佐紀目線
- 758. 名無し募集中。。。 2009/07/15(水) 22:33:42.33 0
- みやと熊井ちゃんと別れてから私はあてもなくただ歩き続けた
みやから言われた言葉が胸にささる
2人共こんな私を必要としてくれていた
そんなことも知らずに私は自分のことだけを考えてBuono!の脱退を決めてたんだ…
気づくと私の足が向かっていたのは愛理ちゃんの家の前だった
「あたし…振られたのに何やってんだろ…」
自分の不自然な行動に元来た道を戻ると背後から
「清水さん?」
という優しい声が私を呼んだ
- 764. 名無し募集中。。。 2009/07/16(木) 00:26:22.94 0
- 振り返るとその声の主は見たことのない女性だった
「え、なんで私の名前…?」
「あぁごめんなさい!愛理から小さいけど頼りになる優しい清水さんっていう先輩がいるんだって聞いてたから
もしかしたらあなたかなって思って。やっぱりあなたが清水さんだったのね」
愛理ちゃんに似て優しい声
そして優しい眼差し
「はい…」
「愛理に用事?それなら今呼んで…」
「いいんです!」
「でも」
「ちょっと近く通っただけですから…」
不思議そうに首をかしげている愛理のお母さんに私の最後の意志を託した
「一つだけ…一つだけお願いしてもいいですか?」
「うん。なんでもいって」
「愛理さんに…今までありがとう。あのことは忘れて下さい。 そう伝えてもらってもいいですか?」
「そんな大事なこと…」
「お願いします。今の私じゃ愛理ちゃんに会えないんです」
それだけ伝え頭を下げると私は元来た道を走り出した
愛理目線
- 917. 名無し募集中。。。2009/07/19(日) 00:16:56.66 0
- いつものように部屋で読書をしていると部屋のドアを叩く音
「はーい」
お母さんが入ってきて切なそうな顔で私を見つめてる
あまり見たことないお母さんの顔に私は少し不安を感じた…
「お母さん、どうしたの?」
「うん…実はさっき家の前で愛理がよく話してくれてた清水さんに会ったのよ」
「え…」
「それであなたに『今までありがとう。あのことは忘れてください』って伝えてって…
上がってくように誘ったんだけど、そのまま走って行っちゃって…」
お母さんのその言葉を聞くと私は無意識に部屋を出て靴も履かずに外へと飛び出した
でもそこにはやっぱり清水さんの姿はなくて…
ただただ暗い道が電灯に照らされているだけ…
まるで居なくなるみたいな清水さんの伝言に私は変な胸の苦しみをおぼえた
居なくなっちゃ嫌だ…嫌だよ…
頭の中を巡っているのはあの日腕を掴まれたときの温もり…
心配してかけてきてくれた電話の声…
告白されたときのまっすぐな瞳…
私はその場に座りこむと溢れ出す涙を流し続けた
最終更新:2009年09月09日 23:30