- 625. 名無し募集中。。。 2009/07/13(月) 00:03:59.14 0
- 「えっと…」
戸惑ってるうちを余所に彼女はライブハウスを指さして
「ねぇ、中にみやいるの?」
って聞いたけど…だけど混乱してたうちは
「えっと…あの…」って口ごもってしまった
彼女はため息まじりの笑顔を向けるとライブハウスの中へと入って行った
「い、今のって…みやの部活の先輩だった人だよね…」
何でかわからないけどみやに報告するか否か迷ってる自分がいた
別に彼女とみやの間に何があるのかはうちのはわからない
でも…彼女がいなくなってからみやがおかしくなったのは一番近くにいるうちが知っている…
今あった出来事をみやには伝えちゃいけない
そんな気がしてうちはみやにかけようと手に取った携帯を握りしめライブハウスをあとにした
- 626. 名無し募集中。。。 2009/07/13(月) 00:14:24.01 0
- 千奈美からの突然の言葉に私はただごめんと謝ることしかできなかった
千奈美が嫌いなわけじゃない…
でも…私の頭の中にあるのは千奈美じゃなくて愛理ちゃんだから…
千奈美が出て行ったライブハウスのドアをずっと見つめているとふいにドアが開いた
「千奈美?」
「うわ〜すご〜い」
中へ入ったきたのは千奈美ではなく小柄で千奈美とは似ても似つかない足の短い子だった
「あなた誰ですか?」
「あ、あなたがさっきの子の?」
「べ、別にそんなんじゃ…!」
「ふ〜ん」
疑いの目で見つめてくるその人から心の中を見透かされないように顔を逸らした
「それよりみやいる?夏焼雅」
「みや?みやの知り合い?」
「うんっ!知りたい?みやとの出会い知りたい?」
「いい…いいです…」
いちいち顔を近づけてきて話すその子は一瞬で私の嫌いなタイプだと察した
みやの知り合いなんて珍しい
いつもクールな顔して人を近づけない
そんな空気を漂わせているみやの知り合いなんてどんな接点なのか気になった
- 663. 名無し募集中。。。 2009/07/13(月) 22:45:12.54 0
- 「みやとはどういう知り合いなんですか?」
「う〜ん…」
その質問に対して彼女は困ったように眉を下げた
聞いちゃいけないことを聞いたのかもしれないと咄嗟に謝ろうとした
「ごめんなさ…」
「部活の先輩後輩ってとこかな」
「え?」
「部活が一緒だったの。私とみや」
「部活ってバスケ部?」
「うん」
体系と喋り方からしてどうも運動部というよりは文科系といった感じの彼女からの
思わぬ言葉に私は驚いてそれ以上は聞けなくなってしまった
「みやいないの?」
「みやなら今からちょうど会いに行くんで一緒に行きますか?」
「ううん。今日はいいや。ママにも遅くなるなって言われてるから」
「そうですか」
去っていく彼女を見つめていると出入り口付近で彼女が振り返った
「みやってもう私じゃない誰かと一緒にいるのかな!?」
ライブハウスに彼女の声が響き渡った
私の頭の中にはみやの傍で笑う梨沙子ちゃんの顔…
でも目の前の彼女は今にも泣きそうな顔で私を見つめている…
「いないと…いないと思います!」
そう叫び返すとギターを置きバッグを手にとって彼女の横を「失礼します」と走りぬけた
最終更新:2009年07月15日 23:17