201. 名無し募集中。。。 2009/07/05(日) 16:51:05.52 0
「キャプどうしちゃったんだろう?いきなりHIGH-KINGに移籍するとか言い出して」

今まで苦楽を共にしてきたキャプテンの決断が雅には分からなかった

「何かあったのかな?」

雅は皆バラバラになっていくような気がして不安になる
そんな雅の背中を見つめながら梨沙子は歩く
梨沙子は思った意気消沈する夏焼先輩を放っておけない
何か自分に出来ることはないかと自分が夏焼先輩を支えてやれないかと梨沙子は思った
そう思うと自然と梨沙子は後ろから雅の背中を抱きしめていた

「梨沙子・・・」

雅は梨沙子の温もりを背中に感じて振り返り真っ直ぐ自分を見つめる梨沙子を見ると
例え皆バラバラになっていくのだとしても、梨沙子とだけは離れたくないと深く思った

自転車を放って雅は梨沙子を抱きしめた
梨沙子も雅に抱きしめられて嬉しくなる
相思相愛の2人には言葉はいらなかった
そのまま深く確かめ合うように2人は身を抱きしめあった
203. 名無し募集中。。。 2009/07/05(日) 17:13:06.22 0
それから2人は身を寄せ合って家路を歩いた
梨沙子は雅の横から抱きしめて、雅はそのまま自転車を押す
このまま、こういう時間がずっと続けばいいのにと2人は思っていた
でも時間は止まらない・・・気付くと雅が暮らすマンションまで近づいていた

このまま今日は別れちゃうの?梨沙子は雅と離れたくなくてそう思った
もうすぐ先輩の家まで着いちゃう・・・このまま夢のような時間が終わることを梨沙子は恐れた
けど、自分も家に帰らないとパパとママに怒られちゃう門限は厳しい
マンションの前まで着くと雅は言った

「今日は送ってもらってありがとう」

「はい・・・こちらこそ楽しかったです」

そういう会話をしたけど2人の表情や空気は微妙だった
2人ともこのまま別れたくないと思っているから

「じゃあ、また明日・・・」

「うん、また明日・・・」
204. 名無し募集中。。。 2009/07/05(日) 17:20:01.79 0
そう言ったものの2人の態度は言葉と裏腹に硬い

「じゃあ帰りますね」

「うん・・・」

梨沙子は笑顔でそう言い雅に背を向けて歩くがその足取りは遅い
引き止めてほしい・・・梨沙子は内心そう思っていた
雅もこのまま帰したくない・・・そう思った
帰る梨沙子の姿が離れていく呼び止めないと行っちゃう

梨沙子も梨沙子で引き止めてくれないものかと後ろチラチラ見て気にする

「待って!」

雅は梨沙子を呼び止めた
待ってましたと梨沙子は嬉しくて笑顔で振り返る
期待していたから

「良かったらうちに上がってかない?」
207. 名無し募集中。。。 2009/07/05(日) 17:28:30.61 0
「そんなお邪魔して良いんですか夏焼先輩?」

梨沙子は心とは裏腹の質問をした
しかし梨沙子の心は決まっていた・・・このまま先輩の部屋に行きたい・・・

「いいよ・・・それにみやって呼んで2人きりのときは・・・」

「みや・・・」

雅が梨沙子に手を差し出す、その手を梨沙子が握ると手を繋いだままマンションの中に入っていった

このまま帰りたくない・・・朝まで2人っきりでいたいと2人は思い
その思いは言葉がなくてもお互いに伝わっていた

梨沙子は思った・・・本当は門限があるのこのまま家に帰らなかったらパパとママに怒られる
でも怒られたってかまわない・・・このまま、みやと一緒にいたい・・・
最終更新:2009年07月05日 20:24