98.名無し募集中。。。:2010/08/01(日) 16:05:10.77 0
 
それからの事はあまり覚えていない
初めての感覚と痛みと快感にただひたすら声をあげていた気がする
でもこれだけははっきり覚えてる
あたしが意識を手放す直前、みやが「だいすき」って言ってくれたこと

目が覚め時はもう外は明るかった
同じ布団の中でみやがスヤスヤ眠っていて
あれ?今までの夢だったのかな?なんて思ったけど
胸元に残った証と体の重みが現実だって教えてくれた
何より二人とも裸だったし・・・

あたし、みやとしたんだって思うと胸がいっぱいになった

重い体をなんとか起こしてみやの顔を覗き込む
初めてがみやでよかったな
そんなことを思ってるとみやの背中に赤い跡がたくさんついていることに気付いた

 

118.名無し募集中。。。:2010/08/02(月) 00:37:03.52 0

…あたしが付けちゃったんだろうなこの跡
そっと背中を撫でるとみやはそれに気付いて細く目を開けた

「…ん?あ、おはよう梨沙子」
「お、おはよう」
昨日の事を意識しちゃってみやの目線から逃げるように布団を被った
「えっ、梨沙子?まだどっか痛い?大丈夫?」
「だ、大丈夫っ」
みやがあせってあたしを覗き込んでくる
意識し始めるといろいろ思い出してきてどんどんみやの顔が見れなくなる

「梨沙子ぉ…」
みやが寂しそうな声であたしを呼ぶから少しだけ顔を出してみたら
すっごく嬉しそうな顔であたしの頭を撫でた
「よかった。うち嫌われちゃったかと思ったじゃん」
「…そんなはずないじゃん。もっと好きになったもん」
130.名無し募集中。。。:2010/08/02(月) 23:24:35.20 0

「うちも・・・もっと梨沙子のこと好きになった」
優しい笑顔であたしを見つめてくれるみや
そんなみやにつられてあたしも頬が緩んで自然と笑顔になる

「梨沙子、可愛い」
みやは目を細めてゆっくり顔を近づけてくる
あたしはそれを見て目を閉じると唇に温かい確かな感触

「梨沙子、キス慣れた?」
「そ、そ、そんなことないもん」
みやが悪戯っぽく笑うからあたしの顔は真っ赤になった
143.名無し募集中。。。:2010/08/03(火) 21:05:10.09 0

「て、てか早く服着て!」
「梨沙子もじゃん」

脱ぎ散らかした服を拾って慌てて着替え始める
夕べは暗いところでしてたからまだ大丈夫だったけど
こんな明るいところでお互い裸でいるのはさすがに恥ずかしかった

「みや、一回家帰る?」
「うーん・・・そうしよっかな制服ないし。シャワーも浴びたいし」
「あたしも浴びたい」
「いっぱい汗かいたもんねー」
「っ!うるさいなぁ・・・」

からかうようなみやの口調に思わず反抗してしまう
なんでみやはそんなに余裕なんだよぉー
もしかして慣れてる?
なんちゃって・・・

「んっ!」
「どした?」
「ちょっと腰が・・・」
144.名無し募集中。。。:2010/08/03(火) 21:23:23.46 0

「大丈夫?」
起き上がった瞬間腰がすごくだるくて力が抜けた
そんなあたしをみやが後ろから抱きしめて支えてくれる

「なんかダルい」
「ごめん、もっと優しくしてあげたら」
「みやのせいじゃないから」
とは言ったもののちょっと力が入らないからしばらくみやに体を預ける
みやはその間ずっとあたしの髪を優しく梳かしてくれていた
145.名無し募集中。。。:2010/08/03(火) 21:42:25.54 0

「家帰って準備できたらチャリで迎え来るね」
「みんないるのに、いいの?」

申し訳なさそうに梨沙子が振り向く
そうだ、そういえば小春達がうちの部屋で寝てるんだった

「いいよ。梨沙子を一人で歩かすの心配だし。一緒に学校いこ?」
「ありがと」

抱きしめてる腕を強くする
梨沙子がいて幸せだなーなんて朝から頬が緩む
そんなことを考えてたら梨沙子から唐突な言葉が届いた

「・・・あたし、ちゃんと爪切るね」
「・・・え?なに?」

訳が分からなくて聞き返す
爪?

