ヒュッと吠えるような砲撃で目が覚めた。
視界を空きチャンネルへと合わせて、支給された新しいゴーグルの調整をする。
攻撃ヘリからの掃射に混じる曳航弾に色分布の上限を合わせて、クリックをカチカチッとまわす。
ときどき戦車砲から発射された榴弾が爆発し、唸りをあげながら破片が頭上を飛んでいく。
喪男A「・・・深さ良し・・・フォーカス速度増せ・・良し・・・さすが国産品だな。映像がクリアで速い」
喪男B「壊すなよ。またあの工場にもどって、死ぬまでボールペンのキャップをはめたいなら別だが」
喪男A「しょせんは消耗品だろ?」
喪男C「喪男Aからまだ三万返してもらってないぞ・・・」
戦車の後ろに掘った壕で、飯を食いながら俺たちは朝の支度をしていた。
今日も昨日からの増援で戦車部隊が送られてきているようだ。おそらくは掃討作戦の仕上げなのだろう。
缶コーヒーを啜りながら出発を待つ。白い霞みがかかり、服が湿る。
戦車長「ボストークリーダーより各車へ!ボストーク前進!さっさと乗れ!
目標は旧秋葉原跡地制圧だ。到着後、安全装置を外して戦車から下車、戦列に加われ」
若い戦車長が怒鳴りつけるように号令をかける。
戦車長に急かされ、俺たちは戦車の砲塔によじ登る。
喪男A「ハァハァ・・・三十路派遣には過酷すぎる・・・糞め・・・」
旧秋葉原跡地に到着した。激しい砲撃で建物は崩壊している。まだ太陽の出る前で薄暗い。
俺たちは、戦車から下車しレンガで出来た橋沿いに移動する。すぐに上左右を確認し、走る。
橋が途切れると、合図とともにビルの側面へと移る。ワン、ツー、スリーと数え移動するたびに汗がメガネを伝う。
途切れ途切れにタンタンタンという低い機関砲の音がビル街にこだし、切り裂くような音が頭上をかすめる。
全然思い付かねぇもんだな('A`)
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最終更新:2006年10月07日 12:44