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5.In Serch of Robinson Crusoe

 今日の世界には、最早新しい発見の機会はないのだろうか?地球の隅々まで、既に地図に記されてしまったように思われる。Robinson Crusoeのような冒険好きの船乗りが、自然の中、一人で住むことができるような孤島は存在しない。高橋大輔は、このようなことに同意しないという。彼の目には、世界は多くの探検の機会を残して見えるのである。彼は不可能な夢を抱き、そしてそれを実現することを決断している。彼は、Robinson Crusoeを追い求めているのだ。

 約300年前、イギリス人作家、Daniel DefoeはThe Life and Strange Surprising Adventures of Robinson Crusoeを著した。船乗りであるRobinson Crusoeが孤島に漂着し、数年に渡ってそこで生活する、という物語である。Crusoeは小屋を建て、山羊を飼い慣らし、船を造った。多大な困難に直面しながらも生き抜いた彼は、最後にはイギリスの船に救助される。1719年に出版されて以来、この本は多くの読み手の冒険心を刺戟し続けている。
 高橋大輔も、そのような読み手の一人である。1966年に秋田に生まれた彼は、少年の頃にRobinson Crusoeを読み、その世界に夢中になった。彼は度々、家の近くの川で魚を捕って火で焼き、また庭で枝を集め小屋を建てた。彼の両親にしてみれば、彼は典型的な悪戯好きの子供だっただろう。しかし、彼自身は非常に真剣であった。彼は、考えた。『私がCrusoeのように孤島に漂着したら、どうだろう。私は彼がしたように、小屋を立て、狩猟を学んで生き抜くことができるだろうか?』Defoeの物語は彼の心に火をつけ、成人した彼が未だ抱き続ける冒険への愛をかき立てた。

 高橋は、Robinson Crusoeの物語は、Alexander Selkirkという実在するスコットランド人の船乗りの冒険に基いていることを知った。高橋はSelkirkについて、可能な限り多くのことを調べた。1994年、彼は、300年前にAlxander Selkirkが実際に住んだ小屋を探しに発った。
 現在はRobinson Crusoe島と呼ばれているSelkirkの住んだ島は、南太平洋上の、南アメリカの沿岸から670キロの沖合いに位置している。その島は、この300年の間に多くの変化を遂げた。最も重要なことは、Robinson Crusoe島は最早無人島ではなくなったということである。この島に移り住んだ人々は開発を進めており、300年前の小屋を見つける希望などあろうはずもなかった。高橋の調査は、行き詰まりかけた。
 成功の可能性は全くないように思われたが、高橋はAlexander Seikirkの住んだ小屋を見つけるという目標を捨て去ることができなかった。そして、数年後、彼は新しい重要な糸口を掴んだ。

 1999年、高橋は、考古学の計画が進められているIslayというスコットランドの島を訪れた。そこで、彼はスコットランド人の考古学者であるCaldwell博士と話す機会を得た。博士は、石壁の遺跡を探索している時、何気なく口にした。『Selkirkがスコットランド人だということは、重要かも知れない。寒冷な気候と強風のために、家を建てることができるほど大きな木は、スコットランドには存在しない。それゆえに、スコットランドの住宅の多くは石で作られているのである。スコットランドに生まれたものが孤島で生活することになったなら、小屋を建てる上で石以外の何を使おうか。』
 石の小屋!2年後、高橋はRobinson Crusoe島に戻り、石の建築を探した。彼は、次に起こったことを語った。
『私は、古い小屋の所在を知っているという漁師に会った。私たちはすぐに友人になり、秘密の場所に案内するという彼の承諾を取りつけた。私は彼について行き、そして遂に彼は立ち止まった。彼は、ゆっくりと言った。ほら、あれがそうだ、と。
 私はそれを見つめ、喜びで震え始めた。幾度も、私は周囲を歩き回った。見ろ、見ろ!私は、自分自身に言って聞かせた。古い小屋が、半分土に埋もれていた。その小屋は、石でできていた。ここには誰が住んでいたのか、と私は尋ねた。漁師は、ただ黙っていた。私は、石の壁に向けて同じ質問を幾度も投げかけた。それらもまた、沈黙していた。そうするうちに、時間が過ぎた。』

 2005年1月、高橋と国際地理協会のチームが調査を行い、その場所の石の壁はSelkirkの小屋の物ではないということが明らかになった。石の壁は、18世紀半ばにスペイン人によって建設されたものであった。彼らは落胆したものの調査を続け、Selkirkの小屋のものであった可能性のある炉と柱の穴を見つけ出した。遂に、彼らは小さな青い石を見つけた。それは、青銅の航海用コンパスの小片だった。ほとんど確実に、Selkirkのものであった。
 10年以上のときを経て、高橋大輔の探索は結実した。彼は、Alexander Selkirkの小屋を見つけ出したのだった。
 2005年10月にThe National Geographicで報じられたこの発見は、過密な、整理された今日の世界も私たちに新しい発見の機会を与えるのだという高橋の信念を裏付けていた。近日、彼は語った。『探索という単語がほとんど死語になっている今日、私は若者たちに、自身の夢を追うことの高揚を伝えたいと強く願う。』

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最終更新:2010年04月07日 20:19