540. 名無し募集中。。。 2009/07/11(土) 22:22:10.97 0
部活が終わってロッカーでけえいたいを確認するとメールが一件
誰からだろう?と思って開けてみると『梨沙子』の名前

「うちの家の前・・・?」
時間を確認すると7時前、メールをくれたのが6時半過ぎ・・・
話し合いは確か8時だったはず・・・
普段は全然使い物にならない頭をフル回転させて計算する

大丈夫・・・
そう思うや否やうちは部室を飛び出し全速力で自転車を家まで走らせた
558. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 13:38:05.62 0
みやのマンションの前からトボトボと家に帰る

あたし、何やってるんだろう・・・
突然家の前って言われたって
みやだって忙しいし、その前に迷惑に決まってるじゃん・・・

そう思いながらもチラチラと携帯を気にするどうしようもないあたし
今日何度目かわからないメール問い合わせしようと思った瞬間
後ろから名前を呼ばれる

「梨沙子!!」
はっとして後ろを振り返るとそこには息を切らして自転車に乗っているみや

「はぁはぁ・・・間に合って・・・はぁ・・・よかった・・・」
「な、なんで・・・」
「はぁ・・・なんで?って・・・はぁはぁ・・・梨沙子が家の前にいるって・・・」
苦しそうに呼吸をしながらも優しく笑いかけてくれるみや
568. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 15:45:56.05 0
チャリを全速力で漕いだおかげで、なんとか梨沙子に会うことができた。
よかった、すれ違いにならなくて。

「ごめんね、みや・・・」
「いいよ全然。いつでもおいで」
「うん」

ぎゅっと抱きついてくる梨沙子。
少し驚いたけど、うちも腰に手を回してそれを受け入れた。

「梨沙子、もしかしてなんかあった?」
「なんもないよ」
「でも、元気なくない?」
「そんなことないよ。みやに会えなくて寂しかっただけ」
「あはは。昼休みに会ったじゃーん」

そんなこと言いながらも実は嬉しくて仕方なかった。
うちも気持ちは一緒だったから。早く会いたかったから。
だから、素直に寂しいって言ってくれたのが嬉しくて思わずにやけてしまう。
なんだ、寂しくて元気なかったのか。まったく、どこまでも可愛いんだから。

「とりあえず中入ろ・・・」
「あのねみや!」

梨沙子の手をとって中に入ろうとすると、突然梨沙子がうちの言葉を遮った。
ん?と首を傾げてみるが、言いだしずらいのかなかなか言葉が返って来ない。
どうしたの?ともう一回聞くと、梨沙子は決心したかのように口を開いた。

「・・・みやとシたい」
574. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 16:09:39.42 0
みやが追いかけてきてくれて・・・
みやに抱きついたら体がすごく熱くて、制服のシャツも汗で濡れていて
急いできてくれたんだって思うとすごく嬉しくて・・・でも切なくて・・・

みやが好き・・・
みやに愛されてるっていう証拠がほしい・・・自信がほしい・・・

だからあたしは・・・

「・・・みやとシたい」
593. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 16:56:15.77 0
”みやとシたい”
そう言われた瞬間、うちは梨沙子の手を引いて足早に部屋へと向かっていた。
玄関からまっすぐ寝室に行くと、うちはそのまま梨沙子をベッドに押し倒した。

シたいなんて言葉、今まで何度も言われたことがあるけれど、梨沙子に求められるのは他の人とは全然違う。
心地よくて、嬉しくて、胸がキュンとあったかくなる感じ。
うちだって梨沙子に触れたい。一つになりたい。
勇気を振り絞って言ってくれた梨沙子の言葉は、うちを興奮させるのには十分だった。

594. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 17:06:44.19 0
部屋に入った途端寝室まで手を引かれそのままベッドに押し倒される
すぐにみやにぎゅっと抱きしめられ、そして唇を重ねる
あたしはもっとみやを感じたくて首に腕を回す

みやがあたしの口内に舌を入れる
あたしはそれに応えようと自然と舌を絡ませた

キスってなんでこんなに温かいんだろう・・・
キスってなんでこんなに気持ちがいいんだろう・・・
595. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 17:17:04.55 0
キスを落としながら、彼女のシャツを脱がしていく。
なかなかうまくボタンが外せないほどに、自分でも焦っているのが分かった。
いったん深呼吸して、今度は落ち着いてボタンを外す。
背中に腕を回してブラも外すと、上半身が露わになった梨沙子が潤んだ目でうちを見ていた。
そっと梨沙子の胸に手を当てる。

「すんごいドキドキしてる」
「そりゃ・・・するよ」
「2回目なのに?」
「なっ、何回目でも緊張するの!」

真っ赤な梨沙子が可愛くて、うちは夢中で口付けた。
さっきよりも長く、深く。
呼吸が出来ないほどに、お互いを感じ合っていた。
梨沙子の右手とうちの左手を絡ませながら、空いてる方の手で梨沙子の胸を揉む。
このまま思考を止めて、ただ梨沙子を感じていたい。
梨沙子をうちでいっぱいにしたい。

ふと唇を離して頬笑み合う。
再びキスしようと顔を近づけた時だった。
カバンに入れっぱなしだった携帯が鳴り響いた。
598. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 17:31:30.06 0
最初は無視していたが案外それはしつこく鳴り続けて、
ちょっとゴメンと言ってベッドから降りた。
こんな時に誰だよ・・・と半ギレでディスプレイを見る。

熊井ちゃん
090********

顔面蒼白とは今のうちのことを言うのだろうか。
一瞬にして凍りつく。
たった今思いだした。大事な約束のことを。
今すぐ梨沙子を連れてどこかに逃げ出したい衝動を抑えて、恐る恐る電話に出た。

