰かにぶつかった
ごめんなさい・・・そう言って行こうとしたけどその前に強い力で腕を掴まれた
「何こいつ。」
「ぶつかっといてごめんなさいの一言で終わりなの?」
やばい・・・ヤンキーの女の人だ・・・
しかも3、4人いる・・・
その人達はすぐにあたしの泣き顔に気付いた
「あれ?何コイツ泣いてんの?」
「あら~?アタシ達が慰めてあげましょうか~?」
一人の人があたしの肩に腕を回して顔を近づけてくる
逃げようにも囲まれて動けない・・・
どうしよう・・・・・
でもまぁいいかもな・・・・このままどうなっても・・・・
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- 476.名無し募集中。。。:2010/06/27(日)
22:43:30.47 0
「梨沙子っ!!!」
あたしが全てを諦めた時、当たり一体に響く大きな声
そして・・・
大好きな声・・・
「何やってんの!?」
そう言って近づいてくるとあたしの手首を力強く握る
「ちょ、あんた、いきなり何してくれてんだよ!?」
「アンタ、邪魔なんだよ!!」
そう言って先輩に詰め寄るヤンキーの人たち
「チッ、いちいちうるさいなぁ・・・うちはこの子に用事があんの!邪魔はそっち!」
なぜだか先輩は怖いヤンキーの人たちに向かって普通にキレ始めて、
“梨沙子、行くよ”と小声であたしに言うと、そのままあたしを引っ張るように走りだした
最終更新:2010年08月11日 02:53