「みやの背中、もう傷付けたくないから・・・」
147.名無し募集中。。。:2010/08/03(火) 21:50:25.31 0

「背中?」
何のこと?背中?って思っているといきなり梨沙子がうちの背中に触れる

「いぃっ!!」
「ご、ごめん!!」
少しひりひりして思わず声を上げてしまう

「あ、あれ・・・あ、あぁー・・・あはは」
一瞬なんでだろって思ったけどそういえばシてる最中に
梨沙子がうちの背中にずっとしがみついてくれていたのを思い出した

「ごめんなさい、みや」
「あはは、いいっていいって!」
149.名無し募集中。。。:2010/08/03(火) 22:04:59.78 0

シュンとしてる梨沙子の頭を撫でる

「梨沙子だけが痛い思いするの嫌だもん」

どうせなら痛みも一緒に共有したい
だからこれでよかったんだ

もちろん喜びも、悲しみも、悔しさも、楽しみも
これから全部梨沙子と一緒がいい
151.名無し募集中。。。:2010/08/03(火) 22:11:57.32 0

いったん家に戻るというみやを玄関で見送ってからまた部屋に戻ってベッドにダイブ
まだそこにはみやの匂いや温もりが残っていてそっと触れてみる

付き合ってこんなにも早く初体験をするなんて思ってもいなかった
あたし、大人になったんだよね・・・

「あー!!恥ずかしいよぉ!!」

そう思うとまた恥ずかしくなってきて誰もいないのに思わず布団の中にもぐりこんだ
156.名無し募集中。。。:2010/08/04(水) 02:08:36.47 0

「あぁ~梨沙子かわいかったなぁ~」
家までの帰り道さっきまでのことを思い出す
気を抜くと頬が緩んでしまう

「うわっ、みやキモっ」
「ぅえっ!?小春!」
家の前に着くとなぜか小春がいた
「どーせ誰かさんのことでも考えてたんでしょ。おー気持ちわるー」
ムカツク。小春に言われるのはなんか無性にムカツク
「みやそんなに睨むなよ~。仕方ないじゃんニヤニヤしててキモかっ・・・」
「うるさいっ」
「怖ぁー。みや怖ー」
「もういいよ。それよりみんなはまだ部屋にいんの?」
「いるよ。もうみんな起きて一応みやの帰り待ってるみたい」
「そーなんだ。で、小春は?」
「小春はもう帰ろうと思って出てきたらちょうどちょっとキモいみやと会った」
「あーそーですか!じゃあバイバイ」

小春の横を通り過ぎて家に入ろうとした時、背中をバシっと叩かれた
「・・・うっ」
「みや、なんかいいことあった?・・・じゃあまた学校で」
なんなんだよあの不敵な笑み
バレてんの?んなわけないよね、小春だし。いや、でも・・・
157.名無し募集中。。。:2010/08/04(水) 03:20:29.88 0

「みやー!おかえりー!」
・・・声でかっ。部屋のドアを開けると千奈美が元気良く出迎えてくれた
「みやどこ行ってたの?うちら起きたらみやいないしマジびっくりしたじゃん」
「いやいや、ちぃ達が勝手に寝てたんじゃん」
「えっ、そーなの?」
「・・・あのぉ~、先輩、その~」
千奈美と話してると後ろから千聖が申し訳なさそうに顔を出す
「あっ千聖ー!このやろー!」
「ひえー」
「・・・・・・なんてね」
「ホントすいませんでしたっ」
「いいよいいよ」
千聖が携帯壊さなかったら梨沙子とあんなこと出来なかったかもしれないしね

「ていうかみんな家帰んなくて大丈夫?」
「「あっ!やばっ」」
全員が急いで帰り支度を始めた

うちはみんなを眺めながらホントに濃い一夜だったななんて考えてた
色んなことがあって・・・でも、すごく幸せな時間だった
ふと愛理と目が合うと、お互いすごく自然な笑顔で
なんだか分からないけど梨沙子のおかげかなぁなんて思った

そして準備が終わったみんなを見送りに玄関へ
「お邪魔しましたぁ~。みや、また学校で~」
158.名無し募集中。。。:2010/08/04(水) 03:38:42.98 0

「さて、準備しますかー」
時計を見ると朝の5時半
朝シャンなんていつぶりだろ
なんて考えながらシャワーを済ませ髪を乾かしセットする

「あら、朝練のわりに早起きね」
洗面台で髪をとかしてるうちに起きてきたママが不思議そうしている
「ちょっとね」
そういってはぐらかし2階の自分の部屋に戻ると今度は制服へ着替え
朝練の準備
「タオル入れたし、着替えもOKっと…」

