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2.The Moon Illusion

 なぜ月は、上空高くにある時に比べて、上っているときや沈んでいる時大きく見えるのだろう?恐らく、私たちは皆いつの間にかこの奇妙さに気付いているだろう。Robert L.Wolke教授が、月の錯覚について話す。

 月は、低く地平線近くにある時、上空高くにある時に比べると、大きく見える。この現象は、満月の時に、特に顕著である。
 月がどのようなもので、どのようにして地球の周りを回っているかを知るずっと前から、人々はこのことについて、少なくとも2000年の間考えてきた。では、今日の宇宙時代になってさえ、私たちは未だ、月の見かけ上の大きさについてのこの疑問に対する答えを知らないのだということを、あなたは信じるだろうか?
 想像できる通り、長年の間、人々は多くの「説明」を打ち立ててきた。そのうちのほとんどは、簡単に間違っていると証明できるものだった。
 科学は、月の錯覚に関する定まった説明を、これまでのところできていない。それが物理科学の事柄であったら、既に何が起こっているのか分かっていただろう。なぜなら、物理は高度に発達した科学だからだ。しかし明らかにそれは人間の認識に関する事柄であり、それに関する理解は、私たちの周囲の世界に関する理解に比べて酷く未発達である。
 唯一つ明白なことがあるとすれば、地球の周りを回る時、月の実際の大きさは変わらないということだ。月が地平線近くで上っているときと沈んでいる時、頭上にある時に比べて、実際に大きくなっているなどということはない。だから、月の大きさが変わって見える原因は、それが私たちの目や脳に認識される方法に関わることに違いない。しかし、それは何なのだろうか?

 間違った理論のいくつかを論破する前に、月の大きさが変わって見えるのは錯覚だということを__つまり私たちが「より大きな月、より小さな月を見ている」と知覚しているとき、実際にはそのようなものを見てはいないということを__確認しておこう。
 満月の夜に、暗くなった後すぐに外に出て、月が未だ地平線近くの低い所にあることを確認しなさい。腕の長さに定規を持ち、月のほうに向けて、その大きさを測りなさい。月が上空高くあるとき、同様に大きさを測定しなさい。月の大きさが、変わっていないことが分かるだろう。
 では、打ち立てられてきた間違った理論のいくつかを論破しよう。
「月が低い所にあるとき、あなたは無意識に地上の木や家、山と比べており、それらと比較すると月は大きく見える。しかし、月が上空にあるとき、それと比べるものがないため、あなたは月をあまり大きいと考えない。」
ええ、そうかも知れない。しかし地平線上に何もないときであっても、低い所にある月は大きく見える。
「月が低い所にあるとき、真上にあるときに比べると、あなたはより多くの空気の層を通してそれを見ている。その空気の層はレンズのように働き、拡大鏡のように光線を捻じ曲げ得る。」
残念ながらそのような効果は小さく、月の形を少し歪めることはできても、大きさは変えられない。
「月が低い所にあるとき、あなたは正面を向いて見ているが、月が上空にある時、あなたの頭は上方に向けられており、眼球が少し圧迫されているので、それによって・・・」
ナンセンス。

 では、月の大きさが変わって見えるのは、何が原因なのだろうか?人間の認識を研究する心理学者たちは、2つの納得できる理論を打ち立てている。
理論1:私たちが目を開いた日以来の経験に基くと、物体が接近してくる時、それは次第に大きくなる。接近してくる飛行機か、そうでなければ屋外で飛んでくるボールを考えれば良い。しかし、月はこの法則の全てに逆らっているように思われる。月が頭上に移動してくる時、それは近づいてきてはおらず、そしてそれは大きくなっていない。このため、人間の脳は月を不自然に小さいものとして認識し、それがあなたの視界に反映されるのである。地平線上にある月が大きく見えるのではなく、上空にある月が小さく見えるのだ。
理論2:空を見なさい。もしあなたがよく知らなければ、空を頭上を覆う大きなドームのように考えないだろうか?古代の人々は、実際に、空はドームでありそこに星や月が据えられていると考えた。この宇宙時代になっても、私たちは未だ組み入れられた感覚の上で、空がドームであると知覚しているように思われる。
 夜空を、しばらくの間意識的に思い浮かべなさい。では、そのドームまでの距離はどの程度だろう?あなたは、地平線に触れるそのドームの端は、真上にあるドーム上の一点よりも遠くにあると考えそうである。換言すると、私たちは空を浅いドームとしてとらえているのである。その方が、考えやすいのである。なぜだろうか?私たちの経験は常に、地平線は遠くにあると物語ってきたが、「空の頂点」もまた遠いということを物語るものはない。
 それゆえ、月が地平線近くにある時、私たちは無意識に、頭上にあるときに比べてそれが遠くにあると考えている。しかし、私たちの視覚経験に基くと、遠くにある物体は小さく見える。だから、月が地平線に近い「遠く」にある時であっても大きさが変わらず、私たちの期待が欺かれる時、私たちの脳はそれを非常に大きなものとして認識する。このため、地平線上にある月は大きく見えるのである。
 私の見解では、理論2が正しいように思われる。

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最終更新:2011年06月20日 20:43