56. 名無し募集中。。。 2009/07/03(金) 13:09:40.81 O
りーちゃんと別れてでもやっぱり涙は自然と出てきて…
一本路地に入って涙を拭う
これはりーちゃんのことが認められないからじゃない
りーちゃんが本当のことを言ってくれて嬉しいからだ…

そんなときふと周りに目をやるとなんとそこはいわゆる…ラブホテル街って言われるところで

「不味いところ来ちゃった」
慌てて来た道を戻ろうとしたとき目の前のホテルからよく知っている人が出てくる

「え、えりかちゃん…?」
90. 名無し募集中。。。 2009/07/04(土) 02:56:07.18 0
「なんでホテルから…」
色んなことが頭をグルグル回ってて混乱している私の肩を誰かが叩いた
振り向くとそこにはスーツを着た知らない人…

「こんなとこで何やってるの?」
「あの…間違って来ちゃって…すいません!」
慌てて逃げようとした私の手をその人はぎゅっと掴んだ
「ちょっと待って。お金欲しくない?」
「いらないです!」
そう振り払おうとしても大人の力に勝てるわけもなくて…
どんどんその人はホテルへと私を引きずり込もうとしていた

「あの!この子、私の連れなんで失礼します!」
私の腕を掴んで走っていく背中
どこかで見たことのある背中
93. 名無し募集中。。。 2009/07/04(土) 03:08:42.54 0
しばらく走るとお互い手を離して荒くなった呼吸を落ち着かせた
「あんなとこで…はぁはぁ…なにやってたの?」
「間違って入っちゃって…そしたら…」
「私が来てなかったら危なかったんだよ!」
「ごめんなさい…清水さんが来てくれてなかったら私…」
「スタジオ戻る途中で愛理ちゃんが見えたから…。でも本当に良かった」
私の頭に優しく手が触れた
撫でてくれている手からは心地いいくらいの温もりが伝わってきて
なぜだかわからないけど私は涙を流していた

「え、え、なんで?なんで泣いてるの?ごめんね!きつい言い方だったよね!?」
「違うんです…。安心したら涙が出てきちゃって…」
涙を拭いながら清水さんに笑顔を向ける
次の瞬間、私の顔は清水さんの胸に埋まっていた
108. 名無し募集中。。。 2009/07/04(土) 11:29:09.27 0
愛理ちゃんが自分の胸の中に飛び込んできたとき
私は胸が熱くなった、まさか自分に愛理ちゃんが甘えてくるとは思わなかったから心拍数が上がって体がカチンコチン
こういうとき恋愛経験の薄い私はどうしたらいいか分からない
でもこれは私のことが好きだからそうしたわけじゃないってことは分かる

けど、私は無性に愛理ちゃんが愛しくて抱きしめたくなったから包み込むように腕を愛理ちゃんの体を絞めていた
愛理ちゃんが腕の中で身を強張らせるのが分かった

「清水さん?」

愛理ちゃんの顔が目の前で私の見つめている
その綺麗な瞳に私は吸い込まれそう・・・
次の瞬間私は愛理ちゃんの唇を奪っていた
驚いた顔で私の顔を見つめる愛理ちゃん
唇を離すと愛理ちゃんは言った

「駄目・・・辞めて清水さん・・・私は・・・」

その先の言葉を私は言わせたくなかった
愛理ちゃんは好きなのはみやだ、だけど・・・
109. 名無し募集中。。。 2009/07/04(土) 11:34:37.42 0
「私、愛理ちゃんのことが好きなんだ。この気持ちはもう抑えられない」

私は等々自分の胸の内を打ち明けた
もうこの気持ちは隠せない、たとえ片思いなのだとしても・・・

「ごめんなさい清水さん、その気持ちは嬉しいですけど・・・あたし清水さんをそういう目で見れない」

心のどこかで分かってた、そう言われるってこと・・・ふられるってこと
110. 名無し募集中。。。 2009/07/04(土) 11:44:44.32 0
「愛理ちゃん・・・まだみやのことが好きなんだね」

そう言うと愛理ちゃんはコクンとうなずく
愛理ちゃんの心の中に私はいない、愛理ちゃんの心の中にいるのはみやだ
みやには敵わない・・・初めから分かってたはずなのに何故涙が出てくるんだろう?

「泣かないでください・・・泣かれるとあたしも辛いです・・・あなたは良い人だけど・・・あたし夏焼先輩以上に誰かを好きになれそうない」

良い人・・・愛理ちゃんにとって私は優しい良い人・・・恋人にはなれない
良い人って言われるのがこんなに辛いなんて、胸がズッシリと重たくなる
111. 名無し募集中。。。 2009/07/04(土) 11:56:01.37 0
「ごめんね好きになったりなんかして・・・」

そう言ったつもりだけど・・・ちゃんと言葉になってたかな?
涙でグシャグシャで鼻水交じりの震えてる声じゃ愛理ちゃんには届かなかったかも・・・
愛理ちゃんはポケットからハンカチを取り出すと私の涙で濡れた顔を拭いてくれた
こんなときでも君は優しい・・・でも優しくされると辛くなる

私は別れの挨拶も告げず愛理ちゃんから走り去る
振り返っちゃいけない・・・ただ愛理ちゃんの幸せを願いました
自分はどうなってもいい・・・愛理ちゃんが幸せになるなら
112. 名無し募集中。。。 2009/07/04(土) 12:18:25.17 0
それから私は帰り部屋で泣いた
たかが初恋・・・されど初恋・・・ショックはでかくて涙が止まらない

そして初めて自分はみやが憎いと思った
たとえ、みやに好意がなくても愛理ちゃんの心を掴んで離さないみやが憎い
良い人・・・私は今まで良い人を演じてきたのかもね
Buono!のキャプテンとして、みやや熊井ちゃんをまとめあげるためにそうしていた
キャプテンとして自分の考えや気持ちをある程度押し殺してBuono!を活動させてきた
自分の身の程は知っている、自分にはみやや熊井ちゃんのような美貌やカリスマ性はない
だから、せめてキャプテンとしてまとめ役になるのが自分だと思ってた
みやや熊井ちゃんは女の子にもてて女遊びも派手で振り回された・・・今まで我慢してきたけどもう駄目かも

いつも自分は脇役で、みやが主役だった・・・
スポットライトが当たるのはみやで、私は日陰の存在でした
私は何でもみやに敵わない?今まで良い人を演じてきたけどもう辞めたい
恋ではみやに敵わなかったけど・・・みやを超えたい
みやより大物になりたい・・・そんな向上心がないと今の自分が潰れてしまそう

私はケータイを電話をかけた・・・

「寺田さん、この前の話覚えていますか?」

私のもう決意は決まっていた・・・

「HIGH-KINGへの移籍の件、返事はOKです」
最終更新:2009年09月09日 23:30