出来たの朝ご飯をちょっと豪快に頬張り歯磨きも済ませて家を出る
早起きしたならゆっくりすればってママが言うけど
今日は急がせてよ
だって愛しの梨沙子が待ってるからさ
自転車にまたがり今朝来た道を戻って梨沙子の家へ向かった
162.名無し募集中。。。:2010/08/04(水) 17:09:18.60 0

シャワーも浴びて制服にも着替えたしあとはみやからの連絡を待つだけ
さっきまで一緒にいたのに会えないちょっとの時間でもこんなに寂しくて
早く会いたくて心が躍っていた

「本当に…夢じゃないんだよね」
ベッドに残るみやの匂いと鮮明に頭に残ってる昨日の出来事
そして下半身に走るわずかな痛み
それが現実であることを物語っていてつい笑みがこぼれる
「へへ。みやまだかなぁ」

ベッドに寝転がり枕を抱きしめていると着信を知らせる音楽
「あ、みやだ」
慌てて携帯を取り耳に当てる
「もしもし」
「もしもし?窓の外見てみて」
言われた通りに窓のを開けて外を見ると自転車に跨ったみやと目が合った

「よっす」
「よっす」
「準備出来てる?」
「うん。今行く!」
バッグとか携帯とかいろいろなものを持ってお母さんに
「行ってきまーす!」を言うと家を出てみやのほうへ駆け寄った
169.名無し募集中。。。:2010/08/05(木) 02:30:07.96 0

何時間かぶりの再会なのに久しぶりに会ったような気がして
すごく嬉しくなった
あたしの顔をまじまじと見つめそっと髪の毛に触れるみやに
キスされるのかと思って目を瞑るとあたしの予想と反してみやはそっと髪を撫でただけ
「ほら、慌てるから髪乱れてる」
「あ…、ありがとう」

変なことを想像してしまった自分への恥ずかしさと
してくれなかった寂しさで俯いたあたしにみやは首を傾げた
「もしかしてキス期待してた?」
「え?」
驚いて顔をあげるとニヤニヤ笑ってるみやと目が合う
「わ~、梨沙子朝からえっち~」
「ち、違うもん!だってみやが…!」
言いかけた言葉を遮るように不意にみやに腕を引っ張られると
唇に柔らかい感触が伝わった
目の前には目を瞑った綺麗な顔のみやがいて一瞬時間が止まったかのような感覚になった
171.名無し募集中。。。:2010/08/05(木) 04:21:25.23 0

離れた唇に残る少しの体温を確かめるかようにあたしは自分の唇をそっとなぞった
「不意打ちとかずるい…」
「梨沙子が変なこと考えてるからでしょ~」
「むー…、違うもん!」
頬を膨らませたあたしにみやはクスっと笑うと自転車にまたがった

「ほら、早くしなきゃ遅刻する」
ポンポンと後ろの席を叩くみや
あたしはそれに促されるように後ろの席に座るとみやの腰に手を置いた
「え?」
「ん?」
「なんで腰に手回さないの?」
「え…、だってみや背中…」
「大丈夫だからちゃんと掴まって。…っていうか嫌なのかと思って地味に傷つくし…」
「え?」
「ううん、なんでもない。とにかく大丈夫だからちゃんと掴まって」
それでも罪悪感で腰に手を回すの躊躇うあたしの手をみやは掴むと
自分の腰へ回した

「さっ、行きますかー」
181.名無し募集中。。。:2010/08/06(金) 03:42:19.88 0

朝の風が頬をかすめみやの匂いが鼻をくすぐる
そんな些細なことでも嬉しくて顔がにやけてしまう
一生懸命自転車こぐみやの背中を見つめ
「大好き」
そう小さく呟いた

学校へ着いて部室に行くと案の定まだみんな来てなくて
「一番乗りだね」
みやはそう言って笑った
「ほんと。一番乗り」

部室の中にあるベンチに腰をかけたみやは両手をバッと広げた
「ん」
「え、でも誰か来たら…」
「来ないよ。まだ30分以上も余裕ある」
真っすぐにあたしを見つめるみやの胸にあたしはそっと飛び付いた
ふわっとみやのシャンプーの匂いが漂いあたしの中の変な想像を掻き立てる…

