- 477. 名無し募集中。。。 2009/07/10(金) 22:13:17.51 0
- 次の日、中島早貴は気だるい体をおして学校に登校していた
だけど心は晴れ晴れととても幸せだった
熊井ちゃんにいっぱい愛されて身体が心地良い疲れで満たされ心もみなぎっている
まるでエネルギーを熊井ちゃんから貰ったみたい
学校にいるときも常に内心ウキウキしていた
でも、だからといって周りの皆にそれを悟られたくない
女の子は気持ちの切り替えも早い、中島早貴も例外ではない
すぐに学校に着いた途端、生徒会長の顔に切り替える
そうして普段通り真面目な生徒会長として周りの皆と接する
その表の顔が仮面だとしても、大抵皆気付かない中島早貴の女の顔に・・・ましてや熊井友理奈と恋人関係だとは誰も思わない
感づいてる者はいないはずだった・・・1人の例外を除いて
「なっきぃーいつもと感じ違うね」
福生徒会長の有原栞菜にそう言われたとき早貴はドキッとした
お昼時間に生徒会室で昼食をとっていたとき栞菜にそう聞かれた
何を言い出すの急に?早貴は内心焦ったがいつもと変わらない態度と笑顔で返事をした
「えぇー?栞菜違うって何が?」
「上手く言えないけど最近のなっきぃー雰囲気が変わったよ」
「どんな風に?」
「どんな風にって、うーん・・・難しいけど何というか最近のなっきぃー妙に色っぽい」
「色っぽい?」
- 478. 名無し募集中。。。 2009/07/10(金) 22:15:20.52 0
- 早貴自身は自分は何も変わってないと思い込んでいた
しかし栞菜の目にはそう映っていなかった
「なっきぃー仕草とか表情とか女っぽくなったよ、そう感じるよ」
早貴は思った自分でも気付かないうちに無自覚にそういう雰囲気を出していたのかな?と
恋をすると女は綺麗になると言うけれど・・・
「そんなぁー栞菜!!女っぽくなったて!!それじゃ前の私は女っぽくなかったの?」
「そういうわけじゃないけど!そりゃ前もなっきぃー女っぽかったよ!!でもね最近特になっきぃーが綺麗な気がする」
早貴は上手く言い訳したくて逃げたしたくなった
早貴は知ってる栞菜は勘が鋭い、人の微妙な違いを見逃さない
それは誰に教えられたわけでもなく栞菜の独特の嗅覚や鋭い感性が人を見抜く
だからこそ早貴は栞菜が隅に置けない、栞菜のこういうところが苦手だった
もちろん早貴にとって栞菜は友達、でも勘が鋭いのがたまにキズ
「そんなの栞菜の気のせいだよ」
早貴はとにかく笑って誤魔化そうとするけど栞菜はそれを許さなかった
「なっきぃーじっとしてて・・・」
「ちょっと何するの?栞菜!?キャッ!!・・・」
- 479. 名無し募集中。。。 2009/07/10(金) 22:17:13.32 0
- 栞菜は早貴の肩を両手で掴むと顔を近づけて早貴の髪や首筋に鼻を寄せて匂いを嗅いだ
早貴はそれがくすぐったくて身を強張らせる
数秒匂いを嗅ぐと顔を離してこう言った
「なっきぃーいつもと匂いが違う、石鹸やシャンプー変えた?それとも・・・」
早貴はギクリとした、昨夜熊井ちゃんとHした後にバスルームを借りたことを思い出した
そして、その時に熊井ちゃんの石鹸やシャンプーを借りて自分の身体を洗った・・・
その石鹸やシャンプーは自分の家で使っているものとは違うもの、もちろん香りも違う
「恋をしているの?もしかして恋人でも出来たの?」
栞菜はニヤッと笑ってサラッとそう聞いてくる
図星だった、栞菜には敵わない
早貴を見つめるその大きな瞳はまるで全てを見抜いてるかのようで・・・
見透かされている?いいえ、そんなわけない!
「・・・」
図星過ぎて早貴は何も言い返せなかった
このまま栞菜に問い詰められたら熊井ちゃんとの関係を白状してしまいそうな自分が怖かった
でも言えない!ばれちゃ駄目なの!!早貴は頑なにそう思った
- 485. 名無し募集中。。。 2009/07/10(金) 23:07:01.73 0
- 「ねえ教えてよ、なっきぃー!!良いでしょ?」
「・・・」
早貴の困惑した顔を見た栞菜はハッとして問い詰めるの辞めた
「ごめんね・・・なっきぃー無理に聞いちゃってあたしが悪かったよ」
「謝らなくていいよ・・・私も悪い今まで黙っててごめん」
すぐに言えないことなんだと栞菜は思った
早貴は生徒会長である、この学園を管理する責任ある立場なんだ
だから生徒会長にはイメージや信用や体裁が大事
この学園では話題はすぐに広まる、その話題の内容によっては生徒達から白い目で見られる可能性もある
「あたし配慮が足りなかった、なっきぃー生徒会長だもんね言えないこともあるよね」
「ごめん栞菜まだ言えないかも・・・」
「でも言いたくなったらあたしに言ってね!大丈夫!誰にも言わないから」
「ホントに?」
「もちろんだよ」
- 486. 名無し募集中。。。 2009/07/10(金) 23:21:13.30 0
- 誰にも言わないからと栞菜は言った・・・早貴は失敗したと思った
栞菜を信用してあげればよかった
心のどこかで自分と熊井ちゃんとの関係がばれて学園中に広まるのを恐れていたから
素直に栞菜に打ち明けられなかった
栞菜は秘密を言いふらすような子じゃないのに信用してあげられなかった
早貴は自分を悔やんだ
「なっきぃーそんなに自分を責めないで」
そんな早貴の心をくみとったように栞菜は慰めてくれた
栞菜は勘が鋭い、でもその分誰よりも繊細で微妙な心の動きも分かってくれる
そんな風に栞菜は優しい、そんなところが早貴は好きだった
- 487. 名無し募集中。。。 2009/07/10(金) 23:35:00.07 0
- 栞菜は安心していた
早貴の香りを嗅いだとき、その薫る香りがあの子の香りじゃなかったから
違う香りだったから安心した
早貴を疑っていたわけではない、しかしあの子の香りじゃなくて安心してる
いつも君があたしの近くを通り過ぎると良い匂いがする・・・その香りが栞菜は好きだった
遠くから見つめるのが精一杯でまだ話もしたことないけど、栞菜はその子が好きだった
最終更新:2009年07月12日 00:28