- 765. 名無し募集中。。。 2009/07/16(木) 00:42:58.96 0
- 暗い暗い闇の中 もぉは一人
目の前にみやの後ろ姿が見えて追いかけてるのに追いつかなくて…
「みや!みや待ってよ!」
そう叫んでもみやには届かなくて…
みやの横にはよく見えないけど知らない女の子がいる
「やだ!みや行かないでよぉ!もぉを一人にしないでよ!」
「やだ!」
ハッとして目が覚めると目の前には見たことのない天井 頬には雫が伝っていた
「いつの間に寝ちゃってた… って、ん?」
ふいに隣に温もりを感じ振り返ると一人の女の子がもぉにもたれかかって寝ていた
「だ、だれ!」
「ん…?あ、起きたんだ?」
「あなたさっきの…」
- 766. 名無し募集中。。。 2009/07/16(木) 01:25:28.93 0
- 「忘れ物して戻ってきてみたら寝てるんだもん。起こしちゃ悪いと思って」
気づくともぉの上にはその子が着ていたと思われるパーカーがかかっていた
「あ!これ!ありがとう!」
「いえ」
「あの…あなた名前なんていうの?」
その子は立ち上がりパーカーを羽織る
「佐紀。清水佐紀。じゃああたし帰るからあなたも早く帰りなよ」
「もも…」
「へ?」
「あたしの名前は桃子!嗣永桃子!」
つい大声をあげてしまったもぉは恥ずかしくて下を向いてしまった…
すると佐紀ちゃんの笑い声が聞こえたからもぉはゆっくりと顔をあげた
「ははっw声でかすぎw」
そんな顔を見てるともぉもついつい笑顔になる
「ふふっ これでもバスケ部の応援団長だったんだから」
2人の笑い声がライブハウスに響き渡っていた
- 811. 名無し募集中。。。 2009/07/16(木) 23:55:50.98 0
- よく知らないみやの知り合いの子
時間を忘れて色んなの話をした
みやの昔の話
桃子ちゃんの住んでる街の話
家族の話
数え切れないくらいの話の中で私達は距離を縮めていた
「やばっもうこんな時間!帰らなきゃ!桃子ちゃん今日泊まるホテルってどこなの?」
「ねぇ…今日佐紀ちゃんの家泊まってもいい?」
「え?」
「本当は、ママ達に内緒で日本に来たの…。だからホテルとか予約してなくて…」
俯き泣きそうな顔の桃子ちゃんをほっとけるわけにも行かずしょうがなく私の家へと招き入れた
- 812. 名無し募集中。。。 2009/07/17(金) 00:11:21.35 0
- お風呂に入り髪を拭いている桃子ちゃんに麦茶を差し出す
「はい。ねぇ一つ聞いていい?」
「ん?」
麦茶を一口飲んで桃子ちゃんは私のほうへ顔を向けた
「桃子ちゃんは何しに日本に帰ってきたの?」
その質問に少し困ったように笑った桃子ちゃん
そして私から顔を逸らし前のほうへと視線をずらした桃子ちゃんはぽつぽつと話始めた
「佐紀ちゃんはさ…七夕の短冊でお願い叶ったことある?」
まさかの逆質問に戸惑いながらも私はその質問に素直に答える
「う〜ん…あるかも」
「一つだけ?」
「普通一つじゃないの?」
やっぱりそうなんだって顔で俯いた桃子ちゃん
「彦星さまと織姫さまはやっぱり一つしかお願いこと叶えてくれないんだね…だから…みやと…」
それ以上語ることなく桃子ちゃんは瞳から大粒の涙を流し私の胸へと顔を埋めた
- 813. 名無し募集中。。。 2009/07/17(金) 00:36:17.26 0
- 「え、ちょっ」
突然の出来事に戸惑った
抱きしめるわけにも行かず両手をあげてる私
「ごめん…目にほこり入っちゃったみたい…」
そう言って私の胸で笑った桃子ちゃんの肩は震えてた
「変なこと聞いてごめんね…もう寝よっか。私床で寝るから桃子ちゃんベッド使って」
抱きついている桃子ちゃんを引き離し泣き顔を見ないようにそっと顔を逸らした
そんな私の服の裾がくいっと引っ張られた
振り返ろうとしたけど桃子ちゃんが泣いてるから振り返らずそのまま
「どうしたの?」と聞いた
「一緒に寝よ」
「ほぉえ?」
「一緒に寝ようよ。佐紀ちゃんのベッドなのに申し訳ないよ…」
「私はいいから、桃子ちゃんがベッド使って」
掴まれている裾から手を引き離そうとしたがなかなか離してくれない
「桃子ちゃん、あのこれ…」
「お願い。最近恐い夢ばっかり見るの…」
- 818. 名無し募集中。。。 2009/07/17(金) 03:23:23.96 0
- 私そのまま桃子に流されるように一緒のベッドへと入った
いつも広々しているベッドも今日はとても狭く思えた
背中をくっ付けあって寝付いたものの何だか眠れない…
「佐紀ちゃん起きてる?」
背中越しに桃子ちゃんの声が聞こえて私は「うん」と答えた
「みやといつも一緒にいる子ってどんな子?」
いきなりの質問
どう答えればいいのか戸惑った
なんとなくだけど桃子ちゃんがみやを好きなことには気づいていたから
「優しい子だよ」「良い子だよ」なんて答えれば桃子ちゃんは傷ついてしまうんじゃないか
そんな気がして…
「普通だよ」
というありきたりな答えを渡した
「そっか…。でも、みやが幸せならそれでいいかな なんて…」
クスクスっと笑った桃子ちゃんの背中が小刻みに震えてる
思わずその背中を私はぎゅっと抱きしめていた
- 819. 名無し募集中。。。 2009/07/17(金) 03:37:39.29 0
- 「なんで…なんでみやと関わる女の子はみんな傷ついて悲しむの…」
気づいたら桃子ちゃんの背中越しにみやのことを悪く言ってる自分がいた
「みやなんか…みやなんか居なくなればいいのに…」
「やめて!」
桃子ちゃんは振り返ると私の頬をペチっと叩いた
「この世に居なくなっていい人なんていないんだよ!いなくなっていい人なんか…。
特にみやの前ではそんなこと言わないで。大切な人が居なくなる辛さ…
みやが一番わかってるんだから!」
そう…私は忘れてた…
いつだったか私に「両親いないんだぁ」なんて笑顔で言ってたけど
どこか悲しそうな顔してたみやのこと…
「ちがっ…本当は居なくなってほしいなんて思ってない…思ってない…」
私の頬を濡らす涙を桃子ちゃんはそっと拭うと優しく微笑んだ
「別に傷ついて悲しんでるんじゃないの。ただ…みやの元を自分から離れてちゃった自分のことが許せないの」
桃子ちゃんは私の目を見つめもう一度優しく微笑んだ
「もぉ明日もうお家に帰る」
「え、みやは?みやに会わなくていいの?」
「うん。みやが元気そうで安心したしパパとママも心配してると思うから」
「でも…!」
「いいのいいの。はぁー寝られないから羊数えちゃお〜っと。羊が1匹、羊が2匹…」
そんな桃子ちゃんの羊数えたに付き合っているといつの間に眠りについていた
最終更新:2009年07月18日 14:20