- 312. 名無し募集中。。。 2009/07/06(月) 23:24:01.13 0
- 私は店を出て当てもなく走り続けた
ついたのは小さい頃よく遊んだ川の土手
そこの土手に崩れ落ちるように寝転がるとオレンジ色に染まった空を見上げながら荒くなった息を整える
「…っグス…」
いつしか空は涙でぼやけて見えなくなった…
「キャプテン?」
急に頭上から名前を呼ばれ私はハッと起き上がった
「え?」
「やっぱり!キャプテンでしょ!?」
「ちぃ?」
「そうだよ!千奈美だよ!久しぶり!」
そこには小さい頃よくこの土手で一緒に遊んだ千奈美の姿があった
「何してたの?こんなとこで」
「うん…ちょっとね…」
千奈美は私の横に腰を下ろすと困ったような顔で私の顔を覗きこんだ
千奈美は小さい頃から私のことをずっとキャプテンって呼んでた
それが慣れちゃってみんなからキャプテン、キャプって言われることに抵抗なくすんなり受け入れることができたんだ
「キャプテン泣いてた?」
赤くなった私の目に気づいた千奈美はそっと私の目へと触れた
- 344. 名無し募集中。。。 2009/07/07(火) 22:54:55.93 0
- 「泣いてた、かも。」
「かもって何さ」
昔と変わらない笑顔で笑う千奈美。私は小さい頃からこの笑顔に何度も励まされてきた。
落ち込んでる友達を前にして気の利いた言葉なんてかけれない奴だけど。
たまに空気読めないし、不器用な奴だけど。
千奈美はどんな時も笑顔で、勇気や元気をみんなに与えてくれる。そんな奴。
「バンドのメンバーと喧嘩したとか?」
「千奈美にしては鋭い」
「一言余計だけど…まぁいいや。なんで喧嘩したの?」
「んー・・・あたしが怒らすようなことしたから…かな?」
「へー、キャプテンが珍しいね。どうせみやがバカやったりしたのかと思ったよ。」
「みやねー・・・。私、明日無事に帰れるかしら」
おそらく明日、もう一回ちゃんとメンバーと話し合うことになるだろう。
当たり前だけど二人は納得してなかったし。
私もちゃんとまだ理由を話していない。
果たして穏便に話し合うことは出来るのだろうか。
でもまぁ怒られても仕方ないか…。
みやと熊井ちゃんも梨沙子ちゃんのことで最近ピリピリしてたし…
取っ組み合いの喧嘩でも始らなきゃいいんだけど…
「明日が修羅場だー!」
「しゅらばっくれるなー!」
つまらないダジャレを言う千奈美を無視して、川に向かって叫び続けた。
最終更新:2009年07月08日 00:11