445. 名無し募集中。。。 2009/07/09(木) 23:55:27.97 0
昨日の今日でなんだか今日は学校に行く気がしなくてお母さんに「お腹痛い」と嘘をついて学校を休んだ
ベッドに寝転がって天井ばかりを見つめていた
Buono!のこと、HIGH-KINGのこと、そして…愛理ちゃんのこと
色んなことが頭を巡って私を悩ませる…
「はぁ…」
小さなため息をつき布団を頭の上まで被った
〜〜〜♪〜〜〜♪
携帯の着メロがメールを受信したことを知らせている
枕元にある携帯をめんどくさそうに手にとってメールBOXを開きメールを確認した
「千奈美だ…」

【題名:ごめん!  本文:キャプテン今日会えない?話したいことがあるの!急用!】

「急用って…千奈美が急用!って呼び出して急用だったことなんて一度だってないじゃん…」
私はぶつぶつ言いながらもそのメールに返信した

【題名:Re:ごめん!  本文:いいよ。ライブハウスのマスターに挨拶したいからライブハウスで】

それだけ送るとまた布団を頭まで被った
すると10秒も経たないうちにまたメール受信の着メロ
「返信早っ」
千奈美だと思ってメールBOX開くと今度は熊井ちゃんから…

【題名:無題  本文:今日8時にいつもの喫茶店でみやと3人で話し合おう。このままじゃダメだと思うから…】

確かにこのままっていうのも何かモヤモヤする…
2人と話し合ってちゃんと決めなきゃいけないこと…
私はそれに「わかった」とだけ返信する
千奈美とは17時の待ち合わせ…そんなに遅くないだろう
そう思ってたのに…
448. 名無し募集中。。。 2009/07/10(金) 01:51:38.79 0
待ち合わせの17時前に今までお世話になったマスターにHIGH-KINGのことを話しに
そしてお礼を言いに向かった
「今までありがとうございました」
そういって頭を下げると今まで使用していたギターを手に取り何となくだけど曲を引いた
今までBuono!で歌っていた曲とは違う
今、即興でつけた歌詞に乗せて

形のないものばかり欲しがって寂しくなった
日常を追うのが精一杯で  そこに咲く花  見落としてた
僕らはどこへ向かうの
自分らしさにこだわり過ぎるほど小さくなった
幼い頃みた夢の話いまも心の奥にしまってある
夜空見上げて  君を事を想って歌うよ

「それなんて曲?」
ドアが開き千奈美が顔を覗かせた
「まだ決まってない。即興だもん」
「えーすごーい!じゃあうちに題名つけさせてよ!」
「ちゃんと仕上がったならね」
「やったー!」
千奈美は嬉しそうに両手を上げると私に抱きついた
502. 名無し募集中。。。 2009/07/11(土) 03:31:26.37 0
「もうそうやってすぐ抱きつく癖やめてよ」
キャプテンは嫌そうな顔でうちの腕を離すと背中を向けた
この背中見るのどれくらいぶりだろう
小さい頃からいつも一緒にいて
ずっとずっと一緒にいて
すっごい大切で大好きだった人なのに
「好き」って言葉がどうしても言えなくて…
いつも強がってキャプテン怒らせてたよね…
今更だけど…

「ごめんね、キャプテン」
「なに急にw千奈美が謝るなんて変なの」
「ねぇキャプテン。あの曲また歌って」
さっきまでの笑顔が消えて悲しそうにそう笑った千奈美
「うん。わかった。いいよ」
キャプテンはギターを手に取りに曲を奏でる

言葉にしたらこわれそうで恐くて
いつもふざけあうことしかできなかった
あの時  僕に少しだけ勇気があれば
運命は変わっていたのかな


気づいたらうちの頬を涙が伝っていた…
503. 名無し募集中。。。 2009/07/11(土) 03:38:54.05 0
「好き」って言葉を口にしたらキャプテンとの関係がこわれそうで恐くて…
だからいつもふざけてキャプテン怒らせて…
そしたらいつの間にかキャプテンとの距離は離れてた…
あの時、好きって言ったら運命変わってたのかな…

「え、ちょ千奈美、何泣いてんの!?」
キャプテンはぎょっとした顔でうちを見ると涙を拭ってくれた
「ごめっ…何泣いてんだろ…」
心配かけたくなくて一生懸命に笑顔作ったのにやっぱキャプテンに見透かされてて
「バカ。何強がってんの。泣きたいときは泣いたほうがいいよ」
そうやって優しい言葉をかけてくれる…

でも優しくされるともっと辛い…
キャプテンが愛理ちゃんを好きなのはみやから聞いて知ってる
だから優しくされると余計に涙が出ちゃうんだ…

「好きじゃないなら優しくしないで…」
「え?」
「千奈美のこと好きじゃないなら優しくしないでって言ったの!」
やけくそにそう叫んだ
561. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 15:07:57.21 0
「何言ってんの?好きに決まってるじゃん。友達なんだし」
お決まりの友達だから…
そういう好きがうちは欲しいんじゃない…
「友達としてじゃなくて好き?」
「何言ってんの…?」
キャプテンは困った顔でうちを見つめてる
「千奈美、キャプテンのことずっと…」
言いかけた言葉を遮ってキャプテンは立ち上がった
「ごめん…私千奈美のことそんな風に見たことない…。今でも仲の良い幼馴染としてか見れないよ…」
キャプテンが泣きそうになっているのが見えてうちはまた笑顔を作る
そうするとキャプテンはきっと笑ってくれる
でも…今回は違った
キャプテンはうちの顔を一切見ようとせずに俯いてるだけ…
「ごめんごめん。今のは忘れて。あ!うち用事あったんだ!じゃあまたね!」
キャプテンが引き止めてくれるのを期待してちょっと振り返りながら走ったけど
キャプテンはずっと下を向いたまま何も言ってくれなかった…

ライブハウスを出て涙を拭いながら走り出すと誰かにぶつかった
「いてっ!」
「いったぁ〜い」
しりもちをついてるその人に「ごめんなさい!大丈夫ですか」って手を差し伸べる
顔を見ると見たことがある
「あ…」
「千奈美ちゃんだよね?久しぶりだね」
このときうちの中でこの物語に嵐が吹き荒れる…
そんな気がしていた
最終更新:2009年07月15日 23:10