やだ…あたし何考えてるの…

抱きしめられているだけなのに昨日のことがフラッシュバックされて
あたしの心臓はうるさいほどに飛び跳ねてている
「みや…」
顔を上げると不思議そうな顔をしたみやと目が合う
「ん?」
5.名無し募集中。。。:2010/08/07(土) 02:26:10.72 0

「あたし…」
言いかけようとしたところで部室のドアが思いっきり開いて
慌ててみやの胸から離れた

「おっはよー!」
元気よく入ってきたのは徳永先輩と久住先輩
「っていうか、なんでみや怒ってんの?」
「別に」
「うっそだー!」
いつものテンションでみやの肘を小突いてからかう徳永先輩に
みやははいはいと言った感じでそれもいつもと変わらなくて…

それよりあたしさっきみやに…
キスしたい…
そう言いかけた
今思い出しただけでも恥ずかしくて変な気持ちを紛らわすために頭を横に振った

「りーさこちゃん?」
「…へ?」
「おはよ」
あたしの背後からひょこっと顔を出して挨拶をくれた久住先輩
「あ…、おはよう…ございます…」
「なんか梨沙子ちゃん顔赤くない?熱でもあるの?」
「いや…!あのそういうんじゃなくて…」
「あ、もしかしてうちとちぃが来る前みやにここでなんかされた?」
「ちがっ!」
6.名無し募集中。。。:2010/08/07(土) 03:05:21.35 0

「え!?そうなの!?」
徳永先輩も割って入ってきたと思ったらあたしの顔をマジマジと見つめてきた
「えっと…あの…」
「みやのくせに手早すぎるんじゃないの~?」
「いやいや。何もしてないし」
「ほんとに?ほんとに何もされてない?」
どう答えたらいいのかわからなくてしどろもどろになっているあたしに気付いてか
みやは二人の頭をペシっと叩くとあたしから引き離した

「ほーら。早く着替えなきゃまぁが来るよ」
「えー…。ってか今日熊井ちゃんいなくない?」
「確かに。いつも一番にいるのにね~」
話題が逸れたことにほっと胸をなでおろしていると離れた場所にいたみやと
ふと目が合い微笑みあった

「あたしも着替えよ」
自分のロッカーを開けてセーターに手をかける
すると後ろから徳永先輩の大きな声が聞こえびっくりして声のするほうへ振り返った
「みや!それどうしたの!?」
26.名無し募集中。。。:2010/08/08(日) 02:14:26.23 0

「え?あっ…」
みやがあたしの方見て明らかにヤバイって顔してる
「大丈夫?なんかにかぶれたとか?」
…って徳永先輩普通に心配してるし
「あっそう、多分。ちょっと痛いんだよね」
「えっマジ大丈夫?
あっそうだ梨沙子、マネージャーとしてみやの背中になんか薬塗ってやってよ」
「えっ…いいですけど」
「じゃあうちらはとっとと着替えて外出よ、小春」
「別にいいじゃーん。みやが梨沙子ちゃんにデレデレしてるとこ見たいし」
「何言ってんの、小春。さっさと出るよ」
久住先輩の腕を引っ張りながら部室を出て行く徳永先輩

再び二人きりになった部室でベンチに腰掛ける
「…ねぇみや、もしかして久住先輩あたし達の事気付いてる?」
「んー、小春は気付いてるかも」
「徳永先輩も?」
「いや、千奈美は気付いてないんじゃないかな。バカだから」
「ふふ、みやひどーい。でも二人きりにしてくれたし…」
「それはたぶん、うちが梨沙子のこと好きなのは知ってるから
千奈美なりに気を使ってくれたんじゃないかな」
「そーなんだ。じゃあ付き合ってるのは気付いてないのかな」
「たぶんね。千奈美バカだから」
「だから、みやひどいー。みやもバカなくせにっ」
「あっ言ったなー、梨沙子ぉー」
45.名無し募集中。。。:2010/08/09(月) 00:35:46.96 0

二人でベンチに座り笑い合う
こんな些細なことでも幸せだと感じるのはみやがいるからかな
みやがいるから今のあたしはすごく幸せって想えるのかな
きっとそうだよね

「それよりさ…、さっき何言おうとしてた?」
「さっき?」
「ちぃと小春が来る前」
「あっ…と、えっと…」
さっきは恥ずかしがらず言えるような気がしたけど
今となっちゃ恥ずかしすぎて口に上手く出せそうになくてしどろもどろになる

