662. 名無し募集中。。。 2009/07/13(月) 22:20:15.11 0
待ち合わせの喫茶店に着くと
案の定熊井ちゃんが腕組みに貧乏ゆすりで待っていて
「遅い!!」
開口一番そう言われた

「ごめん、ちょっと色々あって・・・」
「色々あってもこっちが大事な用事だってわかってたでしょ!?」
「うん、ほんとごめん」
「も、もう!熊井ちゃん!もういいから」
間に入って止めてくれるキャプテン

そうだよ・・・やっぱりキャプテンはキャプテンなんだよ・・・
たまにケンカするうちと熊井ちゃんをどちらの味方をすることもなく、
でもちゃんとうちらをまとめてくれるキャプテン・・・

キャプテンがいなきゃBuono!じゃないんだよ?キャプテン

うちは何を言われても絶対キャプテンを引きとめる!
そう決意してキャプテンからの言葉を待った
664. 名無し募集中。。。 2009/07/13(月) 22:58:55.49 0
キャプテンは今回のことを一から教えてくれた
寺田さんに声をかけられたこと
High-Kingのメンバーに入らないかと誘われたこと
そして・・・一度は入るって決めたはずなのに今また迷ってるってこと・・・

「うち・・・High-Kingに入ってデビューして自分の力を試したいって思った・・・
だからBuono!は抜けたい・・・」
「キャプテン・・・」
「だけど・・・3人でこれからもやっていきたいとも思ってしまうの・・・」
唇をかみしめて下を向くキャプテンにどう声をかけたらいいかわからないうち

そんな時ずっとキャプテンの話を黙って聞いていたみやが口を開いた
「Buono!はこの3人じゃないとBuono!じゃないんだよ
だからキャプテンの抜けるって言い方、まちがってる
キャプテンがいないとBuono!がある意味はないんだよ」
キャプテンを真っ直ぐに見つめるみやの横顔は不謹慎ながら美しいってうちは思ってしまった
671. 名無し募集中。。。 2009/07/14(火) 01:52:48.44 0
みやの迫力に押され気味のキャプ。
目線は泳いでるし、なんだかもじもじしてるし、どうもらしくない。
「でも・・・やっぱりうちはHigh-Kingで・・・」
「ダメ。絶対」
こんな子犬みたいなキャプは初めて見る。
普段いつも笑顔で、争い事が嫌いで、バカがつくほどのお人好し。
そんなキャプテンだからうちらはまとまってたんだって事に今更気付いた。
だからこそ、こんなキャプの姿は見たくない。
「笑ってよ、キャプ。」
「え?」
自分でもなんて場違いなことを言っているんだろうと思う。
でも、笑ってなきゃキャプじゃないから。
「そんな顔のキャプ見たくないよ・・・」
「でも、こんな時に笑えないよ・・・」
そりゃ、そうだよね。
もしかしたら、あの笑顔を奪ったのもうちらなのかもしれない。
みやとうちの自分勝手に嫌気がさしたのかも知れない。

そうだとしたら、キャプはうちらと一緒にいない方が――――。
685. 名無し募集中。。。 2009/07/14(火) 13:31:31.54 0
「もしかしてキャプ、うちらに嫌気がさした・・・?」
「え?」
「だって・・・いつもゴタゴタ起しちゃうしさ・・・」

俯いて悲しそうな声を出す熊井ちゃん。
嫌気は・・・正直さしたよ。
愛理ちゃんのこととか色々あって・・・自分に自信がなくなって。
私だって二人みたいに輝いていたい。もっと上を目指したい。二人に負けたくない。

あの時は感情的になっていたから二人を恨んでしまったりもしたけど、やはり二人は大事な友達だ。
それは分かってる。でも・・・・。
私は、せっかくのチャンスと芽生えた向上心も同じくらい大切にしたいんだ。
687. 名無し募集中。。。 2009/07/14(火) 13:45:17.11 O
そんな時みやとばっちり目が合う
みやはなんでこんなにキラキラした目をしてるんだろう
愛理ちゃんだってみやにこうやって見つめられたら好きにならないわけがない

「キャプテン、うちは絶対キャプテンと一緒がいい…
だからもう一度考え直してほしい
今度のライブ…それが終わってから答えを決めてほしい」
みやが今までに見たことがない必死な表情を浮かべていて、うちは頷くしかなかった
690. 名無し募集中。。。 2009/07/14(火) 14:32:57.15 0
キャプテンが出て行って熊井ちゃんと二人きり。
しばらく沈黙が続いたあと、熊井ちゃんが口を開いた。

「みやさぁ、キャプテンの話も聞かずにあんなこと言ってよかったの?」
「え?辞めたい理由なら・・・デビューして自分の力を試したいからでしょ?そう言ってなかった?」
「そうだけど・・・・でもどうしてそんな風に思ったのか、それが気になるんだよ」

「キャプ、少し意地になってる気がしたんだ」と、真剣な顔で熊井ちゃんが言う。
確かに・・・自分の力を試したいと思ったのには何か理由があったのかもしれない。
さっき熊井ちゃんが言ってた通り、うちらに問題があったのかもしれない。
でも・・・

「でも・・・・うちは、どんな理由があっても絶対キャプと一緒がいい。ずっと一緒にやってきたし」
「へー。意外と大事に思ってるんだね。メンバーのこと」
「・・・は?」
「約束忘れてるし遅れてくるし、もううちらのことどうでもいいのかと思った」
691. 名無し募集中。。。 2009/07/14(火) 14:41:56.28 O
熊井ちゃんに痛いところをつかれて言葉に詰まる
「あ、いや、それは…ごめん…」
「…………プッ…みやが正直に謝ったぁ!!」
そう言って笑いを堪えている熊井ちゃん
「う、うるさいなぁ…うちだってそんな時あるよ!」
と言いながら携帯で時計を見るともう9時近くて…

「じゃあうち帰るね
明日はちゃんと遅れずに練習参加するから」
最終更新:2009年07月15日 23:19