「もしも・・・」
「おーそーいいいいい!!今何時だと思って「熊井ちゃん、まだ5分前だよ」10分前集合は基本でしょーがああああ!!!」

熊井ちゃんの怒声が響く携帯をとりあえず耳から離して時計を見ると、現在時刻7時55分。
やばい・・・完全に遅刻だ・・・てゆーか、完全に忘れてた・・・。

「今どこ!?」
「えっと・・・あ!!!電波がああああ!!!」
「うそつけ!!バリ3だよバリ3!!!!早く来い!!!!」
「分かった・・・分かったから!」

それだけ言うと、熊井ちゃんが素で怖くて思わず電話を切った。
599. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 17:48:07.75 0
電話を切ってベッドに戻ると梨沙子が不安そうにこちらを見ていた
「みや・・・?」
「梨沙子・・・ごめん・・・あの・・・」
「もしかして用事・・・あったんだよね・・・ごめんなさい・・・あたしがわがまま・・・」
「そんなことないって!うちが忘れてたんだ・・・だから・・・えっと・・・」
うちが言い淀んでると梨沙子がうちの手を握ってくれる

「みや、あたしは大丈夫だから行って?」
「・・・梨沙子・・・あ、あの、じゃあここで待ってて?」
「え・・・で、でも・・・」
「用事終わったらすぐ帰ってくるから待っててほしい・・・
帰ったら誰もいないのは寂しいんだ・・・」
「みや・・・うん・・・じゃああたし、御飯作って待ってるね」
そう言ってニコッと笑顔を見せてくれる梨沙子に安心して
うちは思わず梨沙子を抱きしめた
600. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 17:56:34.64 0
「ねえみや」
「ん・・・」
「あたしね、この先も、たとえ何があっても、ずっとみやのこと待ってるから」
「え・・・?」
「んと、なんて言うんだろう・・・あたしはみやから離れないからさ、だから安心していいよ。」

だからほら、早く行ってと笑う梨沙子。
本当は、今出て行ったらもしかしたら嫌われるかも・・・なんて不安に思ってた。
でも、梨沙子はそんなうちの心の隙間を簡単に埋めてくれた。

「ありがと、梨沙子」


雅目線


608. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 19:55:59.94 0
メンバーのいる所まで自転車で飛ばす。
若干疲れているけど、そんなことは言ってられない。
さっき電話でキャプテンの声も聞こえたから、完全にうちだけが遅刻だ。早く行かなきゃ。

―この先も、たとえ何があっても、ずっとみやのこと待ってるから

坂道を立ち漕ぎして必死に登りながら、さっきの梨沙子の言葉を思い出す。
誰かが待っててくれるのっていいなぁなんて思うと頬が緩んだ。
少し、ほんの少しだけ、人を待つことに疲れていたから。
誰かがいなくなることに怯えてばかりだったから。
なんだか梨沙子がうちの帰る場所を作ってくれたみたいで嬉しかった。
誰かが自分を待ち続けてくれるってこんなにも心強いんだ。改めて思った。

うちは決めた。
どんなことがあっても梨沙子を信じよう。
梨沙子だけは裏切らない。
梨沙子だけは離さない。
絶対に梨沙子を大切にしよう。
うちも、どんなことがあっても梨沙子を待っていよう。

こんな風に誰かを思える日が来るなんて思ってなかったな。
このまま幸せな気分に浸ってたかったけど、今はそれよりも
イライラしながら待ってるだろう大事なバンドのメンバーの元へ急いだ。


梨沙子目線


601. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 18:08:03.57 0
みやが出て行って一人になる
改めて部屋を見渡すとやっぱり一人で住むには広すぎる部屋だと思う
ご両親はみやが高校に入る時に海外に行ったって聞いた

みやはなんで一緒に行かなかったんだろう・・・
高校に入ったばっかりだったから?
それともほかにここを離れたくない理由があった・・・?

あたしはまだみやについて知らないことばっかりだ・・・
それにあの・・・

やっぱり気になって仕方ない・・・この部屋で違和感を感じさせる
倒されたフォトフレームと、線香花火・・・
609. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 20:17:47.48 0
しばらくフォトフレームを見てると、ふと大事なことを思いだした
ママに電話しとかなきゃ・・・
でもなんて言おうかなぁ・・・

「もしもしママ?そうあたし!ねえねえ今日友達んち・・・あ、あっちゃんち!泊まってきてもいいでしょ?一緒にテスト勉強したいから、その方がいいかな〜」

愛理んちって言いそうになったけど、愛理の許可なしにそういうこと言うのは気が引けて、とっさにあっちゃんって言った

「え!違うって・・・え、なに?電波が・・・!」

610. 名無し募集中。。。 2009/07/12(日) 20:28:19.32 0
無理やり電話を切って慌てて着込んだシャツを整える

ママ怒ってるかな・・・
あたしって悪い子かな・・・
でもね、ママ・・・あたし・・・好きな人がいるの
どうしても一緒にいたい人がいるの・・・
だからね、許して?ママ
627. 名無し募集中。。。 2009/07/13(月) 00:31:03.88 0
フォトフレームのことは気になる・・・それに線香花火のことも・・・
だけどあたしは触っちゃいけないって思った・・・
だってそんなのみやのこと信じてないみたいだもん

だからみやが話してくれるまであたしは待つよ・・・
何を言われても覚悟はできてるから・・・

一度ギュッと目を閉じる、
そしてあたしはみやのために夕食を作ろうとキッチンに向かった
最終更新:2009年07月15日 23:15