「ん?」
「…キス…したいって…」
「ちゃんと顔見て言って梨沙子」
顔を上げると真剣な眼差しのみやと目が合う
それだけでも恥ずかしいのにみやはその先をもう一度言わせようとする…
「…キス…したい」
その瞬間唇に柔らかいものが触れた
46.名無し募集中。。。:2010/08/09(月) 00:56:44.94 0

重ねるだけの優しいキス
みやの気持ちが伝わってくるような口づけに心が温かくなる

「さぁ、みんな来るから」
「うん」
みやはあたしをそっと離すと何事もなかったように準備を始める
あたしもそれにならって練習の用意

「うち、先行っとくね」
「あ、う、うん」
そう言って出て行ったみやの背中を見送ると
あたしは力が抜けたかのようにベンチに座り込んだ
58.名無し募集中。。。:2010/08/09(月) 20:31:13.54 O

乱暴に扉を開け、まだ誰もいない体育館の隅に大の字に寝転がる。

「あれはやばいっしょ・・・」

さっきの梨沙子を思い出して顔を両手で覆う。
キスしてってあんな恥ずかしそうに言うとか可愛いすぎだよ・・・
反則だって・・・
まぁうちが無理矢理言わせたようなもんだけどさ・・・

あーそれにしてもやばかった。
冷静なフリ、ちゃんと出来たかな?
顔が熱くて溶けそうだよ。

「・・・好きだなぁ」

寝転んだまま、手のひらを天井に掲げて呟く。
これからもこの手で梨沙子に触れ、梨沙子を守っていくんだと思うと
胸がなんだか高鳴る。

離したくない。
59.名無し募集中。。。:2010/08/09(月) 20:53:03.27 0

「梨沙子、おはよ」

ベンチに座ってボーっと唇に指で触れているとママが中に入ってきた
「ママ!お、おはよ!」
「今日は随分早かったんだね」
「あ、うん、ちょっと・・・その・・・早く目が覚めたから」
「そう」
「・・・うん」

ママはあたしの顔をじーっと見たかと思うとにこっと笑ってロッカーに向かった

な、なんだろ?
なんか気付いちゃったのかな・・・?
べ、別にママはみやとのことも知ってるし・・・

でも、その・・・そういうこと・・・したってママにバレるとちょっと恥ずかしいかも・・・
68.名無し募集中。。。:2010/08/10(火) 11:05:48.53 O

「ねぇ梨沙子?」
「うん?」

ママは突然振り向くと真剣な顔であたしを見た。
そして、さっき入ってきた小春先輩たちに聞こえないような小さな声で

「キスはいいけどそれ以上はまだママ許しませんよ?梨沙子まだ中学生なんだから。
みやが襲ってきたらひっぱたいて逃げなさい」

そう言ってニコっと笑った。
目は笑ってないけど。
思わずあたしは「はい」と返事をした。

・・・ママにほんとのこと言ったら怒られちゃうね。
あたしよりも、多分みやが。
・・・シたことは高校生になるまで黙っとこ。
117.名無し募集中。。。:2010/08/13(金) 02:47:24.84 0

「ねぇ、ママ」
「ん?」
「やっぱ中学生ってまだ子供なのかな…」
ジャージを羽織りながらボソっとそう呟く梨沙子
いつもとは少し違う切なそうな顔
「なんでそんなこと聞くの?」
「だって…、キスより先はまだ早い…?」
そう言ったきり何も言わない梨沙子にあたしはクスっと笑うとそっと梨沙子の頭を撫でた
「梨沙子が決めた相手ならいいんじゃない?」
「え?」
「ってかそういうことしたの?」
「い、いや!そういうわけじゃないんだけど!ほ、ほら!周りの子とかもそういう話してるから…!」
明らかに顔を真っ赤にして慌てて否定する梨沙子
一瞬みやを殴る構図が頭を過ったけどそれを上手く脳内で握りつぶした
「で、でもね…」
「ん?」
「みんなの話聞いててわかるの…。好きな人とだから嬉しいとか…幸せとか」
ちょっと前のあたしにもわからなかったその幸せの意味
遠くでみんなと着替えている熊井ちゃんにふと目線が行った
「そうだよね…。好きな人とだから嬉しいよね…」
「ママ?」
「梨沙子!許可する!」
「え!?」
「いや…、でもやっぱなぁ…」
「え!?どっち!?」
あたしは梨沙子の頭をポンポンと数回叩いた
「なんかあったらいつでも言いな」
「…うん!」

最終更新:2010年08月22日 21:00