- 404.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
20:45:48.74 0
みやが家を飛び出してった。
行き先は言わなかったけどたぶんりーちゃんのとこだと思う。
電話してたしね。
あんなに焦ったみやを見るのは久しぶりだった。
これはあたしの勘だけど、あの二人、進展したんじゃないかな?
だとしたら今日はもう戻って来ないかも。
さっきまでみやのことをギャーギャー話してたバスケ部の4人も
騒ぎ疲れたのかもうスヤスヤ眠ってる。
さっきえりかちゃんともおやすみの電話したしあたしもそろそろ寝たいけど
みやが帰ってくるならなんとなく起きてようかなって窓から空を眺めていた。
外はもう雨が上がって、星がちらほら見えている。
でも、やっぱ今日はもう帰ってこないよね。
あたしも寝ようっと。せっかくじゃんけんでベッド勝ち取れたことだし。
布団に潜って目を閉じた瞬間、耳元で携帯のバイブが鳴った。
- 405.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
20:47:04.55 0
みやを起こさないようになんとか腕を伸ばして枕元に置いてた携帯を手に取った。
小春先輩かちぃ先輩か、誰でもいいけど連絡しておこう。
忘れ物を届けてくれた夏焼先輩は、あたしの部屋で寝てしまいました。
そう送っとけば完璧でしょ!
なんとなく見た着信履歴。
そこになぜか愛理の名前があって、少し驚く。
そっか、さっきみや愛理の携帯からあたしにかけてきたんだもんね。
「・・・・・・・」
そういえば愛理は、みやが出てったの見てどう思ったのかな?
今頃部屋で何してるんだろう。寝てるのかな?バスケ部の中一人で平気かな?
そうだ、愛理にいつ本当のこと話そう・・・
愛理にだけはちゃんと話しておきたい。
大事な友達だから嘘はつきたくない。
色々考えてたら愛理のことがすごく気になり始めた。
気付けばあたしは愛理にメールを打っていた。
『起きてる?』
- 406.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
20:49:37.94 0
携帯を開くとメールはりーちゃんからだった。
びっくりしたけどすぐに返信をする。
『起きてるよー』
『そっかぁ』
『りーちゃん、今みやと一緒?』
『うん』
あ、やっぱり。
心の中でクスっと笑う。
『ゴメン、あたし今日色々あってみやんち泊まってる』
『愛理が謝ることないじゃん(笑)』
『みや今日りーちゃんち泊まるの?』
『そうかも。もう寝ちゃったから』
テンポよく続くメールのやり取り。
電話したくなったけど、みんな寝てるしここでは話せないな。
りーちゃんも同じことを思ったのか、次に来たメールはあたしの好奇心を燻ぶる内容だった。
『家、抜け出せる?』
- 407.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
20:52:48.63 0
そっとみやの腕から抜け出す。
ゴメンね、みやには怒ったくせにあたしは今から友達と会ってきます。
すぐ戻るねほんとゴメンね。
心の中で何度か呟いてそーっと親に見つからないように家を出た。
みやんちが近所でよかった。
愛理とはすぐに合流できた。
「よっす!」
「よーっす!」
ご近所さんの迷惑にならないように小声でよっす。
雨上がりだからか外はすごく涼しくて、星が綺麗に輝いている。
夜なのに全然怖くない。愛理が一緒だからかな?
「こんな時間に家抜け出したのはじめて」
「あたしもだよー。自分ちだったら絶対無理」
でもなんかワクワクするね、と八重歯を見せて笑う愛理。
あたしも頷いて一呼吸置くと、さっそく呼びだした目的を話した。
「・・・・・愛理にね、話したいことあって」
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- 408.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
21:08:09.15 0
ごめんね、明日でもよかったんだけどなんか早く話したくなったんだ。
そう伝えると愛理は優しく「うん」と言ってあたしの言葉を待ってくれた。
「・・・・先輩と付き合うことになりました」
思えばこうやって誰かに話すのは初めてだった。
ママには何も言わなくてもバレちゃったし。
自分で言っといてバカみたいだけど、改めて言葉にすると照れくさくて顔が熱くなってきた。
勇気を出して横を見ると愛理は優しく笑っていて
「そっかそっか」
優しい笑顔であたしの頭を撫でてくれた。
愛理と仲直りしたあの日と同じくらい嬉しく感じて、少し視界が揺れた。
「おめでとう」
そしてその言葉を言われた瞬間、自分でも分からないけど本気で涙が流れ落ちた。
たぶん、愛理がすごく優しかったから。
たくさん傷付けたのに、今こうして笑顔を向けてくれてるから。
純粋に嬉しかったんだと思う。
- 410.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
21:28:44.58 0
愛理はあたしの涙が止まるまでずっと頭を撫でてくれた
その手つきがみやのそれにすごく似ていて、自然と心が温かくなった
「みや、ちゃんとりーちゃんに言ったんだね」
「うん・・・言ってくれた・・・」
「あたしね、みやもりーちゃんも大好きだから」
「うん」
「りーちゃんのこと泣かしたらあたし、みやを泣かしちゃうんだから」
そう言って愛理は八重歯を見せながらにやりと笑ってくれた
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- 413.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
22:06:14.92 0
「でもよかった。りーちゃんの口から聞けて」
そうじゃないかなとは思ってたけど、噂とかで聞くのが一番嫌だもん。
誰よりも早くりーちゃん本人の口から聞けて嬉しかった。
なんか友情感じちゃった。
「・・・・あたしもよかった。愛理がいてくれて」
―ありがとう。
恥ずかしそうに下を向くりーちゃんだけど、まっすぐな言葉で感謝の気持ちを伝えてくれた。
多分、こういう所にみやも惹かれたんだと思う。
感情を隠したりできない、ある意味で子どもっぽくてある意味で大人っぽいりーちゃん。
あたしは自分の中に感情を抑え込んだりして、結局傷付いたしみやも傷付けちゃったからさ。
りーちゃんはいつだってまっすぐみやと向き合ってほしいな。
喧嘩できる関係ってイイ事だと思うし。
- 416.名無し募集中。。。:2010/07/26(月)
22:40:38.23 0
「あ、でもね?その、バスケ部のみんなにはその・・・」
まだみやとの関係が秘密のことを言おうとすると愛理は「わかってる」って言ってくれた
「秘密なんでしょ?」
「うん・・・」
「やっぱり恥ずかしい?」
「うーん・・・それもあるんだけど・・・なんか・・・」
と言いながら今日誰もいない部室でみやとキスをいっぱいしたことを思い出した
「キャプテンとマネージャーだもんね。みんなそういう話好きだから茶化されちゃうしね」
「みやはバレてもいいよって言ってたけど」
「みやは分かりやす過ぎるんだもん」
- 432.名無し募集中。。。:2010/07/27(火)
20:37:31.22 0
このまま話していたかったけど、時間が時間だしそろそろ戻ろうかってことになった
りーちゃんはうち来る?て言ってくれたけど
二人の空間を邪魔したくなかったしあたしはみやの部屋に帰ることにした
ま、それはそれで変なんだけどね
こっそりみやんちの玄関を開けて
音を立てないようにカギを閉めて
ソロリソロリと階段を上がって
みんなが熟睡してる部屋に戻って布団に潜った
完全に不法侵入だよね、ごめんなさい
みやを失って後悔したこともあったけど
おかげでまた一人、大事な存在が増えたから
あの頃の痛みは無駄なんかじゃないよね
年上の恋人がいる者同士また恋バナしよーね、りーちゃん
最終更新:2010年08月11日 04:51